バニラビーンズ、100%ホームのLIQUIDROOMで歌とトークの2時間半

バニラビーンズが昨日12月18日、東京・LIQUIDROOMにてワンマンライブを開催した。

さまざまなイベントへの出演や、対バン形式による自主企画「風は吹くのか!?」など精力的にライブ活動を行ってきたバニラビーンズだが、ワンマンライブを行ったのは2012年6月の「北欧の風Vol.4」以来。開演時間の19:00を少し過ぎた頃、「アメイジング・グレイス」のギターソロ演奏に続いて満員のフロアの前に登場したバニビの2人は、ピチカート・ファイヴのカバー「東京は夜の七時」でライブをスタートさせた。ファンで埋め尽くされたLIQUIDROOMのフロアを見渡しながら「すごい！」「大変ー！」と大興奮の2人。レナは「いつもは『短い間ですが楽しんでいってください』と言いますが、今日は『長い間』です」と約2年半ぶりのワンマンの喜びを噛み締め「外は寒いですけど、熱いLIQUIDROOMにしましょう」と会場のファンに呼びかけた。

メドレーを含む5曲を立て続けに歌った2人は、ここでゲストの東京女子流を呼び込む。互いのアルバムにフィーチャリングゲストとして参加するなど、レーベルの垣根を越えた交流を続けているバニビと東京女子流。この日のステージではそれぞれのフィーチャリング楽曲を7人でパフォーマンスした。東京女子流がバニビのワンマンに華を添えたあとは、さらなるゲスト・Supbeans（シュープビーンズ）の3人がステージへ。Supbeansは今年4月にリリースされたシングル「ワタシ…不幸グセ」の発売記念イベントに登場した黒人バックコーラス隊で、ひさびさの再会を果たした2組はおよそ8カ月ぶりに「ワタシ…不幸グセ」でコラボレーションした。

このあとの後半戦は、対バン企画「風は吹くのか!?」でバックを務めた“バニバンド”を迎えた生演奏のパフォーマンスを展開。衣装を着替えて再登場したバニビはまず、バニバンドのハードな演奏に乗せてMGMTのカバー「KIDS」をクールに歌い上げる。続けて「Night on the Earth」「ノンセクション」「恋のスナイパー007」「サブカルガールまどか」と5曲が一気に畳み掛けられると、場内はロックバンドのライブさながらの盛り上がりを見せた。MCではバニビだけを観に来た100%ホームの空気に、ついつい話が長くなってしまうレナとリサ。観客とのゆるやかなやりとりなどを楽しみつつ20分以上にわたってトークを続けた2人は、ステージ袖のスタッフから無言の圧を感じたところでライブへと戻る。「きっといい場所（フチ）」「D&D」「チョコミントフレーバータイム」など新旧織り交ぜたナンバーを披露し、最後は最新シングル「有頂天ガール」でフィニッシュを迎えた。

アンコールではレナ＆リサから会場のファンに向けうれしい発表が。現在制作中だったアルバム「バニラビーンズIV」の発売日が2月3日に決定したことを2人が報告すると、場内は大歓声と拍手に包まれた。なお2人がアンコールで着用していた当日の物販Tシャツに描かれていたイラストは、実はこのアルバムのジャケットに使用されるもの。前作「バニラビーンズIII」からおよそ2年ぶりのフルアルバムとなる今作には、既発のシングル曲に加え、Belle & Sebastian「Funny Little Frog」のカバーなど合計12曲が収録される。

来年には結成9年目に突入するバニラビーンズ。リサが「来年こそはブレイクしないと。恩返ししたい人がいっぱいいるから」と来年に向けての思いを語ると、レナは「私たちは『有頂天ガール』に力を借りて、前に進んでいくんじゃないか、上に進んでいくんじゃないかと思っております」と宣言し、2人で「皆さんこれからもよろしくお願いします！」と呼びかけた。そして最後は、レナとリサの2人体制になって最初のシングルとして2008年にシングルリリースされた代表曲「ニコラ」を歌い、およそ2時間半におよんだワンマンのステージを締めくくった。なおニューアルバム「バニラビーンズIV」の初回限定盤にはこのLIQUIDROOMワンマンの模様を収めたDVDが同梱されるので、ファンは楽しみにしておこう。