やなぎは年に一度「color palette」と銘打ち、毎回趣向を変えたコンセプトライブを展開。「Silver / Gold」のサブタイトルを冠した今年は、チェロ、ビオラ、2本のバイオリンからなる弦楽四重奏と、キーボード、パーカッションを従えた公演を実施した。ここでは初日にあたる10月17日の「Silver」公演の模様をレポートする。
燭台を乗せた背の高いテーブル、ソファー、ラグがしつらえられたステージにまず登場したのはプレイヤー陣。弦楽器隊がチューニングを始めると、その音に乗せてやなぎが白いドレス姿で現れ、「一緒に楽しみましょう」の言葉とともに「ユキトキ」で今年の「color palette」ライブの幕を開けた。そしてピアノとストリングスによる音数少ない単音フレーズにやなぎの訥々としたボーカルが乗る平歌から、ド派手なパーカッションとハイトーンボーカルが絡み合うサビへと連なる「インテンション・プロペラント」や、どこか不安定なストリングスとアブストラクトノイズが響く「helvetica」、自ら「いい意味で変態な曲です」と語った「Ambivalentidea」など、おなじみの楽曲群を彼女と1stバイオリニストが中心となって組み上げたという大胆なアレンジで魅せていく。
そしてソファに腰掛けたやなぎは「アクアテラリウム」「三つ葉の結びめ」という2曲のシングル曲や、2012年末のコミックマーケットで販売されたアルバム収録の「錫の繋ぎめ」など、メジャー、インディーズを問わない多彩な楽曲群でライブ中盤戦をスタートさせる。さらに、その「錫の繋ぎめ」について「サブタイトルがSilverなのに、私の曲の中で金属系のタイトルの曲がこれしかなかった」と苦笑いを浮かべた彼女はオリジナルバージョン以上にシーケンスを多用した「鱗翅目標本」や、ピアノとウィンドチャイムの音色が耳に残る「忘れない為に」などスローナンバーで以降のセットリストを構成。自身の歌声とポストクラシカル的なアレンジで観客を魅了した。
ライブ後半戦はソファから立ち上がったやなぎの「かなり終盤に差し掛かってきています」のひと言からスタート。これに「えー!」と返す客席に「いつものリアクションありがとうございます」と笑った彼女は「Sweet Track」「クロスロード」というアップテンポな2曲を連投し、メロウなエレクトロニカテイストにお色直ししたデビュー曲「ビードロ模様」でライブ本編を締めくくった。
アンコール1曲目は最新シングル曲「春擬き」。この曲で客席を大いに盛り上げたやなぎは、12月23日にライブDVD / Blu-ray「やなぎなぎ ライブツアー2015『ポリオミノ』」をリリースすることと、12月5日(現地時間)に香港での初ワンマンライブ「yanaginagi Live-supervoid」を開催することを発表。またも巻き起こった歓声を受けて「何か新しいことを始める人に捧げる曲」として「星々の渡り鳥」を、「今舞台にいる私と、客席にいる皆さんの距離を縮めたいなと思って」と「link」を歌って、今年の「color palette」公演の初日の幕を閉じた。
なおライブDVD / Blu-ray「やなぎなぎ ライブツアー2015『ポリオミノ』」は2月21日の東京・渋谷公会堂公演の模様を収録した映像作品。アンコールも含めた全演目に加え、DVD / Blu-rayリリースを記念して撮り下ろされた「Sweet Track」のミュージックビデオが収録される。また彼女は12月9日にニューシングル「オラリオン」をリリースする。このシングルの表題曲は現在放送中のテレビアニメ「『終わりのセラフ』名古屋決戦編」のエンディングテーマに採用されている。
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えっ、この前のやなぎなぎグローブ座って弦カルいたの....... 何で今回スルーしたんだ.... 『やなぎなぎ、弦楽四重奏らと魅せた「color palette」劇場公演 - 音楽ナタリー』 https://t.co/B6nWwJhq1j