EVISBEATS、田我流＆前田和彦らと初の“完成版”「ゆれる」披露

EVISBEATSが11月29日に東京・WWWでワンマンライブ「EVISBEATSとPUNCH & MIGHTY珍遊記 ～ゆかいな仲間たち～」を開催した。

WWWの4周年記念イベントの一環として実施されたこのライブは、EVISBEATSにとって初のソロワンマンライブ。西遊記を思わせる告知ポスターや、会場全体にフォークロア調の装飾が施されるなど、細部にまでこだわったコンセプチュアルな公演となった。

ゴダイゴ「モンキー・マジック」がBGMとして流れる中EVISBEATSがPUNCH & MIGHTYとともにステージに現れると、超満員の会場から大きな声援が上がる。EVISBEATSの「『珍遊記』始めるぜ」というかけ声からライブはスタートした。前半はヒップホップ、ブラジリアン、レゲエなど世界中のさまざまなビートをブレンドした「Do the Hip Hop」「八百万」「フェリチタ」「N.Y N.Y」「シャンティシャンティ」といったナンバーが届けられる。曲間のMCでは「人の前で歌うのもホンマは苦手」と話し、彼の素朴な人となりを感じさせた。

中盤にはEVISBEATSが客演アーティストたちにマイクを渡すコーナーが。まず登場したのは三味線もこなすラッパーのITTO。続いておなじみ田我流も登場し、それぞれのナンバーを歌唱した。PUNCH & MIGHTYオリジナルのインストナンバーを挟んで、EVISBEATSがステージに再び登場。シタール奏者のヨシダダイキチ、タブラ奏者のきゅうりたちが演奏に加わり、オリエンタルな旋律をWWWに響かせた。さらにライブでやるのは2回目という「AGAIN feat. Chiyori」を届け、ゲストシンガーのChiyoriと入れ替わる形でピアニストの前田和彦が登場する。

前田はEVISBEATSとともにさまざまな楽曲を制作した人物。EVISBEATSの「芦屋のモーツァルト」という紹介に照れ笑いをしながら、彼はステージ中央に据えられたグランドピアノをおもむろに弾き始めた。そして美しいピアノソロから「いい時間」が届けられる。さらにEVISBEATSの代表曲である「ゆれる」が前田、PUNCH & MIGHTY、EVISBEATSの3組で演奏された。EVISBEATSが1ヴァース歌ったところで演奏を止め「僕が聴きたいのはこんな『ゆれる』じゃない！ もっとアツい男のラップが聴きたいんです！」と田我流を再びステージに呼び込んだ。

そして田我流は自身の代表曲にもなったこの曲の誕生秘話をオーディエンスに話し出した。「（この歌詞は）金も仕事も何もなかったとき、1枚のレコードを聴きながら、半年くらいかけて、何度も何度も書き直してようやくできた、俺の全身全霊が込められたものなんです」「別件でたまたまエビスさんのスタジオに行ったとき、前田さんと作った曲を歌いこなせる人がいないという話を聞いて。それで俺が書いたその歌詞に合わせてみたら偶然ハマったんですよ」「長い道のりだったけど、このときのためにできた曲だったような気がしますね」と語り、EVISBEATS、田我流、前田、PUNCH & MIGHTYで“完成版”「ゆれる」をプレイした。

この日のピースフルなステージを締めくくったのは、現在制作中のアルバムに収録されるという「お家へ帰ろう」。演奏前に観客と一緒に練習したサビを、会場にいる全員と合唱し、EVISBEATSは初のワンマンライブを大盛況のうちに終えた。