2012年に初開催され、今年で3回目を迎える「BEAST PARTY」。初日はオープニングアクトとしてDAIGOが、2日目はスペシャルゲストとしてken(L'Arc-en-Ciel)が登場し、VAMPSのパフォーマンスに華を添えた。なおこの記事では2日目の様子をレポートする。
天気予報では雨だった2日目だったが、メンバーや観客の願いが通じたのか、ライブ前には美しい夕焼けがステージの後方に広がるほどの好天に。オーディエンスの興奮感が会場に漂う中開演時刻の17:30を迎えると、HYDE(Vo, G)とK.A.Z(G)がバンドメンバーを引き連れバギーに乗って客席エリアに登場。「BEAST PARTY」恒例とも言えるオープニングの演出でオーディエンスを歓迎する。その後、HYDEのみを残してK.A.Zを含むメンバーはステージへ移動。K.A.Zの切れ味の鋭いカッティングがイントロを飾る「LOVE ADDICT」で、ライブの口火を切った。ステージから伸びる花道に足を踏み入れたHYDEは、「Hello bloodsuckers! 悔いを残すなよ」と挑発し、客席エリアに熱狂の渦を作り出していった。さらにバンドは火炎の演出が禍々しい曲の世界を視覚的に表現した「REDRUM」、HYDEが客席に向けて放水銃を放ち、観客の興奮を煽った「TROUBLE」とエネルギッシュなナンバーを連投した。
「よく来たね。晴れにしといたから」と晴れ男ぶりをアピールしたHYDEは「ここどこ? よくわかんないけどいいよな。俺たち、会えればいいよな? (「BEAST PARTY」)3年目ですが、一番熱い夏にしたいと思います」と言うと、「HUNTING」で観客のテンションを引き上げていく。Ju-ken(B)を含むフロントの3人はステージを練り歩き、個々のプレイをアピール。またこのブロックではHYDEの伸びやかな声が広がる「AHEAD」や、躍動的なサウンドにあわせて自然とシンガロングが発生した「THE JOLLY ROGER」と野外にぴったりなナンバーが披露された。なお時折HYDEはK.A.Zの肩に腕をかけながら、気持ちよさそうに歌声を響かせ、開放的な空気を味わっている様子だった。
ARIMATSU(Dr)のドラムソロが終わったあとは、インターバルを挟みアコースティックセッションを中心とした第2部へ。まずはHYDEとJIN(Key)がサブステージに姿を見せる。イスに座ったHYDEは「ここで何を歌うか考えたんですけど、浮かばなくて。歌いたい歌を歌おうと思ったら、冬の歌だったんですよ。残念!」と言うと、JINの弾くチャーミングな旋律に乗せてソロ曲「ANGEL'S TALE」をゆったりと歌い上げた。「やっぱこの曲はやらないとなって。今まではJINさんと2人でやってたんですけど、バンドでやると雰囲気が変わるんじゃないかな」というHYDEの言葉で、K.A.Z、Ju-ken、ARIMATSUも加わって始まったのは、「BEAST PARTY」ではおなじみの矢沢永吉「時間よ止まれ」のカバー。控えめなシンバルの音がドラマチックなムードを作り出し、Ju-kenのアップライトベースとK.A.Zのアコースティックギターの調べがHYDEの穏やかな声を引き立てる。間奏でHYDEが当初吹く予定のなかった種類のハーモニカを手にとってしまうハプニングもあったが、彼が照れ笑いを浮かべると観客はその笑顔に魅入った。
メンバーが「夏の思い出」を語るMCでは、K.A.ZやJu-kenの幼少期の思い出からARIMATSUが「BEAST PARTY」の会場内のトランポリンで遊んだという最近の出来事まで、さまざまなエピソードが飛び出す。HYDEは少年時代を振り返り、公園の中で軍服を着用してキャンプをしていた際に、カップルに兵士の亡霊に間違われ、地元で噂になってしまったユニークなエピソードを語った。MCを経て披露された「SEASON'S CALL」の時間帯にはあたりもすっかり暗くなり、涼しい風がフィールドに吹き込んでいく。HYDEの「これを歌うとUFOが来そうなんですよね」という紹介から始まった「UNEXPECTED」では、花道とサブステージの各所に炎が灯り、ミステリアスなムードが高まっていく。さらにK.A.Zの奏でる柔らかなアルペジオやHYDEの鳴らす鐘の音にあわせて、観客の合唱も加わり荘厳な世界が描き出された。
再びインターバルを挟んで始まった第3部は「DEVIL SIDE」をはじめ攻撃的でアッパーな曲の連続に。スモークや艶やかなライトといった演出とともに、切れ味の鋭いデジタルサウンドが高揚感を煽る「REPLAY」や「GET AWAY」がプレイされた。その間、客席には水銃を放つキャストや、銀色の巨大なロボットを模したパフォーマーが現れ、観客を楽しませる。HYDEは「3年もやってると、これがないと夏が終われない感じになってきた」と今後の「BEAST PARTY」についても示唆し、「こんなところまで来てくれてありがとう。いつもVAMPSについてきてくれてありがとう。その分、いい曲だったりライブで返していけたらと思います」とファンに語りかける。さらにニューアルバムについても言及し、「新しいVAMPSを楽しみにしてくれたら。お前たちを裏切らない、ですよね?」とK.A.Zに水を向けつつ、来る新作への期待を煽った。
「この日のことを忘れないように」という願いを込めて演奏された「MEMORIES」を経て、ライブはいよいよ終盤戦へ。K.A.Zが豪快なギターリフを奏でる「REVOLUTION II」では、曲の途中でファンの呼びかけでスペシャルゲストのkenが登場。VAMPSのフラッグをはためかせて現れた彼は、肩にかけたVAMPSのトートバッグからアンパンマンなどのキャラクターをプリントしたキャップをメンバーに配って回り、観客を笑わせる。HYDEが「仲間が増えたところで、お前ら実力見せてくれ!」と叫ぶと、会場内の観客の熱狂はどんどん加速した。kenはHYDEの下半身をタッチしたり、絡んでみせたりと相変わらずの自由奔放なアクションでVAMPSの面々を翻弄。負けじとHYDEがkenの股の下を潜りながら熱唱すると、お祭り騒ぎに拍車がかかった。「お願いしたら断る気ゼロみたい。当たり前のように来ていただけまして」と紹介されたkenは、そのあとに披露されたL'Arc-en-Cielの「HONEY」と「Shout at the Devil」にも参加。kenはステージをくまなく歩き回りながらVAMPSのメンバーとコミュニケーションを計りつつ、勢いよくギターをかき鳴らす。kenが去ったあとは、「最後にみんなではっちゃけようぜ!」というHYDEの言葉からラストナンバーとして「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」が届けられた。高らかに響くシャウトと、激しく勢いのあるバンドサウンドが夜空に響きわたる。そして、HYDEの「もうひと仕事したら戻ってくるから。首洗って待ってろ!」という宣言をもって「BEAST PARTY」は華々しくフィナーレを迎えた。
なおVAMPSは10月8日にニューシングル「VAMPIRE'S LOVE」をリリースし、11月からはライブツアー「VAMPS LIVE 2014-2015」を開催。ニューアルバムも完成間近とのことで、こちらの続報にも注目が集まる。
関連する特集・インタビュー
VAMPS「VAMPS LIVE 2014 BEAST PARTY」
2014年8月24日 新潟県 新潟県国営越後丘陵公園野外特設ステージ セットリスト
01. LOVE ADDICT
02. REDRUM
03. TROUBLE
04. HUNTING
05. AHEAD
06. COSMOS
07. ANGEL TRIP
08. THE JOLLY ROGER
09. ANGEL'S TALE
10. 時間よ止まれ
11. SEASON'S CALL
12. UNEXPECTED
13. DEVIL SIDE
14. REPLAY
15. THE PAST
16. GET AWAY
17. MEMORIES
18. REVOLUTION II
19. HONEY
20. Shout at the Devil
21. SEX BLOOD ROCK N' ROLL
関連商品
リンク
- VAMPS OFFICIAL WEB SITE
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
L'ArcInfo(unofficial) @LArc_Info
VAMPS、3年目「BEAST PARTY」にken見参 - ナタリー - 最新ニュース一覧 http://t.co/uHKjjuKblL