吉井和哉、天国の盟友に捧げたTMGE「世界の終わり」TRIAD ROCKS大団円

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昨日5月19日に東京・豊洲PITにてライブイベント「TRIAD ROCKS-Columbia vs Triad-」が開催された。

吉井和哉(撮影:山本倫子)

吉井和哉(撮影:山本倫子)

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このイベントは1990年代にTHE YELLOW MONKEYやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTなどが所属した日本コロムビア内のロックレーベル・TRIADが今年7年ぶりに復活したことを記念して実施されたもの。公演にはTRIADの復活とともに18年ぶりにレーベル所属アーティストとなった吉井和哉と同レーベル所属のLACCO TOWERに加え、コロムビアに在籍するCzecho No Republicグッドモーニングアメリカが出演し、ステージ後方に掲げられた「TRIAD ROCKS」の旗のもとで熱演を繰り広げた。

LACCO TOWERの松川ケイスケ(Vo)。(撮影:山本倫子)

LACCO TOWERの松川ケイスケ(Vo)。(撮影:山本倫子)[拡大]

1番手を務めたのは、6月17日にTRIADよりメジャーデビューするLACCO TOWER。彼らは真一ジェット(Key)による美しいキーボードの旋律が印象的な「蕾(つぼみ)」でイベントの口火を切る。続く「檸檬(れもん)」では真一がキーボードに登り、「TRIAD ROCKS」のフラッグを指差すひと幕も。5人はその後も精緻なプレイによる轟音と、松川ケイスケ(Vo)の透き通るような高音のボーカルで観客を魅了していく。松川の「ライブは日常の中の光だと思う」という熱いMCのあと、5人はメジャーデビューアルバムに収録されている新曲「葡萄(ぶどう)」を披露。4組の中では“フレッシュな新人”であるものの、これまでに積み上げてきたキャリアを裏付けるような堂々とした演奏を見せ、ステージをあとにした。

Czecho No Republicの武井優心(Vo, B)。(撮影:山本倫子)

Czecho No Republicの武井優心(Vo, B)。(撮影:山本倫子)[拡大]

続いて登場したのはCzecho No Republic。彼らは「Amazing Parade」でライブをスタートさせ、武井優心(Vo, B)とタカハシマイ(Cho, Syn, Per)が美しいユニゾンを会場に響かせる。MCでは武井が、出演4組のボーカルが登場した音楽ナタリーに掲載の同イベントの特集に触れ「みんなけっこう下ネタ言ってたのに、俺のだけ採用されてたんですよ。ナタリーは野蛮な会社ですよ!」と観客を笑わせる。さらに山崎正太郎(Dr, Cho)が吉井を敬愛しているエピソードが語られ、武井の「今日吉井さんと共演できてうれしいでしょ?」という問いかけに山崎はドン! とバスドラムを強くキックして喜びをアピールした。バンドはその後、「Beautiful Days」「MUSIC」などを披露。5人は曲ごとに楽器の編成を変え、鮮やかな音像を提示していく。ラストナンバー「Oh Yeah!!!!!!!」では砂川一黄(G, Cho)が飛び跳ねながらオーディエンスを煽り、観客も「Yeah!」と叫んでこれに応える。会場中を温かなムードで満たした彼らは笑顔でフロアを見つめていた。

グッドモーニングアメリカの金廣真悟(Vo, G)。(撮影:山本倫子)

グッドモーニングアメリカの金廣真悟(Vo, G)。(撮影:山本倫子)[拡大]

グッドモーニングアメリカのたなしん(B, Cho)は「ドラゴンボール」のキャラクター・孫悟空のコスプレで登場すると、観客とともに「かめはめファイアー!」という掛け声で会場に一体感を生み出す。そしてバンドはテレビアニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマに使用されていた「拝啓、ツラツストラ」でライブをスタートさせた。MCでは金廣真悟(Vo, G)がコロムビアからデビューして以降の2年を回想。「インディーズのときには観られなかった景色を見せてもらって、いい経験をさせてもらってます。歴史あるレーベルに参加できているのはすごくうれしいし、僕らがそこに新しい風を吹かせられたら」と改めて意気込みを見せた。そしてバンドは最後にメジャーデビューアルバム「未来へのスパイラル」の表題曲をドロップ。盛大なシンガロングの中、トリの吉井へとバトンをつないだ。

吉井のステージは「(Everybody is) Like a Starlight」で幕を開けた。彼の「TRIAD!」という雄叫びとともに、続けてイエモン時代のナンバー「SPARK」が投下されると、フロアには地鳴りのような歓声が轟く。まばゆいフラッシュライトの中で歌声を響かせる吉井は、鋭い視線をオーディエンスに投げながら後方に掲げられた「TRIAD ROCKS」のフラッグをまっすぐに指差した。2曲を終えた吉井は「もう、今夜ここにいる人たちは最高だね! 正真正銘のロックバカ!」と観客を歓迎。そして「今日は僕ができる限りの大サービスを皆さんにお見せします。TRIAD在籍時代の曲ばっかりやります!」と予告した。

吉井和哉(撮影:山本倫子)

吉井和哉(撮影:山本倫子)[拡大]

最新アルバム「STARLIGHT」に収録のナンバー「TOKYO NORTH SIDE」でムーディーに会場を染め上げた吉井。「クリア」では一転、舞台を駆け巡るアクティブなステージングを披露し、「知ってる人、大きな声で!」という呼びかけに観客の大合唱が沸き起こった。この光景に吉井は「ただいま、TRIAD!」と笑顔を見せる。そして、続くMCで彼は「TRIADに中原繁というカッコいい男がいたんです」と、夭逝したイエモンのプロモーター・中原繁氏との思い出について語り出した。

吉井は「自分はレーベルを築き上げる中原とともに、その一員としてTRIADにいさせてもらっていたんです。だから、今日は中原の魂をみんなに感じてほしいと思っていまして。1曲歌いたい曲があるんだよ」と観客に語りかける。「彼が見つけてきたすげえバンドがあってさ。そのバンドのデビューシングルです。初めて聴いたときから、1回歌いたいと思ってたんだよね。今日は中原に捧げたいと思います」とほほ笑むと、彼は「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、『世界の終わり』!」と叫んだ。会場が悲鳴とも歓声ともつかないような驚きの叫びに包まれる中、彼は片手に握ったタンバリンを高々と掲げる。疾走感あふれるバンドの演奏に乗って歌に魂を込めた吉井は、歌い終えると目を閉じて天を仰いだ。

大きな喝さいの中で、吉井は「もう俺はこの曲一生歌うことないだろうな(笑)。気持ちは伝わったかな」と笑う。そして「このレーベルに戻って来れて、今、とても居心地がいいです。また中原と一緒に日本のロックを築いていこうと思ってます」と前を見据えた。クライマックスを迎えたステージで彼は「この曲は特別なときにしかやらない曲」とつぶやき「みんなの、俺たちの、イエモンのロックアンセム、一緒に歌ってください!」と呼びかける。ラストナンバーは中原氏が世に送り出し、イエモンの代表曲となった「JAM」。力強く伸びやかな吉井の歌声に、ファンは思い思いに身をゆだねた。冷めやらぬ熱狂の中でTRIAD ROCKSは終幕。吉井は最後に「TRIAD最高、皆さん最高!」と叫び、ステージをあとにした。

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TRIAD ROCKS-Columbia vs Triad-
2015年5月19日 豊洲PIT セットリスト

LACCO TOWER

01. 蕾(つぼみ)
02. 檸檬(れもん)
03. 苺(いちご)
04. 葡萄(ぶどう)
05. 一夜(いちや)

Czecho No Republic

01. Amazing Parade
02. Festival
03. Beautiful Days
04. MUSIC
05. No Way
06. Oh Yeah!!!!!!!

グッドモーニングアメリカ

01. 拝啓、ツラツストラ
02. inトーキョーシティ
03. コピペ
04. イチ、ニッ、サンでジャンプ
05. 未来へのスパイラル

吉井和哉

01. (Everybody is) Like a Starlight
02. SPARK
03. TOKYO NORTH SIDE
04. Step Up Rock
05. クリア
06. 世界の終わり / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
07. JAM

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きなまんなついろはこと @kinamannatsuiro

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