Aimer、緩急自在のステージ魅せた初ワンマン

9月5日、Aimerがライブ「Midnight Sun」を東京・品川ステラボールで開催した。

「Midnight Sun」は6月にリリースされたAimerのアルバムタイトルにして、初めてのワンマンライブツアー名。その最終公演の会場となったステラボールには超満員の観客が訪れた。

ドラマー、ベーシスト、キーボーディスト、そして2人のギタリストとともに、白のワンピース姿でステージに現れたAimerはアルバム「Midnight Sun」の1曲目「When you wish upon a star」、「星に願いを」のカバーバージョンをピアノ1本をバックに静かに歌い出す。以降彼女は「Midnight Sun」収録の「7月の翼」、2011年の2枚目のシングル「Re:pray」など、シリアスながらもどこか優しげな新旧ミディアムチューンでライブ前半のセットリストを構成した。

続くMCで「実は私、MCが得意じゃないんですね」と苦笑いを浮かべたAimerだが、その直後には「少し力強い曲を歌っていきたいと思っているのですが」と、9月発売のシングル「誰か、海を。」のカップリング「白昼夢」や、アニメ「機動戦士ガンダムUC」シリーズの主題歌となる2曲「RE: I AM」「StarRingChild」などを立て続けにドロップ。「RE: I AM」で真紅のライトの光がステージに降り注ぐ中、文字通りの“熱唱”を繰り広げ、さらに熱を帯びた歌声を響かせた「StarRingChild」ではアウトロのギターソロを背に一旦舞台袖に。背中の大きく空いた白のドレス姿で、セッションを繰り広げるバンドの待つステージへと舞い戻る。

そのドレス姿で、夜の訪れを告げるポエトリーリーディング曲「After Dark」と、北極星を頼りに旅する“僕”を歌う「ポラリス」、友人にして尊敬するアーティスト・阿部真央作詞作曲の「words」と、2013年のアルバム「After Dark」の前半トラックリストをなぞったAimerは、ライブ後半戦の始まりを飾る2曲にダンスチューンをセレクト。客席からハンドクラップが鳴り響く中、連作的位置付けの2曲「AM02:00」「AM03:00」を軽やかに歌い上げた。そして「この時間が特別な時間になりました」「皆さんにとっても今夜のこの時間が夜を照らす光のようなものであってくれればうれしいです」と、ここまでときに息を呑み、ときに大きな歓声をあげ、彼女の姿を見守ってきた観客に挨拶をし「あなたに出会わなければ」「星の消えた夜に」を歌うと、「ありがとうございました」と改めて短く感謝の言葉を述べてステージをあとにした。

それでも鳴り止まない拍手に応え、アンコールのステージに登場した彼女は、どこかコミカルな電子音と軽やかなギターフレーズが耳に心地よい「After Rain」、アルバム「Midnight Sun」の実質的なラストナンバーであるバラード「Iris」を披露する。そしてバンドメンバーを1人ひとり紹介しながら送り出し、キーボーディストと2人残ったステージで12月のニューシングルのリリースと、2015年初頭のツアーの開催を発表。万雷の拍手を受けながら「今日が1つの始まりです」「これからも皆さんの出会う優しさや悲しさに寄り添っていきたい」と語り、「ずっと大切にしたい始まりの曲」というデビューナンバー「六等星の夜」をピアノをバックに優しく歌い、この日のステージと、初のワンマンライブツアーを締めくくった。