古村復活!新曲披露!NICO Touches the Walls、“アレンジ”に挑戦した武道館

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NICO Touches the Wallsが1月8日に東京・日本武道館にて単独公演「NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016“渦と渦~東の渦~”」を開催した。

NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016“渦と渦~東の渦~”」の様子。(撮影:上飯坂一)

NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016“渦と渦~東の渦~”」の様子。(撮影:上飯坂一)

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光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)

光村龍哉(Vo, G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

昨年11月に古村大介(G)が右手首を骨折したため、4人体制でのライブは約4カ月ぶりとなったNICO Touches the Walls。新年1発目および古村の復活ライブとなった武道館公演は、光村龍哉(Vo, G)の言う「実験的な要素を盛り込んだ新年会」にふさわしい充実した2時間半のステージが繰り広げられた。場内が暗転するとオーディエンスは一斉に席から立ち上がり、ステージに熱い視線を注ぎ4人の登場を待つ。すると楽器を覆っていたフリンジ状の幕に「渦と渦」をモチーフに描き下ろされたファンタジックなアニメが上映され、観客を「渦と渦~東の渦~」の世界へと誘っていく。そして徐々に幕が上がり、古村と光村がかき鳴らすノイジーで豪胆なギターサウンドと、坂倉心悟(B)と対馬祥太郎(Dr)が力強く鳴らすリズムがライブの始まりを告げた。「武道館にようこそ! 楽しんでいこうぜ」という光村の威勢のいい挨拶に続き、「天地ガエシ」のイントロが奏でられる。同時にスクリーンには古村の笑顔が大きく映し出され、彼の復活をオーディエンスに印象付けた。4人は序盤から「まっすぐなうた」「ローハイド」とアップテンポのロックチューンを連投し、オーディエンスをヒートアップさせた。

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)

古村大介(G)(撮影:上飯坂一)[拡大]

「新年あけましておめでとうございます。そして4人でのNICO Touches the Walls、ただいま戻ってまいりました」という年明けらしい光村の言葉から、まずはメンバーがファンに古村の怪我によってライブを延期したことなどを謝罪。光村が「もう大丈夫なんだよね?」と問いかけると、古村は「はい。心配かけました」とはにかんだ。客席に安堵の空気が漂ったところで、光村が「2010年の初武道館はチャレンジ、2014年の2度目の武道館はリベンジときまして。2016年は徹底的にこの武道館を俺ら色にアレンジしてやろうかと思います。この武道館でやりたい曲がまだまだあるんです。踊れる準備はできてますか? ぶっちゃけ長いぞ(笑)」と煽り、バラエティに富んだ新旧のナンバーで構成した“ノンストップメガミックス”の口火を切った。

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)

坂倉心悟(B)(撮影:上飯坂一)[拡大]

観客の力強いクラップに支えられた「バニーガールとダニーボーイ」を皮切りに、オリジナルに比べテンポを落とし、音数を削ぎ落とすことで光村の艶のある歌声を際立たせた「ストロベリーガール」、盛大なコール&レスポンスを経て古村のブルース調のギターソロがさく裂した「THE BUNGY」など、4人は怒涛のように楽曲をつなげていく。メンバーのプレイは時間の経過とともに気迫を増し、40分にわたった“ノンストップメガミックス”はジャジーな雰囲気にアレンジした「行方」でクライマックスへ。「どうもありがとう」と光村が口にすると、一瞬の間を置き大きな拍手が沸き起こった。

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)

対馬祥太郎(Dr)(撮影:上飯坂一)[拡大]

ライブの目玉の1つと言えるコーナーが終わると、ステージの空気は和らいだものに。光村は10年前の同じ日に初ワンマンライブを行ったエピソードを語り「当時は確か入ってたのは264人だったのが、10年後は武道館で8000人ですよ。続けてよかった!」と笑い、「やっとこれを言えます」と3月16日にニューアルバム「勇気も愛もないなんて」をリリースすることを告知。さらに雄鶏を大きく写したアルバムジャケットを公開しながら、4人は「アルバムのテーマである勇気と愛の象徴が鶏になりました」と鶏とのフォトセッションを思い思いに振り返り、観客を笑わせた。光村が「これまでで一番明るくて楽しいアルバムになると思いますのでぜひ楽しみにしててください」と述べたのち、4人はアルバムに収録される予定だというラブソング2曲を観客にプレゼントした。

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曲の世界観を引き立てるような映像演出が光った後半戦の中で、特にオーディエンスを圧倒したのは「ニワカ雨ニモ負ケズ」だった。陽気なムードが漂う序盤から一転、間奏に突入した瞬間、光村がマイクを手に即興でスキャットを開始。古村がそれに応えるように鋭い音色を奏でると、光村は古村に近付いていく。2人のプレイに対馬と坂倉もグルーヴィなリズムを重ね、ダイナミックなアンサンブルが奏でられた。その後4人が本編の最後に届けたのは、ライブのタイトルにもある「渦と渦」。スモークの上に渦の映像を投影させる演出を交えながら4人は一丸となって轟音を叩き付け、激しい余韻を残してステージをあとにした。

NICO Touches the Walls(撮影:上飯坂一)

NICO Touches the Walls(撮影:上飯坂一)[拡大]

メンバーが生まれ年の「1985」をプリントしたスウェットを着て登場したアンコールは、「僕は30になるけれど」でスタート。観客のハンドクラップに乗せて、4人は朗らかなコーラスを響かせた。「今回のライブ、僕らなりに武道館を使って実験をさせてもらってて。1本の映画を観てるようなそんなライブにしたいという思いのもと、加藤隆さんというアニメーターの方とコラボしました」と光村は改めてライブのコンセプトを説明し、1人で「渦と渦」のアニメを描き上げた加藤に感謝する。そして「また会える日までの約束代わりに1曲にやらせてください」という光村の言葉に続き、バンドは観客のハンドクラップと合唱とともに「手をたたけ」を披露した。

最後のMCで光村は「今までの曲も、これから作る曲も、すべてに僕らはなんの嘘もないピュアな気持ちを詰め込んでいくだろうし。勇気と愛に向き合いながらみんなに向けて作っていく音楽がどんどんどんどんピュアなものになっていけばいいなと思ってます」と語る。さらに彼はアコースティックギターを抱えると、まだバンドアレンジが決まっていないという新曲を静まり返った会場の中で歌い出す。古村、坂倉、対馬は観客とともにその姿を見守り、ストレートな愛を歌ったスローなナンバーに耳を澄ませた。ライブは「ツアーで、もちろん、4度目の武道館で会いましょう」という光村の言葉をもって終演に。4人はライブのタイトルにふさわしく、武道館に熱狂の渦を生み出して2016年初のライブを締めくくった。

なおNICO Touches the Walls は、5月6日に大阪・大阪城ホールにて「NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016“渦と渦~西の渦~”」を開催する。こちらは武道館公演の内容をさらにアレンジしたライブになるとのことなので、ファンは楽しみにしておこう。

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NICO Touches the Walls「NICO Touches the Walls LIVE SPECIAL 2016“渦と渦~東の渦~”」
2016年1月8日 日本武道館公演 セットリスト

01. 天地ガエシ
02. まっすぐなうた
03. ランナー
04. ローハイド
05. バニーガールとダニーボーイ
06. 泥んこドビー
07. N極とN極
08. Broken Youth
09. ストロベリーガール
10. THE BUNGY
11. 夜の果て
12. 行方
13. 新曲
14. 新曲
15. TOKYO Dreamer
16. ニワカ雨ニモ負ケズ
17. バイシクル
18. ホログラム
19. 渦と渦
<アンコール>
20. 僕は30になるけれど
21. 手をたたけ
22. 新曲

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