過去最高10組が登場「CIRCLE '15」熱狂の中終幕
2015年5月23日 23:29
6 音楽ナタリー編集部
5月16日に福岡・海の中道海浜公園野外劇場にて野外イベント「CIRCLE '15」が開催された。計10組のアーティストが出演し、会場に集った音楽ファンを魅了した。
今年の「CIRCLE」はサブステージ「KOAGARI STAGE」を新設した2ステージ制で、メインステージ「CIRCLE STAGE」と「KOAGARI STAGE」で交互にライブが行われた。DJブースは「KAKU-UCHI Annex」と名を変え、角張渉(カクバリズム)をはじめとするDJ陣が登場。例年に比べてやや肌寒い気候の中、各エリアで熱演が繰り広げられた。
■森は生きている~キセル~サンフジンズ
CIRCLE STAGEでイベントの幕開けを飾った森は生きているは、五野上欽也(B)、影山朋子(Vibraphone)を加えた7人編成で登場した。「磨硝子」からライブをスタートさせると、さまざまな音楽性を内包したアンサンブルで聴き手の熱を上げていく。また途中には笹倉慎介をステージに招き入れ、コラボでリリースした「抱きしめたい」をプレイ。会場入りしてシートやテントの設置をしていたオーディエンスも一旦その手を止め、彼らの演奏を見届けた。北山ゆう子(Dr / lake)、エマーソン北村(Key)をサポートに迎え初めての「CIRCLE」のステージに臨んだキセルは人気曲「夏が来る」で一気に会場を独自の世界に塗り替えると、その後もサイケ感を漂わせたポップチューンでオーディエンスを魅了していく。最後は「ギンヤンマ」「時をはなれて」を続けて繊細なハーモニーを力強く響かせた。ステージ前のスタンディングエリアに大勢の人を集めたサンフジンズは、ケン・シューイ(伊藤大地)とジューイ・ラモーン(岸田繁)によるグルーヴィなリズムと、カイ・ギョーイ(奥田民生)の熱唱が印象的な「富士夫人」から続けざまにロックンロールを投下。ほのぼのとした雰囲気が満ちていた会場に、攻撃的なオーバードライブサウンドを轟かせていく。ラストナンバー「サンフジンズのテーマ」では畳み掛けるようなギターソロが会場に余韻を作り出し、観客の大喝采を誘っていた。
■細野晴臣~レキシ
細野晴臣はバンドメンバーに伊藤大地(Dr / SAKEROCK)、伊賀航(B)、高田漣(G)を従え、豊かなアンサンブルと深みのある歌声で観客を引き込んだ。「熱帯夜」「The Song Is Ended」といったナンバーを奏でてゆったりとした雰囲気を生み出す一方、曲間には気取らないトークで場を和ませる。後半は高田によるペダルスティールが軽快に鳴った「The House Of Blue Lights」でオーディエンスの体を揺らし、「Body Snatchers」で全9曲のステージを終えた。レキシは「年貢 for you」でライブを始めると、DREAMS COME TRUE「決戦は金曜日」やEarth, Wind & Fire「September」を盛り込んだ「大奥~ラビリンス~」などでフィールドを沸かせていく。池田貴史は「ウチくる!?」「サークル!」というコール&レスポンスで一体感を高めたり、サンフジンズから連続出演の伊藤を労いつつ「SAKEROCKの解散が悲しいよ!」と嘆いたりと、奔放なステージを展開。終始テンションの高いパフォーマンスで観客を楽しませた。
■笹倉慎介~中村まり~ROTH BART BARON~ペトロールズ
その名の通りステージ脇に小上がりが設置されたKOAGARI STAGEには、笹倉慎介、中村まり、ROTH BART BARON、ペトロールズの4組が登場。笹倉慎介は5月27日発売の新作「TIME STREAM season1」からの楽曲を中心に、弾き語りで7曲を届けた。ブルージーなナンバーで観客を酔わせたのは中村まり。「I Wish I Was A Mole In The Ground」ではアコギをバンジョーに持ち替え、「Hard Travelin'」ではハープを奏でて楽曲を彩り、昼下がりに濃密な時間を提供した。3人のサポートメンバーを迎えたROTH BART BARONは、木琴、トランペット、トロンボーン、アコーディオンといった多彩な楽器を用いて壮大な音世界を描き出す。KOAGARI STAGEのトリを担当したペトロールズは「表現」「Fuel」「雨」など6曲を用意。グルーヴィな演奏でステージに詰めかけた大勢の観客を惹きつけた。
■EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX
3年連続の出演となる大トリのEGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXXのステージは「Stompin' at the Corona」で幕開け。喝采の中迎え入れられた中納良恵(Vo)は艶のある声で「黒アリのマーチングバンド」「Neon Sign Stomp」といった攻撃的なナンバーでオーディエンスのテンションをに引き上げていく。続いてゆったりとしたグルーヴが会場を1つにした「a love song」、中納の鍵盤ハーモニカと森雅樹(G)のボサノヴァギターが情緒的に絡む「満ち汐のロマンス」を届け、徐々に暗くなっていく初夏の野外にしっとりとした時間を作り上げた。
序盤の熱を一旦クールダウンさせたと思いきや、「PARANOIA」を合図に“畳み掛ける時間”へと突入させていく。不穏なベースラインとノイジーなギターが雰囲気を作る「Nervous Breakdown」から「くちばしにチェリー」「GO ACTION」までキラーチューンを投下。ほとばしるようなホーン隊の演奏を含め一体感のある演奏で観客を躍らせ、盛り上がりのピークの中本編をフィニッシュさせた。アンコールに応えステージに現れたバンドはさらなるキラーチューン「サイコアナルシス」を繰り出し再びオーディエンスの熱狂を誘う。その後のMCで中納は「また来年も来たいなあ」とつぶやき、森と2人きりで「サニーサイドメロディー」を演奏。観客との合唱を夜空に響かせ、ピースフルな雰囲気の中今年の「CIRCLE」を大成功に誘った。
しげ @tamisukefumiaki
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