昨日8月20日の“ハニワの日”、
満員の観客の大きな期待感が渦巻く中、バンドメンバーである健介さん格さん(G / 奥田健介 from
VTRは、レキシが出演している「マルちゃん 麺づくり」のCMに続いて、日本テレビ系「24時間テレビ」の名物チャリティマラソンのパロディという内容。レキシ公式キャラクターのTAWARAちゃんが走者、レキシとオカモト“MOBY”タクヤ(
この映像がフェードアウトして、ステージ中央の障子のセットから主役のレキシこと池田貴史が登場。彼は「どうもー! 始まっちゃったよー!!」と第一声を発して、「大奥~ラビリンス~」を歌い始めた。途端にミラーボールが回ってオーディエンスも自由に踊り出し、レキシの「武道館にお越しの春日局様ー! レキシ様がお待ちでした! 最後まで楽しんで帰ってねー!」との言葉に大声で応える。また、演奏は後半から「負けないで」になり、先ほどのVTRで走っていたTAWARAちゃんが武道館に到着。「負けないで」の大合唱が場内に響く中ゴールテープを切るという、“武道館”ならではのネタでライブの幕開けを飾った。
その後「姫君Shake!」「RUN 飛脚 RUN」で盛り上がりに拍車をかけ、最初のMCでは「どうも、ケビン・コスナーです!」とおなじみのネタで挨拶。4曲目は、顔の部分をくり抜いた城のかぶりものを装着して「江戸城の敷地内でこの曲が歌えるなんて思わんかった」と話し、「ドゥ・ザ・キャッスル」を送る。
この日最初のゲストはシャカッチ。レキシ曰く「忍者なのに目立ちすぎ」なピンクとシルバーの衣装に身を包んだシャカッチは、2ndアルバム「レキツ」収録の「ペリーダンシング」と4thアルバム「レシキ」収録の「憲法セブンティーン」でギターソロやコーラスを披露する。合間には永積タカシと池田が在籍した
さわやかなポップチューン「妹子なぅ」を経て、次のゲストは“尼ンダ”というレキシネームの
レキシのみのパートへ戻ると、ここまでの笑いにあふれた展開とは少し異なり、感動的なスローバラード「墾田永年私財法」、The Beatles「Come Together」を彷彿とさせるロックチューン「僕の印籠知りませんか?」を真剣に歌い上げる。さらにライブの定番曲「古墳へGO!」では、振り付きの「K・O・F・U・N」コールがレキシ史上最大規模の会場で繰り広げられた。
続くMCでは、「やってると武道館っていうことを忘れてきて、新代田FEVERが何個かある感じや」とネタ満載のパフォーマンスを振り返る。ほかの場面でも「勝手に人の名前を呼ぶな!」「かわいそうな席(見切れ席)の人は黙っててください」と客席に呼びかけ、観客とのやり取りは武道館でも健在だった。また、至る場面で元気出せ!遣唐使をイジって遊ぶレキシ。そんな折にはすぐ「時間なくなる! 武道館は時間に厳しいんや!」と自らを戒め、しかし「延長料金はもう予算に組み込まれてる」と明かした。
ラストスパートに入り、「キャッチミー岡っ引きさん」では歌詞を引用して「あなたがいいのー!」と叫び、集まったオーディエンスに感謝を伝える。次の「年貢 for you」では、百姓風の衣装に米俵を担いだ旗本ひろし(
そして旗本ひろし、足軽先生に東インド貿易会社マン(グローバー from SKA SKA CLUB)が加わり、「次の曲、すごく長いです(笑)」との前置きから「狩りから稲作へ」がスタート。「日本のレ・キ・シ!」「いなHo~!」「高床式」などの恒例のフレーズを使って、場内は一丸となりコール&レスポンスを繰り返す。間奏部分では「♪ありのままのやつい見せるのよ ありのままのやついになるの」と、「アナと雪の女王」のエルサのコスプレをしたやついが乱入。レキシは「『少しも寒くないわ』でサムーくなると思ったのに」とのことだが実際は大ウケで迎えられた。
さらに「高床式」から「高岡早紀」のコール&レスポンスに流れた瞬間、突如演奏が止まり、スクリーンに高岡早紀本人からのビデオメッセージが映し出された。彼女は「会場に行けなくてごめんなさい。私も皆さんと一緒に稲穂の気持ちになりたいと思います。今日は最後まで楽しんでください。キャッツ!」と笑顔でコメントを寄せ、レキシはそれを感無量といった表情で仰向けになりながら見つめていた。そんなサプライズと多数の笑いどころを盛り込んで、約21分展開した「狩りから稲作へ」。レキシは「♪ありのままのレキシ見せたのよ」と歌い、本編を締めくくった。
アンコールが始まる前は、「大きなハニワの下で ~自分たちでハニワを作ろう! プロジェクト顛末記~」と題したVTRを上映。これは、「自分たちでハニワを作ろう」と考えたレキシ、東インド貿易会社マン、百休(TOMOHIKO)が半年前から試行錯誤を重ね、巨大なハニワの模型を制作したドキュメンタリー映像。これによってこの日のステージに鎮座する2体のハニワ像のうち1つが、レキシの手作りであることが判明した。
再登場したレキシは、東インド貿易会社マンと「ハニワの日にやってよかったね」「せっかくだから大きなハニワの下でハニワの歌をやろうか」と話しながら「ハニワニハ」を歌い始める。この曲では健介さん格さん、元気出せ!遣唐使、ヒロ出島のスキルフルな連弾も客席を沸かせ、そのチームワークのよさを感じさせた。続いてほかのバンドメンバーも含め、大塩平八郎と大石内蔵助を題材にした「salt & stone」を披露。バンド全員との熱のこもったパフォーマンスを経て、レキシはこれまでにない真剣なMCを始めた。
「思い起こせば2007年に1stアルバム『レキシ』を出して、2011年に2ndアルバム『レキツ』をリリースする直前の3月に大きな地震がありまして。それでもリリースしたんですけど、世の中的には悲しい時間が続いてて。でもその中で『レキシ聴いて元気が出ました』とか言ってもらって、やらなきゃなって。そのあとちょっとして、私、離婚しまして。大変な時期もあったんですけど、自分としては目の前のことを一生懸命楽しんでやり続けてきたら、いつの間にかここにいたっていう感じで」と話すレキシ。さらに「怒髪天が今年の1月に武道館やって、増子(直純)さんが最初から最後までずっと泣いてて。何泣いてんだとか思ってたけど、今はわかりますわ」と照れくさそうに続ける。
「『すごい悩んでてもレキシを聴くとどうでもよくなった』ってよく言われるんですけど、それは本当にうれしくて。でも一番レキシに助けられたのは、俺だったなって。そんなレキシを作ってくれたのが、まずはメンバー。ここにいない人もね。それからスタッフ。そしてベタですけど、皆さん、あなたですよ!」とオーディエンス1人ひとりを指差す。「押し付けがましいのはあんまり好きじゃないんで、つらいなっていうとき、言ってくれればすぐ行きます。行って、目の前で、『きらきら武士』を歌ってあげます!」という宣言から、最後の曲「きらきら武士」へと流れた。武道館は客電が点き、金銀のテープが舞う。大サビではこの日の出演者全員がステージに集い、3時間半におよんだレキシの晴れ舞台を祝うように笑顔が咲いた。
なお終演後のスクリーンでは、“オシャレキシ”こと
レキシ「レキシツアー もう一度遺跡について考えてみよう~大きなハニワの下で~」
2014年8月20日 日本武道館 セットリスト
01. 大奥~ラビリンス~
02. 姫君Shake!
03. RUN 飛脚 RUN
04. ドゥ・ザ・キャッスル
05. ペリーダンシング feat. シャカッチ
06. 憲法セブンティーン feat. シャカッチ
07. 妹子なぅ
08. お犬様 feat. 尼ンダ
09. 墾田永年私財法
10. 僕の印籠知りませんか?
11. 古墳へGO!
12. キャッチミー岡っ引きさん
13. 年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生
14. 狩りから稲作へ feat. 旗本ひろし、足軽先生、東インド貿易会社マン
<アンコール>
15. ハニワニハ
16. salt & stone
17. きらきら武士
レキシ& オシャレキシ「レキシ 対 オシャレキシ~お洒落になっちゃう冬の乱~」
2014年12月23日(火・祝)大阪府 オリックス劇場
2014年12月25日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2014年12月28日(日)東京都 豊洲PIT
<出演者>
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- うぇぶ城 -レキシ・池田貴史オフィシャルウェブサイト-
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いとうせいこう @seikoito
レキシ武道館単独公演レポート。そうか、昨日あの曲は21分だったか。けっこうはしょったなw。→ http://t.co/0ceaOTBXbZ