チェコ、思い出の地・赤坂で終えた“宇宙の旅”

Czecho No Republicのライブツアー「MANTLE TOUR ～2014年宇宙の旅～」の最終公演が、昨日10月10日に東京・赤坂BLITZで行われた。

7月にメジャー2ndアルバム「MANTLE」をリリースし、8月から約3カ月にわたり全国各地を巡ってきたCzecho No Republic。ツアーファイナルとなった赤坂BLITZの会場内はカラフルな花形の装飾物やたくさんの風船で彩られ、ピースフルな雰囲気を演出していた。

軽い足取りで現れたメンバーは、ファンファーレを思わせる音色を高らかに響かせてライブのオープニングを飾り、そのまま「Amazing Parade」を1曲目として披露。躍動感のあるサウンドにつられてオーディエンスがいっせいに手を挙げ、フロアはすぐさま掲げられた拳でいっぱいに。武井優心（Vo, B）はときおりシャウトしてこのライブにかける情熱を垣間見せる。5人は楽しそうな笑顔を見せる観客に向かって「Call Her」「Crazy Crazy Love」とアップテンポな2曲を続け、場内を温めてから元気よく挨拶した。

その後はタカハシマイ（Cho, Syn, G, Per）がかわいらしく歌う「Field Poppy」、八木類（G, Cho, Syn）のハイテンションな歌声が愉快な「JOB!」と、アルバムのスパイスとなっている楽曲が届けられる。「JOB!」では演奏前に「ちょっと叫ばせていただいてよろしいでしょうか」と張り切った八木がハンドマイクでステージを横断し、フロアに向かって倒れこむ場面もあった。「幽霊船」「Festival」で生み出された楽しげなムードは、続く「Clap Your Hands」で一変。硬質な印象のテクノポップがフロアをクールダウンさせる。メインボーカルをとるタカハシが切なさをはらんだ歌声を聴かせた「Hello, My Friend Sophie」、山崎正太郎（Dr, Cho）の大陸的なビートが光った「Maridabu」を経たMCでは、武井が「人とは共通点が多ければ多いほど仲良くなれる」という持論を展開。集まったファンへ、この日のライブがいつか仲良くなるきっかけになればと思いを口にした。

後半戦は砂川一黄（G, Cho）の「いくぜ赤坂ー！」という大きな掛け声から「ネバーランド」でスタート。武井が「この5人じゃ足りないんで、ここにいる全員で歌ってこの曲を完成させてください！」と呼びかけた「ダイナソー」では、会場中が一体となってシンガロングを響かせた。「Melody」のあと彼は「俺らのCDを聴いてくれて、こうやってライブに来てくれて楽しそうにしてるのを見れて本当によかったです」と感謝の意を伝える。本編ラストの「Changing My Life」では八木、タカハシ、砂川の投げ込んだ風船がフロアを舞い、華やかな光景を作り出した。

アンコールでは砂川が1人登場し、新曲「Oh Yeah!!!!!!!」がフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマとしてオンエアされていることを受けて「ドラゴンボール」の名シーンを再現する。彼は渾身の力で「クリリンのことかー!!」とエコー付きで絶叫するも、あとから現れた武井に「よくそのクオリティでやろうと思ったね（笑）」と一蹴されていた。そして5人がそろうと開放感あふれる「Oh Yeah!!!!!!!」をプレイ。さらに「ショートバケーション」を贈り、大きな拍手を浴びながらその場を去った。しかしさらなるアンコールを求める拍手に応え、今度は山崎が1人ステージに姿を見せる。フロントに立った山崎は「ここ景色がすごくいいね。ボーカルやっちゃいたくなっちゃうね」と言いつつ、先ほどの武井の話に触れ「俺メンバーだけど、超チェコのこと好きなんですよ。だからみんなと俺にすでに共通点がある」とバンドへの愛情をあらわにした。ほかのメンバーもスタンバイを進めている間、武井は「（バンドが）3人になったときに今後どうしようって話し合いしたの、赤坂だったよね」と3年前を回想。さらに「ピンチをチャンスに変えてこう、メンバー増やしちゃおうぜって話をして、そのあとBLITZでオウガ（OGRE YOU ASSHOLE）観に行ったらこの人がいたの」とタカハシとの縁を明かした。そしてバンドはタカハシ、砂川が参加して初のシングル曲「アイボリー」を最後に演奏し、ツアーの幕を下ろした。

※記事初出時、事実と異なる表記がありました。訂正してお詫びいたします。