このライブは1月から行われたツアー「一つじゃつまらないから、せめて二つくらいやろう」の総集編として行われたもの。彼らは最初期のナンバーから最新シングル「愛の点滅」の収録曲まで計26曲を披露し、まさに“総集編”と呼ぶにふさわしい内容のライブで会場に集まった約3000人のファンをよろこばせた。なお観客が入場する際にはクリープハイプと森永乳業「クリープ」の「愛のプロジェクト」によって生まれた特別パッケージの「クリープ」がプレゼントされた。
ステージに登場した尾崎世界観(Vo, G)、長谷川カオナシ(B)、小川幸慈(G)、小泉拓(Dr)の4人は、尾崎の「やりますか?」という声を合図に「HE IS MINE」でライブをスタート。彼は曲中に「どうしても明るいうちに、子供が帰っちゃう前に、こういうことがしたかった。一緒に悪いことしましょう」と呼びかけると、観客たちによる「セックスしよう!」というコールが休日の日比谷公園に響き渡った。
「ヒッカキキズ」をしっとりと歌い上げた尾崎は、降り出した雨に対して「空に傷が付いて、雨が落ちてきたんだな」と話して会場を和ませる。その後バンドは「オレンジ」や「イノチミジカシコイセヨオトメ」をはじめとする人気曲を連発。「憂、燦々」で客席の盛り上がりがピークを迎えた頃には、雨は止んでいた。「ラブホテル」では尾崎がラブホテルでバイトしていた頃の苦い思い出を語る場面も。彼はソリが合わなかったバイト先のスタッフの名前を挙げ「5年後にこんなに大勢の前でライブができるとは思いませんでした」「立川のラブホテルから俺はここまで来たぞ」と言い、同曲を熱唱してその恨みを昇華する。続く「火まつり」「かえるの唄」では、尾崎と長谷川によるツインボーカルとバンドのダイナミックな演奏でオーディエンスを興奮させた。
信号を思わせる赤、青、黄のライトがステージを彩る中披露されたのは、このツアーの最中に完成した楽曲で、現在全国で上映中の映画「脳内ポイズンベリー」の主題歌に採用された「愛の点滅」。続いて4人は疾走感のある「百八円の恋」、個々のテクニックが光る「社会の窓と同じ構成」「社会の窓」といったナンバーを立て続けにパフォーマンスして観客をさらに熱狂させた。最後の1曲を残して尾崎は「だいぶ前から今日は雨の予報で、運が悪いなって思ってました。いろんなことに対して後悔していたけど、今は全部ひっくるめてよかったなと思えるようになりました。運はよくないけど(自分で)選んだものは間違いない。何よりこうやって大勢のお客さんが僕らのことを選んでくれてるのがすごくうれしい」とファンに感謝の気持ちを示す。そして1stシングルの表題曲「ねがいり」を丁寧に歌い、4人はステージを下りた。
アンコールでは「ボーイズENDガールズ」と「さっきはごめんね、ありがとう」の2曲が披露された。鳴り止まない拍手に応えて行われたダブルアンコールでは小泉がこの日初めて口を開き「なんかいいね。メンバーもお客さんもいる、この場所でドラムを叩くことができてすごく幸せ」と話す。最後に尾崎は「どんどん歳を重ねていって、お互いに進み続けて、またいろんなところで会いましょう」と観客にメッセージを送り、バンドは「二十九、三十」を演奏して初の日比谷野音での単独公演の幕を下ろした。
「一つじゃつまらないから、せめて二つくらいやろう」総集編 ~東京の中心で○○○を叫ぶ~
2015年5月16日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト
01. HE IS MINE
02. ウワノソラ
03. 大丈夫
04. 風にふかれて
05. ヒッカキキズ
06. 本当
07. グレーマンのせいにする
08. 傷つける
09. オレンジ
10. エロ
11. イノチミジカシコイセヨオトメ
12. 手と手
13. 憂、燦々
14. ラブホテル
15. 火まつり
16. かえるの唄
17. チロルとポルノ
18. 左耳
19. 愛の点滅
20. 百八円の恋
21. 社会の窓と同じ構成
22. 社会の窓
23. ねがいり
<アンコール>
24. ボーイズENDガールズ
25. さっきはごめんね、ありがとう
<ダブルアンコール>
26. 二十九、三十
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