混沌の「北区赤羽」イベントにスチャ&吉井和哉、山田孝之の前で熱演
2015年6月4日 22:57
13 音楽ナタリー編集部
昨日6月3日に東京・LIQUIDROOMにてイベント「『山田孝之の東京都北区赤羽』スペシャルナイト」が開催された。
これは、今年1月クールにテレビ東京系でオンエアされたドキュメンタリードラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」のDVD / Blu-rayボックスの発売を記念したイベントで、この映像作品の購入者から抽選に当たったファンが招待された。ステージに劇中に登場した路上ミュージシャン・斉藤さんこと斉藤竜明が姿を見せ、彼の弾き語りでイベントの幕が開くと、早速会場は熱気に包まれる。
斉藤さんが舞台を降りると、主演の山田孝之と山下敦弘監督、松江哲明監督が登場。大谷ノブ彦(ダイノジ)の進行のもとトークセッションが行われた。山田は「2014年の夏、赤羽に1カ月間住んでいてちょっと頭おかしかったんですけど、今は無事元の状態に戻りました」と挨拶。各所からオンエアに対する反応があったといい「デビューして16年目なんですけど、この作品が一番反響ありましたね。3話目くらいで小栗(旬)から電話があったり、番組終わってから江口洋介さんに呼び出されたり」と、釈然としない様子で語る。松江監督は岡村靖幸から連絡があったことを明かし「『山田孝之ってどんな人?』って聞かれましたよ」と山田に伝えた。また作品に登場もしていた山下監督は「演者としての自分について、周りからよく感想をもらいました。主に飲み屋で」と笑いながら明かす。
山下、松江両監督が選んだ「いろんな意味で鳥肌が立ったシーン」の紹介を経て、ステージは番組のオープニングテーマを担当したスチャダラパーによるライブパートへ。Boseは「自分も赤羽(の撮影現場)に行ったんですよ。そこにいるときは楽しいんだけど、家に帰るとどこか痛かったり、(赤羽の住人の)悦子ママが肩に乗ってるなって感じがする(笑)」と、赤羽の持つ独特な魅力を語る。番組に提供した「中庸平凡パンチ」についてはBoseが「番組のテーマ曲だからといって、ライブでのファンの反応がすごくいいわけじゃない」と語り、ANIも「地方でやっても『ハァ?』みたいになる」と苦笑いしながらコメント。2人のテンポのよい掛け合いにフロアから笑い声が漏れると、Boseは「だけど今日は完全ホーム!」と叫んでこの曲をプレイした。彼は曲中も「いけますか、皆さん! やったことない“プチョヘンザ”お願いします!」と観客に呼びかける。会場に一体感を生み出したBoseは「やっと初めてこの曲をホームでできました。今日やるべき曲でした」と感謝。スチャダラパーの3人は山田、山下監督、松江監督の拍手に送られて会場をあとにした。
スチャダラパーと入れ替わりでステージに上がったのは、作品に登場する赤羽の個性的な住人たち。ドラマの題材になったエッセイマンガ「東京都北区赤羽」「ウヒョッ!東京都北区赤羽」の作者・清野とおるの先導で姿を見せた彼らはフリートークを行い、自由奔放な言動で会場の爆笑や失笑を次々と生み出す。なおこのトークコーナーには山田の実姉で作中にも登場した女優の椿かおりと歌手のSAYUKIも登場した。2人の姉がこのドラマに出演したことについて、山田は「いつか3人で仕事ができたら楽しいね、なんて話はしていたんですが、まさか『赤羽』で……。ちょっと申し訳なかったです」と苦笑いする。SAYUKIはステージ上で3姉弟が顔をそろえるのは今回が初めてだと語り、劇中のシーンを再現するように尾崎豊「I Love You」をカラオケで披露。体育座りで姉の歌声に耳を傾けた山田は「うまいですね」と彼女に声をかけた。
舞台転換を経てイベントは終盤へ。大谷の紹介を受けてステージには吉井和哉が姿を見せる。彼は「噂によると、今日は北区の人ばっかりだと聞いてます。今日は全員北区民ってことでいいですね!」と挨拶し「山田くんに書き下ろさせていただいた曲を聴いて下さい!」と山田が作詞と歌唱を担当した「TOKYO NORTH SIDE」を情感たっぷりに歌い上げた。曲を終えると吉井は「本当は山田くんに歌ってほしかった」と笑顔を浮かべる。そして「MVに山田くんが出てくれて、当時話題になった曲です」と、2曲目に「ビルマニア」を披露した。間奏では「北区赤羽ー!」と絶叫し、オーディエンスの歓声を誘った吉井。彼のパフォーマンスに、観客も熱い盛り上がりをみせた。ライブが終わりステージに戻った山田は「いやあ……カッコよかったです」と感激の表情。一方の吉井は「TOKYO NORTH SIDE」について「自分のアルバムにセルフカバーという形で入れたけど、『山田くんの歌のほうがいい』って言われるんだよね。そりゃそうだよ! 彼に書いた曲なんだから」と山田に向かってすねた表情を見せ、会場の笑いを誘った。
公演のラストにはプレゼント抽選会が行われ、山田は最後までファンとの交流を楽しんだ。締めの挨拶で彼は「僕が頭おかしかった時期の話を皆さん楽しんで観てくれて、『俺は定期的におかしくならなきゃいけないんじゃないか』と思いました」と笑みを浮かべて感謝を伝える。松江監督は「作品に関わった人たちがこれだけ集まって、こんなに広がり生まれるなんて思わなかったのでうれしいです」と感激をあらわにした。温かなムードの中でイベントは終幕。山田による照れ交じりの番組タイトルコールをもって、大団円を迎えた。
桜川和樹 / Editor in Chief@グローバル・ブレイン @sakucchi
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