ドレスコーズ、力尽き果てるまで疾走し続けた白熱のツアー千秋楽

ドレスコーズが昨日12月19日に東京・Zepp DiverCity TOKYOで全国ツアー「Tour 2015 "Don't Trust Ryohei Shima" JAPAN TOUR」の最終公演を行った。

ツアー初日の福岡公演には志磨遼平（Vo）がかねてよりファンだったというアヒト・イナザワ（Dr）が参加するなど、ソロプロジェクトとなったドレスコーズならではのフレキシブルな体制で始まった「Tour 2015 "Don't Trust Ryohei Shima" JAPAN TOUR」。ツアーファイナルのZepp DiverCity TOKYO公演では、志磨とともに各地を巡った越川和磨（G / THE STARBEMS）、有島コレスケ（B / told、arko lemmingほか）、中村達也（Dr）を迎えた編成での集大成となるエネルギッシュなステージが繰り広げられた。

開演を告げるブザーが場内に鳴り響き、暗転したステージにメンバーが次々に登場。ステージ照明に照らされ逆光でメンバーのシルエットが浮かぶ中、彼らは毛皮のマリーズのラストアルバム「THE END」の収録曲「HEART OF GOLD」からライブをスタートさせた。その後志磨は「こんばんは！ ドレスコーズです！」と挨拶し、ドレスコーズの最新アルバム「オーディション」より「スローガン」を歌唱。彼はステージを縦横無尽に動き回ったり、フロアに身を乗り出して歌唱したりと序盤からアグレッシブなステージを展開していく。バンドメンバーも負けじと激しいアクションとともにパワフルなサウンドを奏で、観客を熱狂の渦へと巻き込んだ。

彼らは続けて毛皮のマリーズ「ボニーとクライドは今夜も夢中」、ドレスコーズの「jiji」「もあ」など新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストで観客のテンションを引き上げた。またMCでは志磨が毛皮のマリーズ時代に活動をともにした越川について「西くん（越川のあだ名）とは本当にひさしぶりですね」と述べると、観客からは拍手が沸き起こる。越川が「困ったなってときに連絡してくるのやめてくれる？」と冗談っぽく答えると、志磨は「それが友達ってやつちゃうん」とフレンドリーなやり取りを続けた。その後、「Lily」「ダンデライオン」「それすらできない」というエモーショナルなミディアムチューンが続けて披露され、ライブは後半へ突入した。

10曲目に投下されたのは力強いロックンロールナンバー「トートロジー」。志磨が拳を突き上げると観客も同じように拳を掲げ、場内の一体感が高まっていく。勢いを保ったまま彼らは「あん・はっぴいえんど」を演奏。軽快なビートに乗せて志磨は観客に向けて投げキッスをしたり、マイクケーブルに足を引っかけ寝転がったまま熱唱したりと予測不能のパフォーマンスを見せる。さらに志磨は早口でまくし立てるナンバー「ゴッホ」に続けて、「愛する or die」「犬ロック」とキラーチューンを連投。しゃがみこんでシャウトしたり、越川と肩を組んでともに叫んだりと高揚感に満ちたステージを展開していく。ライブの終盤に「ビューティフル」の演奏が始まると、フロアから自然と歓声が上がり、サビではステージとフロア一体となっての大合唱が響き渡った。そしてライブ本編は志磨が「皆さんまた会う日まで、ごきげんよう。お元気でね！ メリークリスマスアンドハッピーニューイヤー！ 来年もよろしくね！」と叫んでから、「みなさん、さようなら」でフィニッシュ。メンバーそれぞれが笑顔を見せながらステージを去っていった。

そしてアンコールの声に応えてステージに戻ってきた4人は、志磨が「このツアー最後の曲です、来年またお会いしましょう。お体には気を付けてね！」と話してから「愛に気をつけてね」を最後に演奏。曲中にはメンバー紹介をかねたバンドメンバーのソロを挟み、志磨が合唱する観客でいっぱいのフロアに突然マイクを投げ込んだり、ステージからダイブしてクラウドサーフをするなど破天荒なパフォーマンスを見せる。志磨は同曲を歌い終えるとステージに倒れるようにして寝転がり、喝采を浴びた。そしてカーテンコールではNRBQの「Christmas Wish」をBGMにメンバーが並んで挨拶をして、笑顔でツアーファイナルを締めくくった。

なおドレスコーズは3月に6都市を巡るツアー「the dresscodes R.I.P. TOUR」を開催。12月21日にオープンする会員制公式スマートフォンサイト「the dresscodes magazine」では、開設日当日の10:00よりチケットの先行予約申し込みを受け付ける。