先攻のPeople In The Boxは、アルバム「Wall, Window」やシングル「聖者たち」「Calm Society」といった昨年から今年にかけて発表した作品の収録曲を中心に披露。フロントマンの波多野裕文(Vo, G)は「今日はハルカトミユキのリリースパーティに呼ばれまして、とても光栄に思っています。ハルカトミユキは一度大阪でアコースティックセットで観たことがあるんですけど、さっきリハでバンドセットを観たらすごいカッコよかったんで楽しみです」とこの日の主役について語る。
中盤からは、波多野がイノセントな歌声を響かせる「数秒前の果物」、福井健太(B)による骨太なベースラインが印象的な「きみは考えを変えた」などが続いた。山口大吾(Dr)がエコーの効いたマイクでひょうきんなMCを展開し、場内が一旦和やかなムードに包まれたところで「旧市街」「聖者たち」「翻訳機」をストイックに畳みかけ、複雑なリズムの楽曲を確かな演奏力で表現してみせた。
ハルカトミユキのステージは「世界」のリリースパーティにふさわしく、冒頭から6曲、すべて同作の収録曲で構成。ハルカ(Vo, G)は「気に入らないヤツをぶん殴りに行くっていう歌」だという「tonight」や「自分の居場所がわからなくなって孤独を感じたときに見上げた空の色の歌」という「マゼンタ」など、曲に込めた意志を口にしながら1曲ずつ丁寧に届けていく。本編ラストには「みんなの声を聴かせてください」と呼びかけて代表曲の1つ「青い夜更け」を始め、相方のミユキ(Key, Cho)やサポートの佐藤亮(G)、イワイエイキチ(B)、中畑大樹(Dr)も含め感情に訴えかける熱いプレイで観客を魅了した。
アンコールでは、ミユキがデヴィッド・ボウイのお面をかぶって登場。彼女は「世界」が約1年ぶりのCDリリースとなったことにちなんで、この1年の心境の変化を話し出した。「1年の間いろいろしたんですけど、私の中で一番大きかったのは80'sの音楽と出会ったことなんですね。80年代の洋楽ポップスが好きだなと改めて思って、カッコつけるときを経て素直になって、今日はとにかく皆さんに楽しんでもらいたいという気持ちでライブをしました」と話し、晴れ晴れとした笑顔を浮かべる。これに呼応するように隣のハルカも「私はたぶんこれからも悩みながらですけど、ずっと突っ走っていこうと思いますのでよろしくお願いします」と決意を語った。
さらにハルカは「今年は毎月新曲を発表しますし、6月にワンマンライブもありますし、秋にはフルアルバムも」と精力的な活動をアピール。加えて夏からはメンバー2人だけでのアコースティックツアーを計画していることも明かし、ファンを喜ばせる。バンドはアンコールに応えて「マネキン」「Vanilla」を演奏し、最後までヒリヒリとした質感のパフォーマンスで観客を圧倒した。
なお、ハルカトミユキは6月19日に東京・LIQUIDROOM、6月25日に大阪・umeda AKASOで「世界」を引っさげたワンマンライブを行う。チケットはオフィシャルサイトにて5月6日まで先行受付中。
「ハルカトミユキ meets People In The Box」
2015年4月25日 LIQUIDROOM セットリスト
People In The Box
01. あなたのなかの忘れた海
02. おいでよ
03. 市民
04. 数秒前の果物
05. きみは考えを変えた
06. 物質的胎児
07. 旧市街
08. 聖者たち
09. 翻訳機
ハルカトミユキ
01. 世界
02. バッドエンドの続きを
03. tonight
04. マゼンタ
05. 君はまだ知らない
06. 嘘ツキ
07. 振り出しに戻る
08. ニュートンの林檎
09. 青い夜更け
<アンコール>
10. マネキン
11. Vanilla
ハルカトミユキ ワンマンライブ 2015 '世界'
2015年6月19日(金)東京都 LIQUIDROOM
2015年6月25日(木)大阪府 umeda AKASO
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- ハルカトミユキ
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いーぐる @take1971
うわっ、ハルミユの出番、後だったのか。。。 ハルカトミユキ、People In The Boxとリキッドで繰り広げた圧巻の“世界” - 音楽ナタリー http://t.co/9SOwkwBQ8Q