満員御礼「ミドフェス」でお面とお父さんが舞い踊る

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昨日6月11日、代官山UNITでミドリカワ書房が主催するフェスティバル「ミドフェス2009 ミドシンだらけの梅雨フェス」が開催された。

トップバッターを飾ったMIDORI CRUSADERS(写真の一部に加工を施しています)。

トップバッターを飾ったMIDORI CRUSADERS(写真の一部に加工を施しています)。

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七三分けに眼鏡。優しい歌声で観客を魅了したみどまさし。

七三分けに眼鏡。優しい歌声で観客を魅了したみどまさし。

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まさかのサプライズ出演で一部ファンを熱狂させた千葉レーダ。

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オーガナイザー・ミドリカワ書房は本編6曲+アンコール2曲を披露。

オーガナイザー・ミドリカワ書房は本編6曲+アンコール2曲を披露。

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このフェスティバルにはミドリカワ書房のほか、彼と親交の深い豪華アーティストが多数出演。それぞれ個性的なパフォーマンスを繰り広げた。

超満員となったフロアに、開演に先駆けて姿を現したのはフェスティバルの企画制作を担当したディスクガレージの橋本氏。「長時間にわたるフェスティバルです。こまめに水分補給を行ってください」「傘の使用は禁止されています。雨の場合にはカッパをご使用ください」「スタンディングエリアでのテント・タープの使用は禁じられています」などフェスの注意事項を説明し、オーディエンスを笑わせる。

トップバッターは謎のお面バンド、MIDORI CRUSADERS。お面をつけた5人のメンバーが某バンドの楽曲「SASQUATCH」に乗ってステージに登場すると、フロアからは大きな拍手と半笑いが巻き起こる。お面を外してフロアに投げ、ギターボーカルが「どうもこんばんは、MIDORI CRUSADERSです!」とどこかで聞いたことのある声で叫び、いよいよ「ミドフェス」の幕が開いた。

ミドクルは軽快なパワーポップアレンジの「泊まってゆけよ」「頑張るな」を披露し、会場を大いに盛り上げる。「泊まってゆけよ」では「HIT IN THE USA」、「頑張るな」では「MICKEY MOUSE CLUB MARCH」のギターフレーズを取り入れるなどの遊び心も見せ、トップバッターとしての役目を十分に果たしてステージを去っていった。

続いては謎のニューウェイブバンド、MIDOSICSが登場。黒のバイザーにオレンジのつなぎのメンバーがテンション高くステージに現れ、ギターボーカルの「1、2、3、4!」の掛け声とともに「ドライブ」をパワフルに演奏。わずか1曲のステージながら、オーディエンスを大いに盛り上げた。ライブ後にはギターボーカルが「どうもありがとう、ミドリ……シックスでした!」と挨拶。フロアから割れんばかりの拍手を浴びた。

ステージの転換中、このフェスのレジデントDJを務める茂木淳一が袖に現れ、主催者・ミドリカワ書房の半生を彼の思い出の楽曲とともに振り返るコーナー「サッパリ・サーズデー」を展開。「小学校5年生で初めて買ったシングルCDはTM NETWORKの『Self Control』。ウツの長い長い後ろ髪に強く強く惹かれたのでありました」といった軽妙なトークで楽しませた。

「そんな彼に最も影響を与えた人と言えば、この人です」という紹介の後、ステージ上ではあの名曲「J-BOY」のイントロが鳴り響く。そして3組目のアーティスト、謎のシンガーソングライター浜田伸吾が堂々と現れた。サングラスに赤いバンダナ、白いTシャツにデニムのベスト、色白の細腕というインパクト十分なビジュアルで「J-BOY」を歌い、続く「I am a Mother」でも力強いようなそうでもないようなパフォーマンスを披露。「馬鹿兄弟」では歌詞中に出てくる名バラード「もうひとつの土曜日」を見事に融合させ、オーディエンスを深い感動に導いた。

再びステージ袖には茂木淳一が登場。「転換中なんだから、そんなに真剣に観なくてもいいんですよ。今メインステージにはBON JOVIが出ているらしいよ~!」と、他のステージの様子も親切に教えつつ、ミドリカワが影響を受けた吉田拓郎、大瀧詠一、ユニコーンなどの楽曲を紹介していった。

ステージで「北の国から」のテーマが流れる中、パステルカラーのジャケット姿で七三分けの謎のフォークシンガー、みどまさしが姿を現す。ソフトバンクモバイルの「お父さんストラップ」がついたアコースティックギターを手に取り、バイオリンの美しい音色とともに「ごめんな」をしっとりと歌った。「今日はミドフェスということで呼ばれたわけですけども、私あまり若い方々の前で演奏することはないので緊張してます」と挨拶し、ラストナンバー「だまって俺がついてゆく」を披露。結婚式の定番ソング「関白宣言」や「北の国から」のフレーズも交え、若いオーディエンスを笑わせた。

ここでシークレットゲストの出演がアナウンスされ、観客から大きなどよめきが起こる。舞台上に現れたのは茂木淳一のソロユニット、千葉レーダ。ビシッと決まったグレーのスーツ姿で「無敵のファンデイション」を濃く歌い上げ、実に5年ぶりとなる貴重なステージを堂々と務めた。

「今日は出演者が多すぎだろう!なんで楽屋に人がいないんだ!」と舞台裏を明かしてオーディエンスを半笑いにさせた後、続いてのアーティストが登場。9人組の謎のホーンズバンド、東京ミドパラダイスオーケストラだ。ジャパニーズスカの名曲「カナリヤ鳴く空」にそっくりなアレンジの「SAVA」では、トランペットを手にしたフロントマンがボーカルを取る。そしてラストナンバー「チューをしよう」は軽快なアレンジでフロアを踊らせ、特にフロントマンがソロを吹くこともないままステージを後にした。

再び茂木による「サッパリ・サーズデー」が始まり、ミドリカワがかつて所属した「組織の力によって作られたアイドルバンド」404 Not Foundや、彼の敬愛するホフディラン、真心ブラザーズ、斉藤和義、倉橋ヨエコらの楽曲を紹介。そして「いよいよこれからですよ!今夜のヘッドライナーはもちろんこの男、ミドリカワ書房!」というアナウンスに続き、オーガナイザー・ミドリカワ書房がついにステージに登場した。

普段のライブより微妙に疲れ気味の表情を見せるミドリカワ。「今日は代官山でライブがあった。総合プロデューサーたるもの、会場をチェックして回らないといけない。ひどかった。どの出演者もボンクラぞろいでお客さんは暴動寸前……」そんなモノローグが流れる中、ミドリカワの1曲目「リンゴガール」が始まる。そして「愛なるは」、非常にムーディーなアレンジの「顔 1973」と、幅広いセットリストが展開される。

途中のMCでは「今日はずっと楽屋で待ってるだけなんですけどね、妙に疲れちゃって(笑)」と、オーガナイザーならではの苦労を感じさせる話を披露。「『顔』はスローにすると救いようのない曲ですね(笑)。ここからは盛り上がっていこうと思います」と話し、「心」「続・それぞれに真実がある」「父帰る」と、アッパーなロックチューンを立て続けに演奏して、フロアの湿り気を一掃。フェスティバルのトリにふさわしい華やかなパフォーマンスで本編を締めくくった。

“ミドフェスキッズ”たちの熱烈なアンコールの声に応え、再度ステージに戻ってきたミドリカワ。「ひさびさにこの曲をやります」と言って始めたのは「居るんだ」。ミドリカワの楽曲には珍しいストレートなラブソングで、会場にはここまでに全くなかった切ない空気が流れた。

そして主催者としての挨拶を始めるミドリカワ。「今度8月から10月にマンスリーで『お見合いライブ』というのをやることにしました。っていうのが、あの……実は今日の出演者の方々は全部、本当は僕だったんですよ」と衝撃の発表をし、フロアからは2秒ほど遅れて「えーっ!?」という驚きの声が上がる。「びっくりしたでしょ?でね、今回1人で全部やることになったのは、いくつか他のバンドを誘ったんだけど誰も出てくれなくて(笑)。スタッフから『友達がいないからこういうことになるんだ』と、『2マンライブを組んであげるからそこで友達になりなさい』と言われまして、それでやることにしました」と、仕方なさそうな表情で「お見合いライブ」開催への経緯を説明した。このライブにはthe chef cooks me未完成VS新世界ロマンポルシェ。の3組がそれぞれ出演するとのこと。

長時間にわたる「ミドフェス」もいよいよラストナンバーへ。最後は「いつも同じ曲で申し訳ありませんけども」と言いながら、おなじみの「笑って俺について来い」を軽やかに披露。満員のオーディエンスを大満足させる、夏フェスとは一味も二味も違うフェスティバルとなった。

「ミドフェス2009 ミドシンだらけの梅雨フェス」
2009年6月11日 代官山UNIT セットリスト

MIDORI CRUSADERS

01.泊まってゆけよ
02.頑張るな

MIDOSICS

01.ドライブ

浜田伸吾

01.J-BOY
02.I am a Mother
03.馬鹿兄弟

みどまさし

01.ごめんな
02.転校生
03.だまって俺がついてゆく

千葉レーダ

01.無敵のファンデーション

東京ミドパラダイスオーケストラ

01.SAVA
02.チューをしよう

ミドリカワ書房

01.リンゴガール
02.愛なるは
03.顔 1973
04.心
05.続・それぞれに真実がある
06.父帰る

EN-01.居るんだ
EN-02.笑って俺について来い

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音楽ナタリー @natalie_mu

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