キングギドラ「空からの力」20周年ライブで「一生ヒップホップ辞めない」

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レコード会社・P-VINEの設立40周年記念イベント「P-VINE 40th ANNIVERSARY」が東京・LIQUIDROOMにて5月23日に開催された。この日はキングギドラ改めKGDRがヘッドライナーとして登場し、1stアルバム「空からの力」の発売20周年記念ライブを実施。さらにECD+ILLICIT TSUBOI、B.D.&NIPPS、SIMI LABといった日本語ラップの重要人物たちが次々にライブを行った。

「平成維新」をパフォーマンスするKGDR。左からZeebra、K DUB SHINE、UZI。(Photo by cherry chill will)

「平成維新」をパフォーマンスするKGDR。左からZeebra、K DUB SHINE、UZI。(Photo by cherry chill will)

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左からECD、ILLICIT TSUBOI。(Photo by cherry chill will)

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一番手のECD+ILLICIT TSUBOIはこの日、秋に発売予定のニューアルバムに収録される新曲だけをパフォーマンスするという、意欲的なライブを展開。1曲目で「2015じゃなかったらよかった今 こんな時代がオレ大嫌いだ」とラップしたECDは、曲が終わるなり「マジで2015年なんてオレ大嫌いだ! コンちゃん(DEV LARGE)は死んじまうしよ!」と吐き捨てるように叫んだ。その後もECDはターンテーブルのブレイクビーツに乗せて、怒りをぶつけるように気迫に満ちたラップを披露。MCではECDが、KGDRから「『ECDのロンリーガール』をライブで一緒にやりましょう」と当日誘われたものの「今から歌詞を覚え直すのはムリ」と断ったことや、彼が「ECDのロンリーガール」を作ったのはキングギドラの「スタア誕生」を聴いたことがきっかけだったことなどを話していた。

左からNIPPS、B.D.。(Photo by cherry chill will)

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続くB.D.&NIPPSのライブは、序盤はB.D.だけがステージに登場してソロパフォーマンスを展開。しばらく経ってB.D.が「そろそろ俺の大先生をお呼びしていいですか?」と観客に問いかけると、湧き上がる歓声に迎えられてNIPPSが現れた。2人はまず、NIPPSがフィーチャリングで参加したB.D.のソロ曲「LAUNCH SEQUENCE」をパフォーマンス。NIPPSはその後「大怪我」「DON'T TEST DA MASTER」「人間発電所」「ブッダの休日」といったBUDDHA BRAND関連楽曲の自身のバースをメドレーで次々に披露し、オーディエンスに貫禄を見せつけた。

SIMI LABのライブが始まると、彼らはすぐに会場全体の空気を掌握。OMSBのソロ曲「黒帯」などを交えつつ、「That's What You Think」「Uncommon」といったキラーチューンで会場を盛り上げていく。最後に彼らは「Circle」の優しくメロウなリミックスを披露し、会場を温かな空気で満たしてステージを後にした。

KGDR(Photo by cherry chill will)

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KGDRによる「空からの力」発売20周年記念ライブは、同アルバムのオープニングを飾った「未確認飛行物体接近中」からスタート。1曲目から早くもフロアの興奮がピークに達し、会場中で割れんばかりのコール&レスポンスが沸き起こった。その後も彼らは「大掃除」「コードナンバー0117」「空からの力(Part 2)」といった「空からの力」の収録曲を次々に繰り出した。さらにキングギドラとSOUL SCREAMがフィーチャリングで参加したRHYMESTER「口から出まかせ」も披露され、意外な選曲に会場は大盛り上がり。曲が終わるとK DUB SHINEは「この曲の持ち主はラジオがあるからって来てくれないみたいです。ショボーン」と言って観客を笑わせた。

KGDR(Photo by cherry chill will)

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その後K DUB SHINEとDJ OASISが退場して、Zeebraは「空からの力」に収められた自身のソロ曲「フリースタイル・ダンジョン」をひさびさに披露。それが終わると今度はZeebraが後ろに下がってDJを担当し、K DUB SHINEとDJ OASISがマイクを持って「マジ興味ねえ」で掛け合いを繰り広げた。K DUB SHINEはこれまでを振り返って「20年もラップするなんて想像してなかった。デビューする前、ECDを見て『よく30超えてラップするなあ、このおっさん』って正直思ってたけど、俺もあと数年で半世紀生きたことになるのにラップしてるし、ECDもまだラップしてるから、歳なんか関係ないんだな」とコメント。「一生ヒップホップ辞めないんじゃないかな。もう“止めらんねえ”ってことですよ」と言って「UNSTOPPABLE」に突入した。さらに彼らは観客にマイクを向けながら観客とともに「F.F.B.」を歌唱。「真実の弾丸」「行方不明」をラップし、3人はステージを去った。

アンコールではUZIがゲストとして登場し、大きな歓声が湧く中「平成維新」が披露された。この日のライブでリラックスしたトークに多くの時間が割かれていたことに気付いたZeebraは、「RHYMESTERみたいじゃない?」「こういうのはギドラっぽくないからライブじゃないときにやろうよ」と反省した様子を見せつつ、東京・タワーレコード渋谷店で後日トークショーを開催する予定であることをさりげなく宣伝。最後に「見まわそう」をラップし、20周年記念ライブの幕を下ろした。

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