「音泉魂」雨の中で熱演の嵐“俺達の時代編”

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9月5、6日に大阪・泉大津フェニックスで野外フェスティバル「OTODAMA'15~音泉魂~」が開催された。この記事では2日目公演「俺達の時代編」レポートを掲載する。

キュウソネコカミのライブの様子。(Photo by Viola Kam [V'z Twinkle Photography])

キュウソネコカミのライブの様子。(Photo by Viola Kam [V'z Twinkle Photography])

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セックスマシーン(撮影:河上良)

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メインステージの“大浴場ステージ”、サブステージの“露天風呂ステージ”の2つに加え、テントステージの“貸切!宴会場テント”、“秘湯!SET YOU FREEテント”と複数のステージで行われた「OTODAMA'15~音泉魂~」。雨の降りしきる中、“湯沸かしアクト”として露天風呂ステージに登場したのはセックスマシーン。彼らは絶叫混じりに「サルでもわかるラブソング」などで観客を熱くさせたほか、メインステージである大浴場ステージ方面にいる観客に向かって「お前らも参加しないか!」と猛烈なアピールして会場を盛り上げた。

a flood of circle(撮影:渡邉一生)

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朝の本気ダンス(撮影:米田真也)

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ガリガリガリクソンリー五世による“入浴宣言”に続き、大浴場ステージの1番手を飾ったのはa flood of circle。昨日の好天から一転して大雨が降ったり止んだりという悪天候の中、彼らは大雨に負けないパワフルなライブを展開し、“土砂降り”という歌詞が野外会場にぴったりのラストナンバー「ベストライド」まで駆け抜けた。露天風呂ステージの次なるアクトは“夜の本気ダンスにそっくりで、今回が初ライブ”だというバンド、朝の本気ダンス。覆面マスクを付けて入場し、マスクを脱いでから1曲目に「WHERE?」を披露。「踊ろうぜ!」と煽りつつ、キラーチューン「Bitch」や最新シングル曲「By My Side」と夜の本気ダンスの“カバー曲”でパワフルなビートにキャッチーなメロディを響かせた。

KEYTALK(撮影:河上良)

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ヒトリエ(撮影:渡邉一生)

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雨が少し弱くなったタイミングで登場したKEYTALKは「夏の思い出を作りましょう!」というメンバーの言葉のあと、「MABOROSHI SUMMER」では“わっしょいコール”を繰り出して場内はすっかりお祭りムードに。MCでは「おとー!」と叫び「だまー!」と観客に叫ばせる掛け合いの途中、八木優樹(Dr, Cho)が突然「おとー!」を「きんー!」と下ネタに言い替えたが観客が応答せずに失笑する一幕も見られた。ヒトリエはアッパーチューン「センスレス・ワンダー」から演奏を始め、新作ミニアルバム「モノクロノ・エントランス」から「トーキーダンス」へとつなぐ。安定感のあるリズム隊の演奏にあわせて、WOWAKA(Vo, G)が畳みかけるような早口フレーズを織り交ぜ、スリリングな楽曲を次々演奏。またバンドは今回のライブで初披露だというミディアムテンポの新曲も演奏した。

グッドモーニングアメリカ(撮影:米田真也)

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モーモールルギャバンのライブの様子。(撮影:河上良)

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大浴場ステージの3組目、グッドモーニングアメリカはMCで金廣真悟(Vo, G)が「今日は俺らにとって最後の夏フェスです。楽しんで帰りましょう!」と話し、「イチ、ニッ、サンでジャンプ」などを演奏。さらに10月28日に3rdフルアルバム「グッドモーニングアメリカ」をリリースすること、11月27日に東京・日本武道館公演を行うことを話し、「俺らの挑戦を見届けてほしいです」と述べてから「ハローハローハロー」を演奏した。露天風呂ステージにはモーモールルギャバンが登場。曲間にはいつも通り、露出度の高い衣装でゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)がドラムの上に立つ。彼は「グドモのたなしん(B, Cho)に続いて、“裸成分”が多いですけど、四星球だってパンツ一丁! そのうちキュウソネコカミとかPOLYSICSとかも裸に……」と謎の“裸推しトーク”を展開。さらにゲイリーは「ありがトイス!」とPOLYSICSネタを含む挨拶をしつつ、ラブソング「バイララ」などを届けた。

熱湯CM「フラカン12.19日本武道館」の様子。(撮影:渡邉一生)

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大浴場ステージではフラワーカンパニーズの日本武道館公演を宣伝する企画「フラカン12.19日本武道館」 がスタート。ここでは四星球のメンバーがバックバンドを務め、ハヤシ(POLYSICS)、志磨遼平(ドレスコーズ)、北島康雄(四星球)が交代でゲストボーカルを担当した。ハヤシは「恋をしましょう」、志磨は「はぐれ者賛歌」、北島はグレートマエカワ(B)からのリクエストがあったということで代表曲「深夜高速」をカバー。サプライズで「深夜高速」の演奏中、フラワーカンパニーズの鈴木圭介(Vo)が登場し、貫禄ある本家の歌声で観客を大いに湧かせた。その後フラカンのメンバー全員がステージに招かれ、新曲「消えぞこない」や、大阪を題材にした歌「ファンキーヴァイブレーション」を披露。ゲストボーカリストも再びステージに立つ中、鈴木は「12月19日、日本武道館でライブをやります。本当によろしくお願いします」と改めてアピールした。

フレデリックのライブの様子。(撮影:米田真也)

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OKAMOTO'S(撮影:河上良)

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水曜日のカンパネラ(撮影:渡邉一生)

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その後露天風呂ステージでは雨が再び降り出す中、フレデリックが「オワラセナイト」から軽快にライブの口火を切る。最後は雨脚がさらに強まる中でキラーチューン「オドループ」をプレイ。足元の状態が悪い中でも観客の興奮を誘って、踊らせ続けた。続く大浴場ステージではOKAMOTO'Sが熱演を見せる。オカモトショウ(Vo)が「フェスって非日常空間だと思うんだけど、雨が降ってるとさらに非日常にならない? だから雨を気にせずもっと踊り狂ったら……」と語り出した際、ハマ・オカモト(B)が「(ショウが)何言ってるかわからないと思うけど、この顔で言われるとなんか妙に説得力あるだろ?」と話し始める。さらにハマはライブ中に「オーイエー!」と叫んでおり、これについては「デビュー以来、初めてこんなふうに叫んだけど、いいもんだな! オーイエー!」とエキサイトした様子を見せた。その後水曜日のカンパネラのライブでは、コムアイが「桃太郎」の歌唱中、きび団子ではなくたこ焼きを投げ入れたほか、新曲「ラー」の披露前には観客に「屈強なアメリカ人になったつもりで『You're justice』ってレスポンスを入れて」と話すなど不思議な雰囲気でライブを続けた。

サンボマスター(撮影:米田真也)

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ドレスコーズ(撮影:河上良)

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サンボマスターのライブは山口隆(Vo, G)の絶叫から始まり、冒頭からアクセル全開。「ミラクルをキミとおこしたいんです」「世界をかえさせておくれよ」と人気曲が連投された。「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」」とピースフルなナンバーも盛り込んだセットリストで会場中の注目を集めたサンボマスター。山口はMCで「ミラクルをありがとう!」などと叫ぶ中、何度も「お前ら死ぬんじゃねえぞ!」と叫び、ラストは「ロックンロール イズ ノット デッド」で熱唱した。露天風呂ステージに登場したドレスコーズはバックバンドにOKAMOTO'Sのメンバーを従えて出演。リハーサル中にRed Hot Chili Peppersの「Give It Away」を披露するなどしてから本番に臨んだ。パーカッションおよびコーラスを担当したOKAMOTO'Sのオカモトショウが「どうも! ドレスコーズです!」と挨拶し、志磨遼平(Vo)は「今日までが夏です! 夏を『OTODAMA』で終えようぜ!」と話してからさわやかなナンバー「ヒッピーズ」へ。毛皮のマリーズ時代の楽曲「ビューティフル」では観客の上に立ち、ラストには「どうもありがとう。また会おうね、愛してる、ありがとう!」と思いを伝えてから「愛に気をつけてね」でライブを終えた。

チャラン・ポ・ランタン(撮影:日吉純平)

チャラン・ポ・ランタン(撮影:日吉純平)[拡大]

Charisma.com(撮影:日吉純平)

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なお宴会場テントではチャラン・ポ・ランタンが午前中にライブを行い、もも(Vo)は客席に身を乗り出してラストの「ムスタファ」まで距離感の近いライブを展開。午後にはピエール中野(凛として時雨)がドラム☆ピエール中野として凛として時雨「Who What Who What」などを生演奏。さらにピエール瀧(電気グルーヴ)とのエピソードや、Perfumeへの愛情を存分に伝えるMCを挟みつつ、最後は「nakano kill you」からのドラムソロで締めくくった。そしてCharisma.comは雨が強まっていた夕方に登場。彼女たちは「HATE」「イイナヅケブルー」といった代表曲や、最新ナンバー「お局ロック」など全7曲を届け、テントに収まりきらないほどの大勢の観客を楽しませた。

クリープハイプ(撮影:渡邉一生)

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四星球(撮影:河上良)

四星球(撮影:河上良)[拡大]

トリ前の大浴場ステージアクトを務めたクリープハイプのライブは曲中に「セックスしよう!」の大合唱が響く人気曲「HE IS MINE」からスタート。尾崎世界観(Vo, G)は「雨降ってる? 止んだかな。でも足元ぐちゃぐちゃでしょ。女子はどんどん濡れたほうがいいよ」というMCから「エロ」へとつなぎ、その後、9月30日発売のシングル曲「リバーシブルー」などを届けた。また尾崎は過去に「音泉魂」に出演した際は大浴場ステージの1番手で、観客があまり興味を示してくれなかったことに悔しい思いをしたと述べ、今回はトリの前に出演できるようになれたことに対して喜びを口にした。露天風呂ステージでは四星球がコミックバンドならではのライブを展開。冒頭には「オトダマーチ」、奥田民生「さすらい」、筋肉少女帯「踊るダメ人間」、MONGOL800「小さな恋のうた」の3曲カバーと、自身の楽曲「Mr.Cosmo」からなる「OTODAMA~音泉魂~によく出てる人メドレー」を披露した。また「夏の終わりに“ワル騒ぎ”」しようぜ」と人形(人型のダンボールを貼り付けた大きなボール)を客席に投げ込みクラウドサーファーに見立てるなど、エンターテインメント性の高いライブを展開した。

キュウソネコカミのライブの様子。(Photo by Viola Kam [V'z Twinkle Photography])

キュウソネコカミのライブの様子。(Photo by Viola Kam [V'z Twinkle Photography])[拡大]

キュウソネコカミのライブの様子。(Photo by Viola Kam [V'z Twinkle Photography])

キュウソネコカミのライブの様子。(Photo by Viola Kam [V'z Twinkle Photography])[拡大]

トリのキュウソネコカミは「ウィーワーインディーズバンド!!」から「DQNなりたい、40代で死にたい」へ、そして「ファントムヴァイブレーション」など人気曲を惜しみなく投下。「GALAXY」のあと、MC中に花火が1発誤射で打ち上がるというハプニングにヤマサキセイヤ(Vo, G)がMCの流れをぶち壊されたと不満を述べる場面もあったが、「音泉魂」を主催する清水音泉への多大なる感謝の念を伝えてから「ハッピーポンコツ」を歌唱した。その後「お願いシェンロン」でヤマサキは客の上に“筋斗雲“と称したボードを客に持たせてその上に乗り、「清水音泉ならここで『花火上げてくれ』と言ったら、その願い叶えてくれるはずや!」と“かめはめ波”コールのあとに花火を打ち上げてほしいと希望を口に。するとその言葉通り、かめはめ波のシャウトのあと、花火が打ち上がった。大きな盛り上がりを見せる中、バラード調の新曲(タイトル未定)の披露もありつつ、ラストは「ビビった」でフィニッシュ。アンコールでは10月21日にフルアルバム「人生はまだまだ続く」をリリースすることを発表したのち、清水音泉のスタッフや、番台(清水社長)の息子が「音泉魂」ではなく「RUSH BALL」好きであることなどを盛り込んだ面白おかしい歌詞のナンバー「ありがとう音泉魂」を披露した。ヤマサキはその後ラジオ出演を控えており、急いで移動しなければならないことを話すと、ステージに1台のバイクが登場。ヤマサキは「お、親父ー!」と叫び、ヘルメットを被ってからそのバイクのタンデムシートにまたがって会場を去っていった。

DJ ピエール中野(撮影:米田真也)

DJ ピエール中野(撮影:米田真也)[拡大]

その後“湯上がりアクト”として露天風呂ステージにはDJピエール中野が登場した。ピエール中野はマキシマム ザ ホルモン「恋のメガラバ」や、Hi-STANDARD「STAY GOLD」といった人気曲や、「音泉魂」2日目のトップを飾ったセックスマシーンの楽曲などをスピン。最後は嵐「A・RA・SHI」をほぼカラオケのように熱唱して今年の「音泉魂」をハイテンションに締めくくった。

※記事初出時、キュウソネコカミのフルアルバム「人生はまだまだ続く」の発売日に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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