「UMIMOYASU」は「燃えるはずのない海を燃やすくらいありえないことがしたい」という思いから始まった企画で、記念すべき10回目の公演にはメンバーが敬愛する
MCでは2組の出会いのエピソードが語られ、佐藤全部(B)が「軽い気持ちでライブを観に行ったら、帰って来れなくなった」とフレデリックのとりこになったことを明かす。するといちろーはフレデリックの三原健司(Vo, G)との仲のよさをうかがわせるエピソードを披露。そして「健ちゃんからのリクエスト」という紹介でインディーズ時代のナンバー「ぽっかりsweet」をパフォーマンスした。あまりなじみのないナンバーに最初は戸惑っていた観客だが、メロディアスなサウンドにたちまち魅了され、曲が終わると大きな拍手をステージの5人に送った。その後、カランコロンは「夢かウツツか」をはじめ最新アルバム「UTUTU」からのナンバーを連発。ラストの「J-POPって素敵ね」では、いちろーとせんせいが歌詞の一部を変え「フレデリックって素敵ね」「『UMIMOYASU』って素敵ね」と歌い上げ、観客を巻き込んでのコール&レスポンスを繰り広げる。そしてハッピーな空気を残してフレデリックへとバトンを渡した。
フレデリックのステージは「東京の海を燃やしに来ました。フレデリックです。よろしく!」という三原健司の威勢のいい挨拶からスタート。三原康司(B, Vo)のコミカルなベースがインパクトを放つ「SPAM生活」、タイトル通りのディスコチューン「ディスコプール」の2連発で会場をダンスフロアに変えていく。三原健司が挑発的に熱唱する脇で三原康司と赤頭隆児(G)はお立ち台に上がって観客を盛り上げ、kaz.(Dr)はタイトなリズムでフロントの3人を支える。
三原康司が満面の笑みで「今日は楽しみまくって帰ってください!」と口にしたあとは、浮遊感のある「峠の幽霊」から中盤戦へ。ここではいなたいメロディと三原健司アンニュイな歌声がメランコリックな空気を醸し出す「セーターを脱がさないで」、イントロから観客を踊らせる威力を発揮した「DNAです」や「愛の迷惑」など5月6日にリリースされる新作ミニアルバム「OWARASE NIGHT」からの楽曲が次々とプレイされる。中でも「愛の迷惑」はハンドクラップやシンガロングが起き、早速オーディエンスに浸透している様子だった。本編の最後に届けられたのはキラーチューン「オドループ」。ミラーボールが回る中で4人は全身全霊のプレイで会場全体を揺らし、バンドの熱演に感化されるようにオーディエンスも両手を挙げながら踊った。
アンコールではフレデリックとカランコロンのトークコーナーが設けられ、2組の相思相愛ぶりが観客にアピールされる。また、今回のイベントの成功に一役買ったカランコロンの“多大なる功績”を讃え、フレデリックからカランコロンに「俺たち一生ズッ友だよ」と書かれた表彰状が贈られるサプライズも。2組の絆がさらに深まったところで記念撮影も行われ、アットホームな空気の中でトークコーナーは終了。カランコロンの面々が去ったあと、三原健司はバンドを代表して観客1人ひとりに感謝の思いを伝える。「今日はここに来てくれて、あなたの人生にフレデリックっていうバンドを参加させてくれてホンマにありがとうございました。1歩先にみんなと進んでいきたいと思います。本日はありがとうございました。始めるために終わらせないと。新曲やります!」と新曲「オワラセナイト」へつなげる。赤頭の軽快なギターのカッティングから始まった同曲は、本編で披露された新曲と同じくオーディエンスを惹き付け、シンガロングを呼び起こしていく。
ラストは三原健司の「またでっかくなって絶対帰ってきます!」という宣言で締めくくられた「UMIMOYASU vol.10」。フレデリックとカランコロンの相性のよさはもちろん、2組の勢いを十二分にうかがわせる一夜となった。
フレデリック presents UMIMOYASU vol.10special 東阪2マン編~カスタネットとタンタンタタンタタン~
2015年4月17日 渋谷CLUB QUATTRO フレデリックセットリスト
01. SPAM生活
02. ディスコプール
03. ふしだらフラミンゴ
04. バジルの宴
05. 峠の幽霊
06. うわさのケムリの女の子
07. セーターを脱がさないで
08. WARP
09. DNAです
10. 愛の迷惑
11. プロレスごっこのフラフープ
12. オドループ
<アンコール>
13. オワラセナイト
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