サンフジンズ、“カンチョー”サプライズで締めくくった「問診過注射」2日目

サンフジンズが自主企画イベント「問診過注射2016 vol.2」を3月2日に東京・UNITで開催した。

サンフジンズは今年「さん」の付く日にライブを実施する予定であることをアナウンスしており、「問診過注射2016」はその一環となる対バンイベント。3月は1日から3日まで3日連続で「問診過注射2016」が行われた。

2日目のゲストのReiは、ブルースなどルーツミュージックを基調にしたギタープレイで魅せる今年23歳の女性シンガーソングライターだ。ブルーのリッケンバッカーを手に、サポートドラマーとともにThe Beatlesのブルースロック「Yer Blues」のカバーで自身のステージの幕を開けた彼女は、セカンドラインのリズムとブルースハープがフロアを煽る「Black Cat」や、ディレイを深く効かせたサイケデリックなギターサウンドでラヴェル「ボレロ」のワンフレーズを大胆に引用するインスト曲「POMELO」などを繰り出していく。そして2015年11月リリースの2ndミニアルバム「UNO」について「恥ずかしいけど内臓まで見せるような挑戦だった」と語った彼女は、その「UNO」からフロアがハンドクラップで盛り上げた「JUMP」や、四つ打ちダンスナンバー「OCD」などアッパーチューンを3連投。さらに同年2月の1stアルバム「BLU」の「BLACK BANANA」でハードなカッティングを見せつけると、この日の競演者・サンフジンズになぞらえて「手術成功！」とはにかみつつ、ステージをあとにした。

UNITでの「問診過注射」2日目となるサンフジンズのステージは「ハリがないと」で幕を開ける。「カンチョーと間違えないでね」と歌うこの曲でオーディエンスは指浣腸のポーズでダンス。いきなりフロアの一体感を生み出したバンドは、前日同様、カイ・ギョーイ（奥田民生）とジューイ・ラモーン（岸田繁 / くるり）がそれぞれベースとギターを持ち替え、またメインボーカルをクルクルと入れ替えつつメロディアスなベースソロとギターソロで魅せる「右から左」や、ケン・シューイ（伊藤大地）がテクニカルなドラムプレイを繰り出す「パン屋さん」などを連投する。

その後もバンドは硬軟自在のステージを展開。タイトなロックンロールをプレイしていたかと思えば、突如、ジューイ・ラモーンが「バンドの中で巨人ファンなのはケン（・シューイ）さんだけ。今日はお前をDisるよ」とフリースタイルラップを披露する「ちゅーきんキング」や、カイ・ギョーイがストレンジなギターソロを聴かせる「富士夫人」をプレイしたのち、3人は「サンフジンズは曲は短いけど、ソロが長い」と笑いつつ、ヘヴィロックチューン「過注射」とサーフロックナンバー「サーフジーンズ」を連投。そのまま「さっさっサンフジンズ」「問診してください」「サンフジンズのテーマ」を畳みかけて、大盛況の中、ライブ本編を締めくくった。

そしてアンコールは意外な展開に。「奇数したい」と、アンコールラストに予定されていた「そのかわり」をプレイすると、ジューイ・ラモーンが「（「そのかわり」は）いい曲だけどなんか締まらないですね」とポツリ。これにカイ・ギョーイが「でも時間も時間だしね」と返すと、バンドはこの日の1曲目「ハリがないと」を2コーラス後のギターソロからプレイ。改めてフロアを指浣腸ダンスで踊らせて、「問診過注射」2日目のステージをあとにした。