「第19回文化庁メディア芸術祭」にて、
「正しい数の数え方」は人形劇、演劇、アニメーション、演奏といった複数の表現で構成される観客参加型のミュージカル。今年6月にフランス・パリのデジタルアートセンター「ラ・ゲーテ・リリック」の委嘱作品として上演された。この物語の舞台は1900年のパリ万国博覧会。万博のパビリオン・電気宮に現われた「電気神」が観客にかけた呪いを解くため、日本からパリを訪れた川上音二郎一座が「正しい数の数え方」を求めて冒険の旅に出る。7月に東京で行われた公演では、岸野が率いるバンド・ワッツタワーズによる生演奏も加わった。
岸野は今回の受賞を受けて「私は学問として芸術を学生に教えている立場にありますが、自分自身の表現のスタンスは、大衆芸能、見せ物、といったものです。道端(ストリート)という市井にこそもっともメディアとしての可能性を感じており、アートのフレームのなかに安住する事を避けてきました。というのも、歌舞伎でも浮世絵でもそうですが、当初は芸術ならざるものであった表現を、100年以上かけて芸術として評価するに至る目利き、見立ての良さを、市井は持っていると信じているからです。例えば鶴屋南北や歌川国芳が現代のテクノロジーを使ったらどんな愉快な表現をするだろうか? そんな事を考えながら大勢の人たちを楽しませる表現をしていきたいと考えています」とコメントしている。
なお「第19回文化庁メディア芸術祭」ではこのほか、Google Street Viewを使用したことで話題になった橋本麦&ノガミカツキの監督による
「文化庁メディア芸術祭」は、メディア芸術の振興を目的とした祭典。エンターテインメント部門のほか、アート部門、アニメーション部門、マンガ部門の4部門で優れた芸術作品が選出される。今年は世界87の国と地域から過去最多となる4417作品の応募があった。2016年2月3日から14日にかけては、東京・国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、Super Deluxeなどで受賞作品展の開催が予定されている。
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