髭、新曲も届けた“素敵な闇”ツアー恵比寿で幕

髭が昨日2月1日、東京・LIQUIDROOMにてワンマンツアー「『素敵な闇』TOUR」の最終公演を行った。

約3カ月にわたるツアーの締めくくりとなったこの日、髭はこれまでに発表した作品から幅広く選曲したセットリストでライブを実施。サポートメンバーとして佐藤謙介（Dr / 踊ってばかりの国）、gomes（Key, G / FAB）を加えた6人編成で、ダブルアンコールを含む23曲をパフォーマンスした。途中には斉藤祐樹（G）とgomesのコーラスが印象的な「ネヴァーランド・クルージング」などの新曲も届け、最新のサウンドもアピールしてファンを引き込んでいく。2013年12月に會田茂一（G）、昨年2月に川崎“フィリポ”裕利（Dr, Per）が脱退したことを受けて制作したというミドルバラード「なんて素敵でいびつ」では、曲調と切なげな歌詞とが相まって会場がセンチメンタルなムードに包まれた。

本ツアーで初めてプレイすると前置きされた「君のあふれる音」では、須藤寿（Vo, G）が出だしの歌詞を間違えて演奏を止め「あ、ごめん。この曲やってなかったから（笑）。すぐ歌詞飛ばしちゃうんだよね！」と言い訳するという和やかな場面も。続く「虹」で彼はギターを下ろしてハンドマイクになると、ステージを自由に歩きながら手を振ったり笑顔を振りまいたりし、観客と楽しそうにコミュニケーションをとっていた。その後のメンバー紹介では「正規雇用と非正規雇用というか、髭には本物の髭と本物の髭じゃないのがいるの。本当に雇ってない奴から紹介していいかな？」という独特の語り口でサポートメンバーのgomesと佐藤の名を呼ぶ。gomesは「2015年は正社員になるべくがんばってまいります」とコメントし「初めて聞いた！ 髭に入りたかったんだ？」と須藤を驚かせた。

斉藤、宮川トモユキ（B）、佐藤“コテイスイ”康一（Per, Dr）が三者三様のゆるいトークで観客の笑いを誘ったのち、アメリカ国旗のイラスト入りヘルメットを装着したコテイスイが客席へダイブした「MR.アメリカ」からはアッパーチューンが畳み掛けられる。本編最後のMCでは須藤がこの日のステージに対する充実感をあらわにしつつ、ファンやスタッフへ深い感謝を示した。そして彼らは「闇をひとつまみ」でのゆったりとしたアンサンブルで会場を包み、満員のフロアからの温かい拍手と歓声を受けながらステージをあとにした。

アンコールではループするフレーズが浮遊感を生んだ新曲「ing」が披露される。須藤は「ing」を含む新曲群を現在レコーディング中であることを明かし、「しばらくしたらみんなにいい形で発表したいと思います」と話して観客の期待感を煽った。2005年発表の「王様はロバのいうとおり」をリアレンジした「王様のその後」では、王冠をかぶり赤いマントを羽織ったコテイスイが佐藤に代わってメインでドラムを演奏。オリジナルよりもテンポの上がった同曲で、須藤の強烈なシャウトが何度も響きわたった。退場してもなお止まない拍手に呼び戻されたバンドは、斉藤の「じゃあみんな、最後ぶっ飛ばして帰ろうぜ！」という熱い言葉から最後に「ギルティーは罪な奴」を投下。会場を大きく揺らし、大盛況のうちにツアーファイナルの幕を閉じた。

なお髭は2月13日に大阪・Music Club JANUS、3月13日に東京・WWWにて自主企画「CLUB JASON」を実施。両日とも深夜24:00よりオールナイトイベント「Party Mustache」が同会場にて行われる。チケットは各プレイガイドにて発売中。