11月29日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで
11月5日に5年半ぶりのオリジナルアルバム「日出処」をリリースしファンを喜ばせた椎名。「林檎博'14 -年女の逆襲-」は11月から12月にかけて埼玉、大阪、福岡で実施されている公演で、初日のさいたまスーパーアリーナにはツアーのスタートを見届けようと多くのファンが詰めかけた。
ライブは1曲目の演奏にあわせてステージ中央のスクリーンに出演ミュージシャンを紹介する映像が映し出されるという演出で幕開け。本ツアーには “Starring”としてクレジットされた椎名を筆頭に、鳥越啓介(B)、みどりん(Dr)、ヒイズミマサユ機(Key)、佐藤芳明(Accordion)、浮雲(G, Vo)、竹内朋康(G)、斎藤ネコ(Conductor, Violin)といったそうそうたるメンバーが “The Mighty Galactic Empire”として出演することが明かされる。さらにThe Mighty Galactic Empireは上記の面々にとどまらず、バイオリン、ビオラ、チェロ、ハープで構成された弦楽器隊やトランペット、トロンボーン、サックスから成る管楽器隊、パーカッショニスト、さらにダンサーのAya、Bambiが加わる豪勢な布陣であることがここで発表された。楽曲の途中で映像が終わり会場の全貌が露わになると、上階に弦楽器隊や管楽器隊が配置される2階構成のステージや、5面のLEDスクリーンなど大掛かりなセットがお目見えし観客を圧倒。そんな中、羽根と骨の帽子を被った椎名が花道から現れ、「逆襲」の始まりをド派手に盛り上げる。
この公演で椎名は「日出処」収録曲を軸にしながら、新旧の楽曲を披露していった。現在もツアー中につきセットリストの掲載は避けるが、初日公演はアンコールを含め全27曲が演奏され、ライブはLEDスクリーンに投影された映像とリンクするように進行。ストリングスやホーンセクションを導入した編成ならではのダイナミックなアレンジによってロック、ジャズ、歌謡などバラエティ豊かな椎名の楽曲が生々しく奏でられていく。そこに映像やダンスパフォーマンスなどビジュアル的な演出を融合させることで大きな“エンタテインメントショー”とでも言えそうな世界観が生み出されていった。本編でMCが挟まれることはなく、観客は心地よい緊張感の中、椎名が作り出すショーの世界に没頭していた。
また今回は、コンセプチュアルな衣装も大きな見所に。椎名はグリーンのジョーゼットのワンピースや紅白のコントラストが鮮やかな立ち襟のロングコートなどさまざまなスタイルでファンの目を楽しませていく。中でもアダルトな雰囲気を醸すナンバーが連投されたブロックではゴールドのスパンコールがあしらわれたセクシーなドレスに着替え、さらにペガサスのような羽を背中につけてパフォーマンス。電飾と映像で作られた鮮やかな“キャバレー”で艶やかに歌唱する彼女の姿に、多くの観客が魅了された。
本編終盤では椎名がトラメガ片手に花道でオーディエンスを煽り、この日一番の盛り上がりを生み出す。そしてアンコール1曲目が終了したあと、「ようこそ『林檎博』へ」「お話しもせんとやってしまいました(笑)……だって、どんどんどんどん致したくなってしまうような皆様だったんですもの」とこの日最初で最後のMCで会場を和ませた。アンコールが終わり椎名がステージから去ったあとスクリーンには懐かしのナンバーをBGMにエンドロールが投影され、来場者は終演後もしばらく豪華なショーの余韻に浸っていた。
本ツアーは12月21日の福岡・マリンメッセ福岡まで続く。ツアー終了後、椎名は12月26日(金)にテレビ朝日系「ミュージックステーション スーパーライブ2014」、31日(水)にNHK「第65回NHK紅白歌合戦」に出演することが決定している。
関連商品
リンク
- 椎名林檎 - UNIVERSAL MUSIC JAPAN
- SR 猫柳本線
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
吉田光雄 @WORLDJAPAN
「たまアリ、さおなし」感。 RT @natalie_mu 椎名林檎たまアリで「逆襲」スタート、MCなしで27曲 http://t.co/QdR99poIVJ