本日5月3日に東京・ポレポレ東中野にて映画「マンガをはみだした男 赤塚不二夫」のトークイベントが行われ、劇伴を担当した
4月30日に公開されたこの映画は、2008年に逝去したマンガ家・赤塚不二夫の生涯を、赤塚本人の映像やアニメーション、関係者インタビューなどをもとに描いたドキュメンタリー作品。撮影前から劇伴をU-zhaanに依頼することを決めていたという坂本氏は「赤塚不二夫さんがインド人の格好をしている写真から“明るい涅槃”のイメージが浮かんできて、インドといえばU-zhaanさんだろうと、シンプルな発想で決めた」とオファー理由を語った。
当初、タブラのみの音で劇伴を依頼されたU-zhaanだが「メロディなどをきちんと入れてカラフルな形にしたい」と構想し、蓮沼に声をかけたという。共作に至った経緯についてU-zhaanは「本当は数曲だけ手伝ってもらおうと思ったんですけど、ラジオ番組で2人で作った曲がすごくいい感じにできあがったので、このまま2人で全部作ったほうが統一感も出るしいいかなと思った」と説明。また「酔っぱらったシーンに宴会っぽい音楽を使いたいと言われたので、朝9時に集まって『スーダラ節』のカバーとか作ったんです。素晴らしいのができあがったなと思ったら、使われてなかったですね(笑)」と裏話も明かした。
初めて映画音楽を担当したU-zhaanは蓮沼との制作過程について坂本氏に尋ねられると「2人でアニメーションを観ながら演奏するという方法で作りました。あとはアニメの効果音を足す隙を作るためにも、あまり多重録音しないほうがいいと思ったんですよね」と回答。蓮沼も「画を観ながら音を当てていくという、いたって普通の作り方なんですけど、音楽の中でタブラをフィーチャーするというより、僕も1個の音で勝負したほうがいいと思ったんです」と答えた。
さらにタモリが歌唱で参加したことで話題を呼んでいるエンディングテーマについて、U-zhaanは「けっこうしっかり作り込んでいったメロディに歌詞を付けてもらいたいとお願いしたんですけど、タモリさんはもっと自由な感じでやりたい様子だったんです。なので、サビのメロディだけ固定して、あとはタモリさんの即興に任せました」と語る。タモリは録音を終えて一度スタジオをあとにするも、「面白そうだからもう1回行こうかな」と、作業を続けていたU-zhaanたちのもとを再訪したとのこと。U-zhaanは仕上げていた音源をタモリに聴かせたところ「1番にもっと歌詞っぽいフレーズを入れたほうがいいと思うから録り直したい」とタモリ自身から申し出があったことを振り返り、「明らかに録り直したやつのほうがよくて、差し替えたのが今上映されたものです。どうせなら完成までやっちゃおうか、ということでコーラスやハンドクラップにもタモリさんが参加しています」と明かした。エンディング曲に携わっていない蓮沼は「途中でデモを聴かせてもらったんですけど、その時点でこのエンディングテーマが素晴らしかったので、もう僕は何をやってもいいやと思いました」と絶賛した。
映画「マンガをはみだした男 赤塚不二夫」は東京・ポレポレ東中野および下北沢トリウッドほか全国で順次公開される。なお5月8日には下北沢トリウッドにてU-zhaanと蓮沼によるトークイベント、21日には埼玉・川越スカラ座にてU-zhaanのトークイベントが行われる。
リンク
- 赤塚不二夫生誕80周年企画 マンガをはみだした男|ドキュメンタリー×アニメーション
- U-zhaan Official Website
- 蓮沼執太 | Shuta Hasunuma
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U-zhaan×蓮沼執太、赤塚不二夫ドキュメンタリー映画の劇伴制作を語る - 音楽ナタリー https://t.co/diM9s4e5hT