このツアーはCreepy Nutsが1月にミニアルバム「たりないふたり」をリリースしたことを記念して3月から全国6カ所で実施したもの。ツアーファイナルにはSPARK!!SOUND!!SHOW!!と
トップバッターを務めたのは今回のツアーの名阪公演にも参加したSPARK!!SOUND!!SHOW!!。彼らは紅一点のミカテラ(Key, Vo)がハンドマイクでラップした「ラクラクニット」、The Specials「Little Bitch」とRIP SLYME「JOINT」をマッシュアップした「little joint bitch」で観客のテンションを引き上げる。タナカユーキ(Vo, G)が「Creepy Nutsのライブを観て、俺らも“Put your hands up”してえ!と思ってこの曲を持ってきました!」と説明したのち、バンドは「Do the POP!!」を投下。4人は最後に「BRUSH UP」をハイテンションでパフォーマンスしてライブを締めくくった。
Kidori Kidoriはエッジィな「NUKE?」でライブを開始し、マッシュ(Vo, G)が独特な歌声をダークに響かせる。オーディエンスがシンガロングした「なんだかもう」を経て、マッシュはツアーファイナルを迎えたCreepy Nutsを祝福。「ご覧のとおりロックバンドなんで、今日呼んでいただいたのが不思議でしょうがないんですよ。きっとキミドリと勘違いされたんだろうな」と話してオーディエンスの笑いを誘った。また彼が「今日は『たりないふたり』のリリースツアーやんか。きっとCreepy Nutsが出てきたらみんなが『たーりーない』って言うやん。でも俺としては“パーリーナイ”にしたいわけよ! いけますか!」と韻を踏んで観客を煽ったあと、3人はミラーボールが回る中「ホームパーティ」を披露した。汐碇真也(B)のヘビーなベース音が響いたラストナンバー「Come Together」では、彼らが織りなす力強いサウンドに場内が熱気で満たされた。
ラストを飾ったのはこの日の主役であるCreepy Nuts。R-指定が「騒げー!」と煽ると観客は大歓声を起こす。彼の「俺たちの歌詞を聴いて、自分も“たりない”って思うヤツは『たりない』って返してくれ!」という声から、2人は「たりないふたり」をドロップ。「SPARK!!SOUND!!SHOW!!をガッツリ楽しんだヤツ! Kidori Kidoriの世界観に飲み込まれたヤツ!」と観客の歓声を誘ったR-指定は「いろんな音楽を楽しんだと思うけど、同じように俺たちの周りにもいろんなラッパーがいます。それにぴったりの言葉があります!」と声を大にする。そして披露された「みんなちがって、みんないい。」の曲中には「みんなちがって」「みんないい」というコールが会場に飛び交った。
その後観客が投げたお題でR-指定がフリースタイルを披露する“聖徳太子フリースタイル”のコーナーに入ると、彼は「ポカリスエット」「アウンサンスーチー」「らんま1/2」「渋谷」「インリン・オブ・ジョイトイ」「ホットドッグ」というお題を織り交ぜた堪能なラップでオーディエンスを魅了。R-指定から「コイツは指先でみんなを楽しませます。男、25歳。アラサーですが未だにバリッバリのゴリッゴリの童貞でございます!」と紹介されたDJ 松永はアグレッシブなアクションとともにプレイし観客の歓声を浴びた。R-指定の「そんな指さばき、舌さばきを持っている俺らですが心は中学生から止まってます」という言葉から届けられた「中学12年生」では、彼がリズミカルなビートに乗せてラップを繰り出し、さらにDJ 松永がコミカルな演技でセリフを挟んで観客を楽しませる。「合法的トビ方ノススメ」で2人の熱いパフォーマンスにさらに熱狂したオーディエンスはジャンプを繰り返した。
R-指定はラストナンバーを前に、自身の過去について「俺はMCバトルで名前を知られた結果『アイツは曲がイケてない』『ライブがよくない』って散々言われました。それでも生で観たらわかってくれると思ってたし、ライブを続けて、それと並行してMCバトルもいっぱい出てきました。それはもはや名を上げるためというより、自分自身と戦うっていう目的のほうが大きかったです。その頃はみんなが敵に見えたけど、そうやって戦ってきた結果、いろんな味方がおって、いろんな人に支えられてるっていうことがわかりました。そして今、ツアーという形でみんなと楽しい時間を共有できてると思います」と真剣に語る。続けて「俺がどんな思いでMCバトルっていうものに挑んできたか、どんな思いでラップしてきたか、どんな思いで今ここに立っているか。俺が言葉を放ってみんなに届けた一瞬にすべてを賭けてるっていう、そんな歌です」と曲紹介をし、2人は本編最後に「刹那」を披露。スポットライトを浴びたR-指定は情感たっぷりに言葉を吐き、観客を釘付けにする。サビでは彼の力強いフロウに観客が拳を掲げ、大歓声を送った。
Creepy Nutsはアンコールを受けて再度ステージに登場。アンコールに慣れていないというR-指定は「どういうタイミングで出ればいいかわからんし、手拍子に疲れて皆さんが帰っちゃったら嫌なのですぐに出てきました」と笑う。その後ステージにはSPARK!!SOUND!!SHOW!!のメンバーが姿を見せ、彼らが手がけた「合法的トビ方ノススメ」のリミックスバージョンをCreepy Nutsと一緒に激しい演奏で投下した。曲中にはミカテラが松永に向けて「松永気持ちよくしてー!」と艶やかな声で求めるも、松永の不恰好なスクラッチに演奏は一時中断。タナカに「もしかして女の子と気持ちいいことしたことないから?」とイジられた松永は、気を取り直して巧みなスクラッチで場内を魅了した。SPARK!!SOUND!!SHOW!!がはけると、R-指定はライブに足を運んだ観客に改めて感謝し「俺ら2人のことを“たりないふたり”って言ってますけど、俺らの周りにはたりない3人目、たりない4人目がいます。自分と似たもの同士のダメなヤツらがいます。そんな俺たちの仲間に歌います!」と声を上げる。そして2人はオレンジ色の光を浴びて「使えない奴ら」を届け、温かい雰囲気の中ツアーを締めくくった。
Creepy Nuts(R-指定&DJ 松永)「『たりないふたり』リリースツアー ~たりない巡業2016 春場所~」 TSUTAYA O-nest セットリスト
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
01. ラクラクニット
02. little joint bitch
03. ミッドナイトサイダー
04. Do the POP!!
05. スーパーボール
06. BRUSH UP
Kidori Kidori
01. NUKE?
02. なんだかもう
03. ナイトミュージック
04. タイムセール
05. ホームパーティ
06. テキーラと熱帯夜
07. Come Together
Creepy Nuts(R-指定&DJ 松永)
01. たりないふたり
02. 爆ぜろ!! feat. MOP of HEAD
03. みんなちがって、みんないい。
04. 中学12年生
05. トレンチコートマフィア
06. 合法的トビ方ノススメ
07. 刹那
<アンコール>
08. 合法的トビ方ノススメ-SPARK!!SOUND!!SHOW!!ブチ上げ♂ Cherry boy REMIX!!!!
09. 使えない奴ら
リンク
- Creepy Nuts (R-指定 & DJ 松永) Official Website
- CreepyNuts R-指定DJ松永 (@Creepy_Nuts_)さん | Twitter
- SPARK!!SOUND!!SHOW!! official web site
- Kidori Kidori Official Web
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
Creepy Nuts @Creepy_Nuts_
Creepy Nuts、“たりないふたり”が見せたツアー集大成 - 音楽ナタリー https://t.co/WpBAGeui6Q