ラッパーが芸人ディスるイベントで優勝したDOTAMA「急に罪悪感が……」

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昨日12月20日に東京・ヨシモト∞ホールにてライブイベント「ディスペクト ~芸人VSラッパー~」が開催された。

賞金1万円を受け取るDOTAMA(右)。

賞金1万円を受け取るDOTAMA(右)。

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MCを務めた品川庄司の品川祐。

MCを務めた品川庄司の品川祐。[拡大]

これはDOTAMAやサイプレス上野といったラッパーや、ラップを得意とする芸人・久保田和靖(とろサーモン)、中山功太など計8名によるフリースタイルバトルのトーナメント。通常のバトルとは異なり、各回ごとに指定された芸人へのDisを交互に飛ばし合い、その芸人が「どちらのラップがより傷付いたか」という観点で勝敗を決める。

MCを務めた般若。

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まずはこの日のMCである般若と品川祐(品川庄司)がイベントの趣旨を説明。品川はこのイベントを開催するに至った理由について「いつも俺の映画がRHYMESTERの宇多丸さんにディスられてるから、俺の仲間もディスらせてやれと思って」と語り、観客の笑いを誘う。そしてお笑いを観に来た観客よりフリースタイルバトル目当ての観客が多いことに触れ「いつもと雰囲気が違うからお笑いのお客さんが萎縮してる」と自身も脅える様子で話した。

般若(手前右)の目の前で「フォー!!」と声を上げたHG(手前左)。

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1回戦第1試合は輪入道とサイプレス上野の対決で、ディスられ芸人はレイザーラモン。HGはジムでよく会うという般若に向けて「般若さんのフリースタイル、フォー!!」と声を上げる。その後RGが森山直太朗「さくら(独唱)」に乗せて「ラップしてる人の後ろ、大体Mac」というラップあるあるを披露したのち、ラップバトルがスタートする。RGへの「スニーカー同好会? インスタとかマジで気持ち悪くない?」という一言が決め手となり、サイプレス上野が準決勝へと進出。Disの標的にならず無視され続けていたHGは「ダメージゼロなんですけど」とやや寂しそうな表情を見せていた。

晋平太(左)にディスられるマテンロウのアントニー(右)。

晋平太(左)にディスられるマテンロウのアントニー(右)。[拡大]

アントニー(マテンロウ)がディスられ芸人を務める第2試合では、晋平太が「俺がお前をビビらせる、黒くなけりゃ単なる地味なデブ」などの言葉を放ち勝利。「こんな傷付くんすね……」とうつむくアントニーを見て、品川も「2ちゃんねるをマイクでぶつけられてる感じだね」と脅えながら感想を述べた。

続いては久保田と中山の芸人対決。久保田は標的のギンナナに対し「お前の名前は金成? 結局金にはならない」「何がギンナナ? 金玉カットするぞ」とタイトに言葉をはめていく。一方、中山はドスの効いた声を生かし、品川に「芸人の声じゃねえよ」「喉にラッパー住んでるの?」と言わしめるほどのクールなラップを披露する。2人は延長戦にもつれ込む接戦を繰り広げ、最後には久保田が中山を下した。

DOTAMA(右)にディスられるダイノジの大地洋輔(左)。

DOTAMA(右)にディスられるダイノジの大地洋輔(左)。[拡大]

第4試合ではDisの対象となった大地洋輔(ダイノジ)が、素朴なキャラクターで人気の10代ラッパー・MC☆ニガリa.k.a.赤い稲妻と、スーツとメガネがトレードマークのDOTAMAを目の前にして「こんな人たちが本当にディスれるの?」と高をくくる。しかしMC☆ニガリに「飛べない豚、何しても無駄」、DOTAMAに「してる蝶ネクタイ、今日はこいつの自殺のお手伝い」「出てたなマジ歌、でもお前にラップの才能ないっすわ」と攻撃されるとすぐさま激怒。勝者のDOTAMAを指差して「こいつただのサイコ野郎じゃねえか!」と声を荒げた。

サイプレス上野(手前左)にディスられるフルーツポンチの村上健志(手前右)。

サイプレス上野(手前左)にディスられるフルーツポンチの村上健志(手前右)。[拡大]

準決勝第1試合にディスられ芸人として登場した村上健志(フルーツポンチ)は、B-BOY系のファッションが目立つ客席を見るやいなや「俺の嫌いな種類の人種がいっぱいいる......!」「俺の嫌いなファッションだ、すげえ......!」とビビりまくり。試合が始まると晋平太が「村上、再び死ねよ無様に。つーかウザすぎ」「お前は運動音痴、フルーツポンチ」と怒涛の韻踏みを繰り出てサイプレス上野を下し、決勝に駒を進める。村上は「音楽は人を傷付けるためにあるわけじゃないと思います」と吐き捨て、最後は逃げるようにステージをあとにした。般若は「だんだん気付いてきたんですけど、お客さんも異様になってきてますよね。人が傷付く姿見てみんな興奮してる」と言及。それに対して品川も「ギリシャのコロッセオってこんな空気だったのかな?」と話して観客の笑いを誘った。

フリースタイルバトルを後ろで見守る面々。

フリースタイルバトルを後ろで見守る面々。[拡大]

続いてのバトルでは久保田が同期の西野亮廣(キングコング)をディスることに。久保田が「お前、この前『俺、キャンプ場買おうと思ってんねん』って言ってきたよな。お前宗教とか開くんちゃうやろな。俺はお前の思想が怖い」と暴露を交えてラップすると、思わず西野も笑ってしまう。試合は、「M-1でサンドウィッチマンにおいしいところぜんぶ持っていかれた男」と西野の過去の傷をえぐったDOTAMAが勝利。西野は「M-1のことだけはやめてくれよー!!」と絶叫していた。

晋平太(手前左)にディスられる品川庄司の品川祐(中央)。

晋平太(手前左)にディスられる品川庄司の品川祐(中央)。[拡大]

決勝戦でいよいよ品川がディスられる番になると、今まで傷付けられてきた周りの芸人たちからは「殺せ殺せー!」「こんなとんでもないライブ考えた奴やっちまえー!」と野次が飛ぶ。品川も「殺されてたまるかーい!」と応戦する中、晋平太とDOTAMAのラップがスタート。その結果「Zアイランド、今日はこいつの殺しのライム担当」など映画監督・品川に絡めたDisで会場を沸かせたDOTAMAが勝利を収めた。優勝賞金の1万円を受け取ったDOTAMAは「なんか終わったあとから急に罪悪感が……」とコメント。品川は「終わったあと急に謙虚になるのズルくない?」と語り、場内の笑いを誘っていた。

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吉田光雄 @WORLDJAPAN

「品川はこのイベントを開催するに至った理由について『いつも俺の映画がRHYMESTERの宇多丸さんにディスられてるから、俺の仲間もディスらせてやれと思って』と語り、観客の笑いを誘う」
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