RADWIMPS×Mr.Children対バン、貴重コラボにZepp熱狂

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RADWIMPSの全国対バンツアー「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤」のファイナル公演が、11月28日に東京・Zepp Tokyoにて開催された。

RADWIMPS(撮影:植本一子)

RADWIMPS(撮影:植本一子)

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このツアーはバンドのメジャーデビュー10周年を記念し、11月4日より全11公演にわたって行われていたもの。最終日のこの日はMr.Childrenを迎えてのステージが展開された。

Mr.Children(撮影:植本一子)

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最初に登場したのはMr.Children。超満員のフロアから割れんばかりの歓声と拍手が起こる中、1曲目「未完」のイントロが鳴り響いた。心地よいリズムと高揚感に満ちたサウンドが会場を満たし、桜井和寿(Vo, G)は「RADWIMPS、呼んでくれてありがとう! 幸せだよ!」と笑顔で叫ぶ。その後も「ロックンロールは生きている」、さらに「REM」と強力なナンバーが披露された。

MCで桜井は「10周年おめでとうございます!」とRADWIMPSのアニバーサリーを祝福。そしてツアーファイナルのゲストに迎えられたことについて「このツアーはいろんな人とやってたけど、サッカーで言えば僕らとスピッツだけがオーバーエイジ枠で(笑)。若くてまだまだ伸び盛りのA代表のバンドの中に、オーバーエイジ枠として呼んでもらえてうれしいです」と冗談交じりに喜びを明かした。その後も桜井と田原健一(G)が何度も向かい合いながら軽やかなギターを奏でた「FIGHT CLUB」、中川敬輔(B)と鈴木英哉(Dr)が力強くも温かみのあるリズムを刻んだ「youthful days」と、さまざまな時代の楽曲が届けられた。

桜井和寿(Vo, G / Mr.Children)(撮影:植本一子)

桜井和寿(Vo, G / Mr.Children)(撮影:植本一子)[拡大]

中盤で桜井はRADWIMPSのデビュー前にデモテープをもらって聴いたことが、彼らの音楽と出会ったきっかけだったことを明かす。そして「どうしても歌いたいと思って、Bank Bandというバンドでもやったんです」と、かつて「ap bank fes」で「有心論」をカバーしたエピソードも語り、RADWIMPSのファンを沸かせた。そんな話のあと、桜井は「RADのファンなら、衝撃的な歌詞の曲でも大丈夫じゃないかと……(笑)」と紹介し、「隔たり」を披露。センセーショナルな歌詞に込めた思いを、美しいアンサンブルと丁寧な歌声で会場中に伝えた。

田原と中川、鈴木がアイコンタクトを取りながら深みのある演奏を届けた「足音 ~Be Strong」が終わると、桜井は「僕らにとってこれが今年最後のライブなので、今からやる曲をまずは僕らに。さらに会場に来ている皆さんに、そして10周年を迎えてこの先まだまだ躍進していくであろうRADに贈ります」と語り、最後の曲「終わりなき旅」のイントロを奏でる。落ちサビでは自然発生的にオーディエンスが合唱し、会場の一体感をさらに高めた。

続くRADWIMPSのライブは「DADA」でスタート。野田洋次郎(Vo, G)は全身でオーディエンスを煽り、場内の熱気を再び上昇させる。病気療養のため休業中の山口智史(Dr)に代わってバンドに加わった森瑞希(Dr)と刄田綴色(Dr, Per)による息の合ったツインドラムがタイトなビートを刻んだ「ギミギミック」、ドラマー2人と桑原彰(G)と武田祐介(B)のソロに大きな拍手が沸いた「DARMA GRAND PRIX」と続くセットリストに観客は大興奮。その盛り上がりに野田は「いいなお前ら!」と笑顔で呼びかけていた。

野田洋次郎(RADWIMPS / Vo, G, Key)(撮影:植本一子)

野田洋次郎(RADWIMPS / Vo, G, Key)(撮影:植本一子)[拡大]

憧れのMr.Childrenを迎えたこの日のステージに立った心境を、桑原は「今日ここに来るまで信じられなくて、コピーバンドが来るんじゃないかと思ってた(笑)」と明かして双方のファンを笑わせる。野田も「Mr.Childrenへの愛を込めて、精一杯演奏します!」と熱演を誓った。その後の「遠恋」では5人がそれぞれの音を緻密に奏で、複雑な曲調の変化を表現。「ヒキコモリロリン」では刄田のパーカッションが楽曲に新たな彩りを加え、野田も楽しそうにピアノを奏でた。

中盤のMCで野田はMr.Childrenとの出会いを「もう25年くらいの付き合いなので(笑)、ミスチルって呼びます!」と宣言してから語り始める。アメリカで幼少期を過ごした野田は、いとこが日本から持ってきてくれたテープをきっかけに彼らの音楽に触れたと明かし「それからずーっとそのテープを聴いて、もちろん日本に帰ってきてからも聴いてて。ミスチルからはいろんなものをたくさんもらってきました」と話した。ここで野田はその思いを、Mr.Childrenの代表曲「CROSS ROAD」の1番を熱唱して表現。「ありがとう、ミスチル!」と力強く感謝を述べ、フロアから拍手を浴びた。

壮大な展開で会場を飲み込んだ「ふたりごと」、温かみのあるサウンドと5人の口笛が響いた「夢見月に何想ふ」のあと、ライブは後半戦へ。野田と桑原が鳴らした「おしゃかしゃま」のギターイントロをきっかけに、フロアは再び爆発的に盛り上がる。11月25日にリリースしたばかりの最新シングル曲「‘I’ Novel」の前には野田が「10年って僕にとっては計り知れない数字だったけど、さっきミスチルがああいうふうに音楽を奏でている姿を見て『まだまだがんばっていこう』と思いました」と新たな決意を語り、その思いを込めるようにじっくりと歌い上げた。本編終盤、野田は「音楽を聴いている皆さんやライブでの演奏が、音楽をどんどん好きにさせてくれました」とファンに感謝し、メジャーデビュー曲「25コ目の染色体」を歌う。「君と羊と青」のあと本編最後の曲「会心の一撃」が始まると、野田は「ミスチル、愛してるよ!」と絶叫。渾身の演奏に、フロアは壮絶な盛り上がりを見せた。

オーディエンスがアンコール代わりに歌う「もしも」が響く中、1人でステージへ戻ってきた野田は「特別なことやりますか!」と話し、Mr.Childrenの桜井と田原をステージへ呼び込んだ。歓声が場内に響く中、3人で披露する曲について野田が「一緒にやるならどうしてもこの曲を歌いたいですって言ったら、大先輩が快く『いいよ』と言ってくれました」とうれしそうに語ると、桜井も「RAD観ながら飲むビールは最高でした!(笑)」と笑顔を見せた。ここで桜井がRADWIMPSの「夢番地」を「君はきっと今いつかの夢の上に立っているんだね」と歌詞を変えて歌ってみせると、野田は感激した様子で一礼。観客の存在を忘れて「帰ろう!」と言い始め、フロアを大爆笑させた。

そんな3人が披露したのは、Mr.Childrenが1992年に発表したバラード「車の中でかくれてキスをしよう」。大サビでは野田と桜井の華麗なハーモニーが響き、オーディエンスはうっとりと聴き入った。ここで田原がステージを去り、代わってRADWIMPSのメンバーがステージへ。野田の「これはアンコールだから料金に含まれないんで、俺は勝手に楽しむからみんなも楽しんでください!(笑)」という言葉で、桜井をゲストボーカルに迎えた「有心論」が始まった。ステージ上の6人は笑顔で歌い、演奏し、観客も笑顔で腕を挙げて彼らのパフォーマンスを楽しむ。曲が終わると桜井と野田は熱い抱擁を交わし、この日の競演をお互いに喜んだ。

いよいよツアーを締めくくる最後の曲へ。野田の「今の気持ちを歌っていいですか」という言葉から、先程桜井も一節を歌ったラストナンバー「夢番地」が披露された。5人が心を込めて奏でる優しいサウンドに包まれながら、全11公演にわたる対バンツアーの幕が閉じられた。

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10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤
2015年11月28日 Zepp Tokyo セットリスト

Mr.Children

01. 未完
02. ロックンロールは生きている
03. REM
04. 掌
05. FIGHT CLUB
06. youthful days
07. 隔たり
08. Sign
09. 足音 ~Be Strong
10. 終わりなき旅

RADWIMPS

01. DADA
02. ギミギミック
03. DARMA GRAND PRIX
04. 05410-(ん)
05. 遠恋
06. ヒキコモリロリン
07. アイアンバイブル
08. ふたりごと
09. 夢見月に何想ふ
10. おしゃかしゃま
11. ます。
12. ‘I’ Novel
13. いいんですか?
14. 25コ目の染色体
15. 君と羊と青
16. 会心の一撃
<アンコール>
17. 車の中でかくれてキスをしよう
18. 有心論
19. 夢番地

RADWIMPSの楽曲「25コ目の染色体」の「コ」は半角カタカナが正式表記。

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