メジャー市場に挑み続けるバンドマン7人が“マーケティング”語る本

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明日12月10日に発売される書籍「『メジャー』を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち」に、OverTheDogsの恒吉豊、AJISAIの松本俊、THE BOHEMIANSの平田ぱんだ、cinema staffの辻友貴、Applicat Spectraのナカノシンイチ、Anyの工藤成永、秀吉の柿澤秀吉へのインタビューが掲載される。

「『メジャー』を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち」表紙

「『メジャー』を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち」表紙

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「『メジャー』を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち」は、エンタメ業界のメジャー市場で闘い続けるクリエイターたちが実践している“マーケティング”に迫った書籍。調査会社などとは異なったアプローチで彼らが行っている“マーケティング”について、数々のベストセラーを持つ編集者の堀田純司が徹底取材する。

本書にはバンドマンのほか、「ソラニン」「おやすみプンプン」の浅野いにお、「メイちゃんの執事」の宮城理子、「アオハライド」の咲坂伊緒といったマンガ家や、「コードギアス 反逆のルルーシュ」を手がけたアニメ監督・演出家の谷口悟朗、「狼と香辛料」「マグダラで眠れ」で知られる小説家の支倉凍砂へのインタビューも掲載。国民的ヒットの不在と言われる現代において、メジャー市場に挑み続けるプロが時代をどう見ているのかが語られる。

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堀田純司「『メジャー』を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち」内容

プロローグ メジャーに挑み続ける。メジャーであり続ける

現代で注目を集めるエピソードは「自己承認の欲求」動機で読み解けるのではないか?

第1章 言葉があふれ、言葉に意味がなくなっている――「OverTheDogs」恒吉豊に聞く

欠乏の社会から過剰の社会への転換。しかし、「理屈で片付けようとしているわりには、何も整理されていない時代」ではないだろうか。メジャーとインディーズの境目が曖昧になった業界で考える。

第2章 人間の孤独感は変化している――「AJISAI」松本俊に聞く

友だち、恋人、家族の中にいてさえ感じるほどの孤独感。その感覚を、なぜ若年世代は有するのか?

第3章 生まれるなら、いつの時代がよかったか――「The Bohemians」平田ぱんだに聞く

「“売れる“ってこと自体が90年代の現象」。疑似黄金時代は目標か、懐古か、憎悪の対象なのか?

第4章 「理想」の世の中ではモラルだけが昂ぶっている――漫画家・浅野いにおに聞く

浅野いにおは「なにかになることを拒否している人」だ。表現者はどう“ネット上の反応”に向き合っていくべきなのか?

第5章 半径三メートルの楽園の「外」を見せる――漫画家・宮城理子に聞く

どんどん拡がっている「僕と君」だけの世界。しかし、それに応えるだけでは縮小再生産だ。閉じこもるのではなく、ジャンルそのものの可能性を拓げる漫画家のプロ意識とは?

第6章 本当のところ大人社会は、実は大人ではない――漫画家・咲坂伊緒に聞く

大人向け、子供向け。その区分すら崩壊しているのではないか?では、そもそも現代の大人とは何か?少年少女から大人まで読者とする漫画家の視点とは?

第7章 反発から継承へテーマは変わった――「cinema staff」辻友貴に聞く

現代のテーマは「継承」へと変化している。上の世代と下の世代をうまくつなぎ、力を引き出し、「中間層」をふたたび作り出そうとしているレコード会社。その時代観、戦略とは何か?

第8章 デジタルとアナログが並列する中を描く――「Applicat Spectra」ナカノシンイチに聞く

デジタル時代に生まれたクリエイターに、世界はどう見えているのか? それを自分とは感覚が違う人にもどう届けようとしているのか?

第9章 自己承認という「病」に向き合う――「Any」工藤成永に聞く

現代人に共通して見られる欲望、自己承認。演者も受け手も同じ病に陥っているなかでのアーティストの視角とは?

第10章 中二病を研究する――小説家・支倉凍砂に聞く

すっかり市民権を得た中二病。自己承認欲求の一つの現れ方だが、世界のほうに動いてもらうしか解決できないという思考法は、どのように生まれたか。自身もかかり、かかっている者にも作品を届ける作家の分析とは?

第11章 人間とはかくも承認されたい生き物である――演出家・谷口悟朗に聞く

若い世代とイコールだった感覚は「根拠のない自信だった」。このようにいう、大ヒットアニメ「コードギアス」の監督が捉えた、自己承認の時代感覚と物語作りとは?

終章 極端を排す

気がつくと目標は幻想でしかなかった現代。時代を泳ぎ抜くには「信念の強さ」ではなくバランス感覚が必要だ。

エピローグ ある音楽家の肖像――「秀吉」柿澤秀吉に聞く

エンタメは“心にしか届かない商売”。大多数の心に届ける。価値観が多様化した世で、何と途方に暮れる商売か。しかし、オタク市場のようなセグメントされたものはタコツボ化し、緩やかに死んでいく。「メジャー」市場を、“これを届けたい”という作品で創りだしていく。その営為が、市場を常に豊かなものにしていき、多くの者を養い、また惹きつけるのではないか。愚痴も毒も吐くが諦観には至らず。一人のミュージシャンの歌から、“心に届ける”行為を考える。

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