tobaccojuice、自主企画イベントで会場を至福の空間に

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tobaccojuiceの自主企画イベント「バーチャル犬だよワンワンワン」が、6月2日に渋谷CLUB QUATTROにて開催された。

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tobaccojuiceはこの日、新曲2曲を含む全14曲を披露。新旧のナンバーをまんべんなく取り入れたセットリストで、オーディエンスを楽しませた(写真はともに橋爪英典撮影)。

tobaccojuiceはこの日、新曲2曲を含む全14曲を披露。新旧のナンバーをまんべんなく取り入れたセットリストで、オーディエンスを楽しませた(写真はともに橋爪英典撮影)。

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牧歌的なSEがフロアに流れ、オーディエンスが思い思いの形でライブの始まりを待つ中、客電が落ちゲストの東京60WATTSが登場。独特のブルースナンバーでじわじわと会場を温めていき、その熱がすっかり伝わったのを見計らうと、今度はアップテンポチューンでオーディエンスを自分たちの世界へと巻き込んだ。

途中のMCで大川たけし(Vo,G)は「昔からtobaccojuiceが好きで、イベントに誘っているんだけど、いつも誘うのは僕のほうで。誘われたのは初めてで。やっと相思相愛になれたかなという気がしてます」とtobaccojuiceへの愛を告白。そして「(tobaccojuiceの)4人の顔を思い浮かべつつ歌いたいと思います」と宣言し、会場を沸かせた。

そのまま明るい雰囲気を継続させると思いきや、酔っぱらいの独白を淡々と歌い上げる「ウイスキーバーブルース」で会場を一瞬で場末のバーのような雰囲気に。かと思えば、正統派ポップソング「雨上がりの空に」で場を華やかに盛り上げ、ロックスターへの憧れを歌った新曲ではTHE ROLLING STONESを彷彿とさせるサウンドを炸裂させ、目まぐるしいセットリストで観客を振り回していった。

また、この日は「MUSIC ON! TV」の生中継が入っていたため、大川のテンションは終始高め。終盤に披露された「東京60WATTSのテーマ」では観客に東京60WATTSのマークを出すよう指示しながら、執拗に「1カメさんナメて!」など次々とカメラに注文を出す。自分たちのパフォーマンスを終えてからも「1秒でも2秒でも長く映っていたい!」と叫び、去りがたそうな様子を見せ笑いを誘った。

短めの転換時間を経て、20時過ぎにメインのtobaccojuiceがステージにふらりと姿を現す。満員状態のフロアに向かって松本敏将(Vo,G)は「ようこそ」と挨拶するとライブの始まりにふさわしい「トライアングル」でオーディエンスに音楽の魔法をかけていく。「Relax, Dance, Enjoy」という掛け声から始まった「ミラクル」で、オーディエンスは体を左右に揺らしハッピーなサウンドを全身で受け止めていた。

この日唯一披露されたカバー曲「ザ・ローズ」を力強く歌い終えると、松本は「ここはすごく自由な場所なので、全裸になってもいいし、声をあげてもいいし、踊ってもいいし。チューがしたかったら隣の人に聞いてチューしたらいいし…。ここを最高の場所にしたいんだ」と思いを語る。その言葉に応えるように、オーディエンスは歓声を響かせた。

中盤では、序盤で見せた陽気な空気を一変。「ヘッドフォンゴースト」では松本の歌声が静まり返ったフロアを切り裂き、遠くに行ってしまった友人のために書いたという新曲ではフロアを優しく包み込んだ。新曲2曲を披露し終えた松本は、自身が渋谷という街が苦手であること、スクランブル交差点に立っていると自分が何者かわからなくなってしまうことを独特の口調で語り始めた。そして、隣人の顔さえもわからないような生活を憂いながら、だからこそ「ここを魂のぶつかる場所にしたいです。本気出して遊ぼうぜ」と声を高らかに宣言した。

「工場町」「ダイヤモンド」と胸を打つグッドメロディが印象的なナンバーを続けた後は、ライブハウスを歌ったというアップテンポナンバー「ドリームス」でフロアを至福の空間へと変える。ステージを軽やかに飛び跳ねる松本を横目に、岡田圭市(B)と脇山広介(Dr)は骨太なリズムを刻み、大久保秀孝(G)はのびのびとしたギターを聴かせた。

本編ラストに披露された「パーティーブルース」では、会場内に設置されたミラーボールが回りフロアを彩る。曲の途中で「パーティを続けようぜ!」と松本が叫ぶと、それに応えるように、オーディエンスは踊り、口笛を吹き幸福な時間を思う存分味わった。最後の1音を慣らし終えると、4人は満面の笑みをファンに向けてプレゼント。松本は「楽しかった。ありがとう」と感謝を口にすると、登場したときと同じようにふわふわとした足取りでステージを去った。

その後、アンコールを求める拍手に呼ばれ再びステージに戻ってきたメンバーは、「今日のこの空間に捧げます」と初期のナンバー「ガーベラ」を丁寧に演奏。サビでは4人の優しいコーラスが響き、熱気が充満していた会場をゆっくりとチルアウトさせていった。

この日のライブはここで終わりのはずだったが、客電がついた後も観客の拍手は止まない。SEが流れても一向にフロア人口は減らず、熱気は増すばかり。あまりの拍手の大きさに松本が急遽ステージに顔を出し、即興のハーモニカ演奏でその場を締めるという心温まる形でライブは幕を閉じた。

tobaccojuiceはこの後、6月28日にベベチオをゲストに招き大阪で自主企画イベントを開催。さらに、6月25日に代官山UNITで開催されるD.W.ニコルズ主催イベント、26日に新代田LIVE HOUSE FEVERで行われるLOVE LOVE LOVEのツアーの東京公演、7月9日にShibuya O-Crestで行われるtickのツアーの東京公演に出演する。

「バーチャル犬だよワンワンワン」tobaccojuiceセットリスト

01. トライアングル
02. ミラクル
03. サッチモの青い鳥
04. ザ・ローズ
05. カウボーイ
06. 幻メルヘンシティ
07. ヘッドフォンゴースト
08. 新曲
09. 新曲
10. 工場町
11. ダイヤモンド
12. ドリームス
13. パーティーブルース
EN. ガーベラ

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音楽ナタリー @natalie_mu

tobaccojuice、自主企画イベントで会場を至福の空間に http://natalie.mu/news/show/id/17244

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