今回のツアーは8月16日の大阪・大阪市中央体育館を皮切りに、全国5都市で計9公演を実施。ツアーファイナルを迎える明治神宮野球場公演には、乃木坂46の単独ライブでは過去最多となる約3万人ものファンが駆けつけた。
ライブ当日は前夜まで降り続いた雨もやみ、快晴に恵まれた。星野みなみ、若月佑美、高山一実による朗らかな影アナを経て、BOOM BOOM SATELLITESによる新たな「OVERTURE」(ライブオープニング曲)が会場中に爆音で鳴り響くと、客席のボルテージも一気に加速。そしてステージ上にメンバーが登場し、最新シングル「夏のFree&Easy」から勢いよくライブはスタートした。選抜メンバーはアリーナに十字形に設置されたランウェイを、縦横無尽に走り回り、曲間では生駒里奈が「晴れたねーっ! 思いっきり楽しんでいって!」と笑顔でファンに声をかける。1曲歌い終えると、西野七瀬は「皆さん、まだまだ声出ますよね?」と観客を煽り、続く2曲目「ロマンスのスタート」ではアンダーメンバー、研究生が勢ぞろい。さらに「会いたかったかもしれない」「ロマンティックいか焼き」といったアップチューンで会場の空気が加熱し、「ガールズルール」でこの日最初のピークを迎えた。
最初のMCでは、白石麻衣が「ついに乃木坂46、神宮球場にやって来ました!」と挨拶。続けて桜井玲香は「『真夏の全国ツアー2014』、ついにラストですよ! 今日はななみん(橋本奈々未)が体調不良、(松井)玲奈さんがAKB48さんの握手会で、メンバー全員そろうことができませんでした。特にななみんのファンの方もたくさん集まってると思うので、ななみんの分も全力でがんばります!」と、この日ライブを欠席したメンバーやそのファンに対する気遣いを見せた。
また今回のツアーではライブ冒頭から映像を使ったさまざまな演出を用意。今回のツアーには不参加の生田絵梨花が謎の組織に拉致され、生田を無事助け出さないと10月8日に予定されている10thシングル発売が阻止されるという展開で、乃木坂46のメンバーやファンを生田救出劇に巻き込んでいった。ここでは生田不在をいいことに、高山が「代わりに私が10thシングルのセンターになります。グループ名も『高山46』に変わります」と暴走。さらに明治神宮野球場にちなんで、持ちネタの「アメイジング」を「アメイ“神宮”」に変えるなど、観客の笑いを誘った。さらに深川麻衣も「いくちゃん(生田)が帰ってくるように、みんなで祈りましょう」とステージ中央でお祈りを始めるなど、かなり自由な雰囲気の中MCは進行していった。
ひとしきりトークで盛り上がったあと、ライブは再開。しっとりとした「何もできずにそばにいる」、アンダーメンバーによる元気な「生まれたままで」に続いてスローナンバー「ここじゃないどこか」が始まると、ステージには生駒と星野が登場する。生駒、星野、生田の3人が歌うこの曲が始まったことで、観客は「ついに生田が戻ってくるのでは?」と期待するも、ステージ後方から現れたのはまさかの高山。彼女が姿を見せた瞬間に会場からは笑いが沸き起こり、曲間で高山が「いくちゃんが出てくると思ってた皆さん、ごめんなさい」と謝るとさらに大きな笑い声と拍手が会場を包んだ。そして「失いたくないから」の曲間では桜井が「乃木坂46はつい先日、結成3周年を迎えました。今言いたいのは、こんなにたくさんの人が集まってくれたことがうれしいです。これからもよろしくお願いします!」と、ファンに感謝の言葉を送った。
2度目のMCで会場が和やかな雰囲気になったところで、スクリーンには謎の組織に捕われた生田の姿が映し出される。いよいよメンバーと謎の組織との最終決戦に突入し、乃木坂46のメンバーに対して「サインボール1000」という課題が与えられた。これはメンバーが手分けして、用意された1000個のカラーボールにその場でサインをし、客席に投げていくというもの。音楽が流れている間に完了させれば、ミッションクリアとなる。ステージやランウェイに散ったメンバーは自分たちの楽曲「人間という楽器」に乗せて、サインを入れたカラーボールを次々に客席に向けて投げていった。しかし音楽が鳴り止んでも、手持ちのカラーボールが減らないメンバーが数名いたため、機転を利かせたほかのメンバーが勝手に「人間という楽器」を歌い始める。そして最後の1人が無事カラーボールを投げきり、なんとかミッションを完遂した。ついに打ち負かされた謎の組織は生田を解放。生田はヘリコプターに乗って「神宮球場までお願いします!」と言ったところで、映像は終了した。
生田がライブ会場に向かっていることがわかると、桜井は「いくちゃんの分まで盛り上がって(到着を)待ちましょう!」と観客を煽る。そこから「人はなぜ走るのか?」「せっかちなかたつむり」でひとしきり盛り上がると、会場上空に向かってヘリコプターが飛んできた。メンバーが「いくちゃん?」と呼びかけると、会場内には「今、上空にいます。今から行くからちょっと待っててーっ!」という生田の声が響きわたる。そして「左胸の勇気」のパフォーマンスが終わると、会場内に従来の慣れ親しんだ「OVERTURE」が流れ始めた。ここで観客のボルテージは一気に加速。「OVERTURE」の終了と同時に、10月発売の新曲「何度目の青空か?」に突入し、ステージ後方からは白い新衣装を身にまとった生田が姿を現す。すると会場はひときわ大きな歓声に包まれた。生田のソロに続いて10thシングル選抜メンバーが1人、また1人とステージに登場。そのままアリーナ中央のミニステージで華麗なパフォーマンスを見せ、観客を魅了した。
新曲を歌い終えると、生田は改めて「ただいま、無事に戻ってくることができました!」とファンに挨拶。すると生駒の音頭でメンバー、ファンが一斉に「いくちゃん、おかえり!」と生田の帰還を歓迎した。そして生田は「私は今回、センターをやらせていただくことになったんですけど、前作の活動をお休みしていたから皆さんがどう思っているのか、ステージに出る前まで不安で……」と、今日までの気持ちを吐露。続けて「でも今は皆さんの温かさを感じています。私は皆さんとメンバーの優しさに応えられるよう、がんばっていかなくちゃって思いました。まだセンターとしては何もできてないし、もっともっとがんばらなくちゃって気持ちもあるし……これからも精一杯、みんなと歩いていきたいです」と、瞳を潤ませながらファンやメンバーに感謝の気持ちを伝えた。
ここからはライブに生田も加わり進行。まずは生田によるドイツ語の曲紹介から「ダンケシェーン」に突入。生田をはじめとする選抜メンバーはステージ両サイドに用意されたゴンドラに乗って、アリーナ外周を移動しながらスタンド席の観客に手を振る。また「心の薬」では生田のピアノ伴奏に合わせてメンバーが合唱するなど、これまでの生田の不在を払拭するようなステージが展開された。続いてアンダーメンバーが「13日の金曜日」「扇風機」で会場の一体感を高めると、今度は「その先の出口」「無口なライオン」などのユニット曲が立て続けに披露された。中でも「でこぴん」では橋本の代わりに秋元真夏が加わり、浴衣を着たほかのメンバーとともにランウェイを歩きながら歌唱した。
さらにライブ後半では今ツアーの見せ場の1つである、メンバーの動きと映像がリンクしたパフォーマンスも披露。白石や松村沙友理による殺陣をフィーチャーしたこのパフォーマンスでクールな一面を打ち出すと、そこから「世界で一番 孤独なLover」「制服のマネキン」とダンサブルな楽曲を連発した。松村、若月、高山によるMC&観客とのウェーブを経て、アンダーメンバーによる「ここにいる理由」に突入。会場上空をレーザー光線が飛び交う大会場ならではの雰囲気の中、アンダーメンバーは選抜メンバーにも負けない圧倒的なパフォーマンスで会場のファンを魅了した。そして「バレッタ」「走れ!Bicycle」「おいでシャンプー」といったヒットシングルを連発し、ついにライブ本編もクライマックスに。ここでは西野が「ここまであっという間。ライブができていることに感謝しなくちゃと思いました。まだまだ未熟なところも多いけど、皆さんが応援してくれることで救われることもあって、ありがたいなと思います」と、観客に向けて感謝の言葉を口にした。そして「最後なので、みんなでひとつになって終わりたいと思います」と語ってから、本編ラストナンバー「君の名は希望」をメンバー全員で歌唱した。ここでは曲終盤、ステージを背に460発もの花火が打ち上げられ、感動的な雰囲気の中ライブ本編は終了。桜井が「皆さん、本日はこんなに素敵な思い出をありがとうございました!」と挨拶をしてから、メンバーはステージをあとにした。
その後、観客の「乃木坂46コール」に応えるように、ライブTシャツに着替えたメンバーがステージに再登場。「気づいたら片想い」「ぐるぐるカーテン」の2曲を歌うと、桜井が「今日はですね、来てくれています……」と病気療養中の橋本をステージに呼び込む。私服姿の橋本は「ずっと客席で観てました。皆さんにご心配やご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。人前に出られるくらいには体調も回復したので、早く体力を付けて1日も早く復帰できるようがんばります」と、観客に向けて謝罪と感謝の言葉を伝えた。さらに桜井が「まだあります……ある人と中継がつながってます」と言うと、名古屋で握手会を終えた松井の姿がスクリーンに映し出される。乃木坂46のライブTシャツを着た松井は、「みんなと一緒に神宮球場に立ちたかったです!」とメンバーやファンにメッセージを送った。
こうしてライブを欠場したメンバーからのメッセージを届け終えると、桜井が「ラストはメンバー、そして会場の皆さんとひとつになって締めたいと思います」と告げ「乃木坂の詩」を披露。観客のサイリウムが暗闇を明るく照らす中、生駒が「皆さん本当に、本当にありがとうございました!」と叫び、3時間以上にわたる初の大規模野外ライブを締めくくった。
なお乃木坂46は10月8日に通算10作目のシングル「何度目の青空か?」をリリース。さらに10月5日から19日にかけて、アンダーメンバーによる「アンダーライブ セカンドシーズン」が東京・六本木ブルーシアターにて実施される。
乃木坂46「真夏の全国ツアー2014」
2014年8月30日 明治神宮野球場 セットリスト
~OVERTURE(BOOM BOOM SATELLITES Ver.)
01. 夏のFree&Easy
02. ロマンスのスタート
03. 会いたかったかもしれない
04. ロマンティックいか焼き
05. ガールズルール
06. 何もできずにそばにいる
07. 生まれたままで
08. ここじゃないどこか
09. 指望遠鏡
10. 月の大きさ
11. 失いたくないから
~ゲーム
12. 人はなぜ走るのか?
13. せっかちなかたつむり
14. 左胸の勇気
~OVERTURE(オリジナルVer.)
15. 何度目の青空か?
16. ダンケシェーン
17. そんなバカな…
18. 心の薬
19. 13日の金曜日
20. 扇風機
21. その先の出口
22. 無口なライオン
23. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
24. でこぴん
25. 吐息のメソッド
26. 世界で一番 孤独なLover
27. 制服のマネキン
28. ここにいる理由
29. バレッタ
30. 走れ!Bicycle
31. おいでシャンプー
32. 君の名は希望
<アンコール>
33. 気づいたら片想い
34. ぐるぐるカーテン
35. 乃木坂の詩
乃木坂46 アンダーライブ セカンドシーズン
2014年10月5日(日)~19日(日)東京都 六本木ブルーシアター
※全18公演予定。
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