4月より全国11都市のホール会場で展開されてきた今回のツアーでは、メンバーが演じる吟遊詩人と、1人旅する吟遊詩人の男によるストーリーが軸となっており、ステージにも異国情緒あふれるセットが組まれていた。各公演でメンバー1人が吟遊詩人を演じてきたが、最終公演では8人全員が吟遊詩人に。さらにこのツアーのために作られた楽曲「吟遊詩人」の作者である
開演時間近くになると、客席には不思議な佇まいの吟遊詩人がさまよっており、客電が落ちるとその男にスポットが当たる。そして男が幕の閉まったステージに上がると、今度はアコーディオンを抱えた吟遊詩人・安本彩花が登場した。これまでのツアーではメンバー扮する吟遊詩人と男のやりとりが繰り広げられてきたが、最終公演では安本がすぐに追いやられ、反対側から小春が姿を現す。小春はクロマチックアコーディオンを奏でると、さらにオープニングナンバー「ebiture」もアコーディオンで演奏。いつも以上ににぎやかな音楽に乗せて、全員そろいの吟遊詩人衣装で登場したエビ中は、6月17日にリリースされたばかりのシングル曲「夏だぜジョニー」でライブをスタートさせた。
メンバーそれぞれの自己紹介では、真山りかが「私事ですが、今日は隣の“王国”のお姫様からお花をいただきまして……」と、同日にほど近くの東京・国立代々木競技場第一体育館でコンサートを行っていた田村ゆかりから花束が届いていたことを大喜びで報告。自身が敬愛するアーティストからのうれしいプレゼントにすっかりハイテンションな真山は「隣の“王国民”も『あれ、こっちもいいんじゃないの?』ってなるぐらい、声出していきましょう!」と盛り上げた。さらに4曲を畳み掛けたところで、このツアーで毎回披露されている「アフタヌーンティーラップ」へ。これは2ndアルバム「金八」に収められていたDJみそしるとMCごはん提供の「早弁ラップ」をリメイクしたもので、1人ひとりさまざまなドリンクにちなんだ脱力ラップを重ねていく。
中盤には再び吟遊詩人と小春が登場し、ラブレターと花束を手にたそがれる男の心情を、小春が奏でるアコーディオンの音色が寂しく彩る。やがて雨音が鳴り響き、途方に暮れる男に松野莉奈が傘代わりの大きな葉を手渡すと、そのまま「どしゃぶりリグレット」へ。さらに「アンコールの恋」「フユコイ」「PLAYBACK」と、届かぬ恋をする吟遊詩人の心情に呼応するかのような切ないナンバーが続いた。また終盤には吟遊詩人と小春に加え、「姉に便乗してやって参りました!」とももが合流。ももは「私立チャランポ中学、開校してもよろしいでしょうか!」と叫ぶと、チャラン・ポ・ランタンのナンバー「ムスタファ」を歌い始めた。するとステージには、一輪車やディアボロ、シガーボックス、デビルスティックなど大道芸の道具を持ったエビ中メンバーも登場し、ステージ上は大わらわ。続く「仮契約のシンデレラ」では、ももが完璧な振り付けでエビ中のダンスパフォーマンスに加わり観客を驚かせた。
ももは見事なダンスを披露したあと、息も絶え絶えに「今日はいろんなところを旅してきたエビ中ちゃんたちがホームタウンに戻ってくると聞いたので、私たち吟遊詩人仲間も駆けつけて一緒に盛り上がろうと来ちゃったわけですよ」と説明。そしてチャラン・ポ・ランタンの2人は「帰ろう。私たちすぐに旅に出なくちゃいけないから。7月1日に2nd“たらふく”シングル『貴方の国のメリーゴーランド』を引っさげてツアーに行かなきゃいけないから。あとライブが終わったあと物販コーナーで私たちのCDも買えるので」とちゃっかり告知を残してステージを去った。
2人の姿が見えなくなると、エビ中メンバーは花束を持った吟遊詩人に「行かなくていいの?」と促すが、駆けていった詩人はすぐに肩を落として戻ってきてしまう。とぼとぼと歩く詩人が花束を突然安本に手渡すと、安本だけが驚きの表情を見せ、ほかのメンバーは大笑い。段取りになかった展開に1人うろたえる安本のもとへ真山がケーキを運び込んだところで、この日17歳の誕生日を迎えた安本はようやく自身のバースデーサプライズに気が付いた。メンバーと観客による「ハッピーバースデー」の大合唱に大喜びの安本だったが、さらにもう1つのサプライズが。今度はメンバー7人が安本のソロナンバー「またあえるかな」を歌い出し、1人ひとりが安本に語りかけるように歌を届けると、安本はたまらず目に涙を浮かべて聴き入った。
感動的なサプライズを経て、本来吟遊詩人とのやりとりの直後に歌われる予定だった「幸せの貼り紙はいつも背中に」を披露すると、最後は廣田あいかが「あの曲でハッピーに締めくくっちゃいましょう」と告げ、にぎやかなラテンナンバー「買い物しようと町田へ」でライブを終えた。締めのMCでは充実したツアーを振り返り、安本は「でも、まだまだまだまだ上に行くもんね!」と宣言。廣田は「最初は長いツアーだから大丈夫かなと思ったし、実際に体調を崩してしまうメンバーもたくさんいて心配おかけしましたけど、行く場所行く場所でたくさんの声援があったから最後までステージに立ち続けられたし、今こうして笑顔でファイナルを迎えられました。本当にありがとうございます」と改めてファンに感謝の思いを告げた。最後は柏木ひなたが「エビ中の夏はこれからですよ? 恒例の“ファミえん”もありますし、ほかにもいろいろありますから。どんどんどんどん成長していけたらなと思います」と締めくくった。
このツアーでは毎回アンコールを行っていなかったエビ中だが、最終公演では大歓声に応えて再びステージへ。そして「このツアーでは一度も歌っていないあの曲を」と告げると、初期の楽曲「永遠に中学生」をパフォーマンス。2時間半を超えたツアー千秋楽は笑顔で大団円を迎えた。
今年で3度目となるエビ中恒例の夏ライブ「夏のファミリー遠足 略してファミえん」は、8月22日に新潟・新潟県国営越後丘陵公園 野外特設ステージにて開催。夏にはこのほか「JOIN ALIVE 2015」「お台場夢大陸 めざましライブ」「GIRLS’ FACTORY 15」「氣志團万博2015」といったイベントへの出演も決定している。
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リンク
- 私立恵比寿中学オフィシャルサイト
- チャラン・ポ・ランタン オフィシャルサイト
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チャラン・ポ・ランタンもも @momochan_
@yuitoman この間のエビ中ちゃんのツアーに参戦もしたよ!
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