6月23日からスタートした、
この選挙はAKB48や
会場フロア前方に100席近い椅子が並べられ、ステージ上には赤いカーペットが敷かれているなど、いつものライブとは異なる雰囲気。そんな中、定刻どおりに会場が暗転し、まずはAKB48の現選抜メンバーが登場して「涙サプライズ!」を披露した。次の新曲でも同じように選抜入りできるのかどうかを考えているのか、各メンバーはいつもよりも若干固い表情。歌い終えると、高橋みなみ(チームA)は「気持ち悪い」、宮澤佐江(チームK)は「笑っていいのかどうかわからない」、渡辺麻友(チームB)は「やびゃあ!心臓がマッハで動いてます」とそれぞれの言葉で緊張感を表現した。
続いて、SKE48チームSのメンバーがステージに現れ、8月5日にリリースされるデビューシングル「強き者よ」を初披露。現在の勢いを感じさせる、フレッシュなパフォーマンスで会場を沸かせた。
メンバーがステージを降りると、いよいよ総選挙の開票がスタート。AKB48劇場支配人の戸賀崎智信とスタイリストの茅野しのぶが司会を務め、その他のAKBスタッフも普段とは異なる正装でイベント運営をサポートした。続いて、パリで開催された「JAPAN EXPO 2009」から帰国したばかりのメンバーを含むAKB48/SKE48メンバーが登場。体調不良のため一部参加となった大島優子(チームK)のほか、増田有華(チームK)をはじめとする数名がスケジュールの都合や学校行事のためイベントを欠席した。
開票に入る前に、まずスクリーンにて選挙の経緯と選挙の仕組みを説明。その後、ステージ上に順位と同じ番号が付けられた椅子が配置され、このポジションが新選抜での立ち位置になることが告げられた。さらに、新選抜21人中上位12人が新曲プロモーションで稼働することも発表。会場からはどよめきの声が上がった。
いよいよ結果発表に突入し、まずは21位から13位のメンバー名を順々にアナウンス。速報/中間発表では21位以下だった多田愛佳(チームB)は、20位で名前を読み上げられると同時に感極まり、ステージ上でも「うれし泣きをするのは、AKB48のオーディションに受かって以来」と言いながら号泣した。また、17位で初選抜入りを果たした浦野一美(チームB)は「3年半ずっとAKBでやってきて、いつもファンの皆さんに支えてもらいながらやってきた。夢は選抜に選ばれることでした」と、泣きながらも笑顔で喜びを語った。
その後も順位が発表されていくたびに、客席からは一喜一憂の声が。ランクインしたメンバーも、選抜入りできた喜びや、もっと上位に行けたのではという悔しさなど、同じ涙でも明暗が分かれた。
13位までの開票を終えると、続いてアンダーガールズ(22~30位)の9人を発表。彼女たちは惜しくも選抜からは漏れたものの、ニューシングルのカップリング曲を歌うほか、同曲のビデオクリップ撮影にも参加することになる。これまで露出の少なかったメンバーも多く、惜しくも3票差で選抜入りを逃した米沢瑠美(チームB)は「今回の結果は皆さんのおかげ。次は選抜入りできるよう、また頑張ります」と、速報/中間発表で30位圏外だった松原夏海(チームK)は「このステージに上がれるなんて思ってなかった」と、それぞれ驚きや喜びを隠せない様子だった。
アンダーガールズの紹介が終わると、いよいよ選抜メンバー上位12人が発表。選抜復帰を果たした秋元才加(チームK)は「この選抜選挙はどんな結果が出ても、それをいい方向に持っていければと思ってる」、河西智美(チームK)は「ここ数作では選抜入りしても『ミュージックステーション』に出演できなくて、ファンからも『(河西が)出てなくてがっかり』と言われて、ずっと悔しかった」と、それぞれの思いを口にした。
また、昨年に研究生からチームAへの昇格を果たした佐藤亜美菜は、これが初選抜入り。彼女は涙で言葉を詰まらせながらも、「私は歌手や女優になるためのステップアップのためにAKBに入ったんじゃなくて、本当にAKB48が大好きで、ずっとAKB48に入りたかったんです。だからチームA以外にもいろんなチームの公演に無理やり出させてもらっていました。これからもっと上を目指していきたい」とAKB48への愛情と今回の喜びを語った。
上位には選抜の常連メンバーが並んだものの、それぞれ名前を呼ばれステージに上がるとみな、涙を見せた。それぞれが口々に「選挙を気にしないふりをしてたが、本当はずっと不安だった。この順位で本当にうれしい」とコメント。いつもはポーカーフェイスの篠田麻里子(チームA)も、この日ばかりは感極まりながら「もう23歳だし、卒業したほうがいいんじゃないかとも思ったけど、これからもっともっとAKBを引っ張っていきたい。今年は勝負の年だと思っているので、AKBってスゴいんだということをみんなに見せていきたい」とうれしさを表現した。
2位にランクインした大島優子は体調不良でフラフラながらも、ステージに登場。大きな瞳から涙を流しながら「ご心配をおかけしました」とお辞儀をし、「今まで自分がちゃんと見てもらえていたかと思うとうれしいです。これからも私の背中を押してください」とファンに挨拶した。そして堂々の1位に輝いたのは、チームAの前田敦子。客席に向かって深々とお辞儀をした後に、涙ながらに「私がこの位置をいただいてもいいのか今は考えられないけど、AKB48に自分の人生を捧げると決めているので、これから皆さんに恩返しができるよう、みんなで力を合わせてがんばっていきます!」と決意表明した。
結果発表が終了すると、プロデューサーの秋元康が登壇。「こういう結果になりましたが、本当にガチです」と前置きし、「順位付けについてはスタッフ間でも議論があったが、芸能界自体が順位付けで成り立っている。それをメンバーにわかってほしかった」と今回の企画について説明した。
こうして、約2時間にわたる開票イベントは終了。初の試みとして実施された「AKB48総選挙」の結果が、彼女たちの飛躍につながっていくのか、今後の動向に注目しておこう。
AKB48選抜総選挙 最終集計結果(2009年7月8日)
1位:前田敦子(チームA:速報1位/中間1位)
2位:大島優子(チームK:速報2位/中間2位)
3位:篠田麻里子(チームA:速報7位/中間5位)
4位:渡辺麻友(チームB:速報5位/中間6位)
5位:高橋みなみ(チームA:速報3位/中間3位)
6位:小嶋陽菜(チームA:速報4位/中間4位)
7位:板野友美(チームA:速報6位/中間7位)
8位:佐藤亜美菜(チームA:速報15位/中間18位)
9位:柏木由紀(チームB:速報13位/中間13位)
10位:河西智美(チームK:速報8位/中間9位)
11位:小野恵令奈(チームK:速報9位/中間8位)
12位:秋元才加(チームK:速報22位/中間23位)
13位:北原里英(チームA:速報21位/中間24位)
14位:宮澤佐江(チームK:速報10位/中間10位)
15位:佐藤由加理(チームA:速報19位/中間16位)
16位:峯岸みなみ(チームA:速報11位/中間12位)
17位:浦野一美(チームB:速報18位/中間19位)
18位:宮崎美穂(チームA:速報12位/中間11位)
19位:松井珠理奈(SKE48チームS:速報20位/中間14位)
20位:多田愛佳(チームB:速報25位/中間22位)
21位:倉持明日香(チームK:速報14位/中間15位)
22位:米沢瑠美(チームB:速報圏外/中間26位)
23位:高城亜樹(チームA:速報16位/中間21位)
24位:大堀恵(チームK:速報23位/中間20位)
25位:増田有華(チームK:速報17位/中間17位)
26位:平嶋夏海(チームB:速報23位/中間28位)
27位:指原莉乃(チームB:速報26位/中間27位)
28位:片山陽加(チームB:速報27位/中間30位)
29位:松井玲奈(SKE48チームS:速報30位/中間29位)
30位:松原夏海(チームK:速報圏外/中間圏外)
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音楽ナタリー @natalie_mu
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