1時間ノンストップ！RIP SLYMEライブで怒涛のシングル21曲メドレー

RIP SLYMEが東名阪ライブ「RIP SLYME "SINGLE JUKE BOX"」の最終公演を、12月4日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにて行った。

このライブは、4月に発売されたシングルボックス作品「20th ANNIVERSARY COMPLETE SINGLE BOX」を携えて、シングル曲を中心に披露するというコンセプトで実施。メジャーデビューシングル「STEPPER'S DELIGHT」でメンバーが登場すると同時に、リップがこれまで発表したほぼすべてのシングル表題曲21曲を約1時間ノンストップで送るという怒涛のメドレーが始まった。

メドレーの中には「JOINT」「One」「楽園ベイベー」「熱帯夜」などフェスでもおなじみの定番曲に加え、「監督とみんなに捧げます」と前置きした、2011年に逝去した森田芳光監督との思い出の曲「Hey,Brother」、2006年に“リップスライムとくるり”名義で発表したコラボ曲「ラヴぃ」といったひさびさに披露するものも。FUMIYAが巧みなミックスやスクラッチでそれらの曲をつないだ。また、13曲目の「ラヴぃ」と「GALAXY」の間のブリッジでは、カツラをかぶったSUが突然シャ乱Q「いいわけ」をモノマネしながら熱唱。次にステージ上で縄跳びを始め、予測のつかない自由奔放なライブスタイルで爆笑を巻き起こした。

最新作「SLY」でシングルメドレーを締めくくり、ひと息つく場内。RYO-Zは「ライブが始まって1時間以上、皆さん踊りっぱなしです。みんな愛してるぜ！」と観客を褒め称え、「RIP SLYMEのライブに初めて来たって人、いつもこうじゃないですからね！」と添える。「意識もうろうとしてます」というPESは「我々、今年何も（新作を）出してないので、5公演が決まって何しようかとなったとき、こういうことはしたことないのでやってみようかと……言ったはいいけどこんなに疲労が襲ってくるとは」とシングルメドレーに踏み切った経緯を説明。SUは「みんなの声とか汚い笑顔に助けられてできました（笑）」と振り返った。

次のパートでは「シングルやっちゃったので、次のシングルの候補を」と未発表の新曲を2曲パフォーマンス。尻軽な女性を題材にした、キュートな振り付きの「POPCORN NANCY」と、RYO-Z曰く「大人な、しゃれた、自分だけの高まりを歌った」メロウチューン「FEEL」を初披露した。

続いては、これまで発表した配信シングルを立て続けに送る。「Tales」「I.N.G」「RUN with…」「SCAR」といった人気の高いナンバーの連続に、曲が鳴り出すたびに大きな歓声が上がる。このライブでは映像や特効を含め凝った演出を入れず、終始メンバー同士がじゃれ合いながらラップするというシンプルなステージが築かれていった。本編のラストスパートではRYO-Zが「今日は皆さんにとっていい日ですか!? 俺たちにとってももちろんいい日だし、今この瞬間が最高です！ ありがとう！」と呼びかけて「Good Day adidas original remix by DJ FUMIYA」「Good Times」と屈指のアッパーチューンを投下した。

アンコールでは、「シングルはすべてやったので、もうインディーズの曲から」と「UNDERLINE NO.5」をパフォーマンス。ライブではさまざまなリミックスが生まれているこの曲だが、今回はディスコ調のトラックに乗せて披露された。最後のMCでは、今年グループの母体結成から20年を迎えたこと触れ、RYO-Zが「ずっと5人だけでやってきたわけではありません。インディーズのときも、そして現在に至るまでもたくさんの人のサポートがあります。メンバーを代表して、スタッフの皆さん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」とコメント。同時にILMARI、PES、SU、FUMIYAも深く頭を下げ、スタッフへの感謝を伝えた。

「名残惜しいんで、もう1曲いいですか？」と始まったのは、ラスト恒例の「マタ逢ウ日マデ」。新たな挑戦とこれまでの感謝を表した「SINGLE JUKE BOX」は、メンバー5人と観客の晴れやかな笑顔で幕を閉じた。