このライブは八代が10月にブルースを歌うアルバム「哀歌-aiuta-」をリリースしたことを記念して開催されたもの。彼女は、渡嘉敷祐一(Dr)、三好“3吉”功郎(G)、青柳誠(Piano)、バカボン鈴木(B)、園田涼(Key)、そしてアルバム収録曲の一部のアレンジを手がける村田陽一(Trombone)というプレイヤー陣とともにアメリカのスタンダードナンバーや日本の歌謡曲のカバー、またアルバムのために書き下ろされた新曲などを情感たっぷりに届けた。
ホワイトベージュのドレスに身を包んだ彼女は、プレイヤー陣の演奏にうっとりしながら「St.Louis Blues」を歌い始める。間奏で各楽器のソロパートなどが展開されると、ハミングを重ねたり、「フゥ!」と合いの手を入れたりと楽しげにパフォーマンスしていった。曲間では「この曲は75歳以上の人じゃないと知らないか(笑)」「どう? カッコいいでしょ?」など観客に話し掛けながら、チャーミングに曲を説明する。また今作のテーマであるブルースについて「つらい思いを明るく表現するのがブルースだと思う」と彼女なりの考えを語り、「『哀歌-aiuta-』っていうアルバムは、どん底を歌って、今つらい思いをしてる人たちが『自分はまだまだやれるじゃん』って思えるような作品になっている」とその思いを口にした。さらに二葉あき子の「フランチェスカの鐘」、藤圭子の「夢は夜ひらく」といった日本の歌謡曲のカバーをブルージーに歌い上げた八代は「私はこのアルバムを引っさげてニューヨークに行きたいの。それでニューヨーカーに日本のブルースを聴かせたい」と、自信たっぷりに宣言。観客からは大きな歓声と拍手が贈られた。
中盤では
衣装替えを挟んだ後半には、「ブルーノートならではのアレンジで歌いたい」という八代の希望から、「もう一度逢いたい」「雨の慕情」といった彼女のオリジナル曲がパフォーマンスされる。ジャジーにアレンジされたサウンドと、深みのある歌声をファンはじっくりと堪能した。そして本編のラストを飾ったのは、八代の出身地である熊本をモチーフにした「Sweet Home Kumamoto」。彼女は跳ねるようなリズムに乗せ、リズミカルにステップを踏んだり、体を揺らしたりしながら歌唱していく。間奏で八代が「哀歌-aiuta-」のプロデュースを手掛けた
アンコールで再び登場した八代とバンドメンバー。彼女たちは曲名を言わずに演奏を始める。そして八代が自身の楽曲「舟唄」を歌い始めると、ファンは歓声をあげて大興奮。彼女はこぶしを効かせるなど、その歌声を惜しみなく披露した。達成感に満ちた表情を見せる彼女に、観客からは「ブラボー!」といった掛け声や盛大な拍手が贈られ、大団円のうちにブルーノート東京公演は幕を下ろした。
なお昨日11月17日より「哀歌-aiuta-」のハイレゾ音源の配信がe-onkyo musicほかにてスタートしている。
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AKI YASHIRO "aiuta" Special Night
2015年11月17日 ブルーノート東京 1回目公演 セットリスト
01. St.Louis Blues
02. Bensonhurst Blues
03. フランチェスカの鐘
04. 夢は夜ひらく
05. Give You What You Want
06. 命のブルース
07. The House of the Rising Sun
08. もう一度逢いたい
09. 雨の慕情
10. The Thrill Is Gone
11. Sweet Home Kumamoto
<アンコール>
12. 舟唄
リンク
- 八代亜紀『哀歌-aiuta-』2015/10/28 on sale | 日本コロムビア
- 八代亜紀オフィシャルホームページ
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Keisuke Odagiri @harasu_onigiri
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