「公開プロパガンダ」は上坂のファン、通称“同志”だけでなく、一般客や通行人もいるパブリックスペースで彼女がミニライブとトークを繰り広げるイベントシリーズ。過去には東京・東武百貨店池袋店屋上や、千葉・船橋オートなどで実施しており、2014年1月の1stアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」発売時には今回の会場と同じ、新橋駅日比谷口SL広場内の場外車券場、ラ・ピスタ新橋の2階バルコニーであるステージファロにも立っている。
上坂はイベント当日に発売された2ndフルアルバム「20世紀の逆襲」のオープニングナンバー「予感02」をBGMにSL広場に登場。1500人の同志諸君に見上げられながら「あけましておめでとうございますっ!」「懲りもせず飽きもせず、上司をうまくダマしてかわして集まってくれてありがとうございますっ!」「2016年、皆さまに昇給や昇格、イヤなヤツが事故に遭ったり、そういうことが起きるよう心を込めてお祈りいたします」と、この日の1曲目「無窮なり趣味者集団」を歌い出した。
仕事始め間もないウイークデイ夜の新橋駅前。家路を急ぐ人々や、広場脇の喫煙所で一服しているビジネスパーソンを横目に、「栄えし世のその陰に 飢えたる者あり 虚妄という荒野に 朽ちて骸を曝す」という自作詞曲を同志諸君と高らかに合唱した上坂は、その同志に向かって「仕事帰りに来たんですか?」と問いかける。これに1人から「今日まで休み」と返ってくると「こっちは働いてんだよ!」と笑顔で逆ギレ。「有休を使った」との声には「もう使っちゃったんですか?」と驚いてみせる。さらに1990年代ユーロビート風の「来たれ!暁の同志」と、「20世紀の逆襲」のタイトルトラックの1つ「20世紀の逆襲 第一章 ~紅蓮の道~」をパフォーマンスした上坂がステージドリンクに口を付けると、広場からは「水をかけて!」の声が。これを「ダメですよ、そういう一時の情熱っていうのは恐ろしいものでね……」と制した彼女だったが「でも私も、ここで懺悔しておかないと」と、先月、スマートフォン用ゲームに“情熱”を傾けるあまり「課金は月1000円まで」という自分内ルールを破って9800円を使ったことを告白。ステージ左手に見える新橋駅の京浜東北線のホームに向かって「どこかに神様いないかな?」「すみませんでしたーっ!」と謝罪して、大きな笑いと歓声を集めた。
「我々の中身なきイデオロギーを新春の都心で高らかに叫びたいと思います」とした上坂が、自身と同志の集団“革命的ブロードウェイ主義者同盟”のスローガン「生産!」「団結!」「反抑圧!」と、「あけましておめでたく……ないよ、こらーっ!」を1500人と三唱したところでイベントは最終盤に。彼女は「『ちょっと記念になることがあったらいいな』と思ったので、次の曲は写真撮影OKです」と続け、スマートフォンやタブレットをステージに掲げる同志諸君とともに「Inner Urge」を大合唱。今度は「S・O・X」コールを広場中に響かせると、「これから1年、無病息災でがんばりましょう」「社会を憎むにも健康ありきです」と笑ったのち、ロシア語で万歳を意味する「Ура」を三唱してステージをあとにした。
なお上坂はイベント当日の日中、アルバム「20世紀の逆襲」のアドトレイラーに乗り込み、新宿と秋葉原のCDショップ4店を訪問。行く店々で特設パネルや自身のポスターにサインを入れ、オリジナルポップを制作した。
また音楽ナタリーでは現在、アルバムのリリースを記念して上坂のロングインタビューを公開している。
関連する特集・インタビュー
上坂すみれ「新春公開プロパガンダ in また新橋」
2016年1月6日 ステージファロ セットリスト
2016年1月6日 ステージファロ セットリスト
SE. 予感02
01. 無窮なり趣味者集団
02. 来たれ!暁の同志
03. 20世紀の逆襲 第一章 ~紅蓮の道~
04. Inner Urge
上坂すみれ「超中野大陸の逆襲 群星の巻」
2016年2月11日(木・祝)東京都 中野サンプラザホール
上坂すみれ「超中野大陸の逆襲 草莽の巻」
2016年2月12日(金)東京都 中野サンプラザホール
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- StarChild:上坂すみれ
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上坂すみれ、丸2年ぶりの新橋SL広場で“京浜東北線の神”にざんげする - 音楽ナタリー https://t.co/H9yWbC4Jhu