上坂すみれ、初舞台の残留思念にがっくりくる

7月27日、上坂すみれの「4thシングル＆LIVE BD/DVD連動イベント ミニLIVE＆お渡し会」が東京・全電通労働会館で昼夜2回にわたって開催された。ここではその昼公演の模様をレポートする。

このイベントはその名の通り、上坂のニューシングル「来たれ！暁の同志」と、ライブBlu-ray / DVD「実録・2.11 第一回革ブロ総決起集会」がリリースされたことを記念して開催されたもの。昼公演には両タイトルの購入者のうち抽選で招待された400人の上坂ファン、通称“同志”が集まった。

System Of A Down「Jet Pilot」、Helloween「March Of Time」、Motley Crue「City Boy Blues」、Queensryche「The Needle Lies」など、ヘヴィメタルナンバーの数々が開場SEとして流れる中、400人が席に着くと、おなじみのオープニングSE「予感」が爆音で流れ出し「来たれ！暁の同志」初回限定盤でも見せた、ブルーのジャンプスーツに、同色の大きなリボン、エメラルドグリーンの指ぬきグローブという“走り屋”風ルックの上坂が「同志諸君、ズドラーストヴィチェ！」と登場。「皆さん元気ですかー？」「私はぐったりしてまーすっ！」と、なぜか元気いっぱいシャウトする。

この日の会場・全電通労働会館は上坂にとって思い出の地。2012年に彼女が出演したアニメ「パパのいうことを聞きなさい！」（「パパ聞き！」）のDVDリリース記念イベントが行われた会場にして、初めてその歌声を客前で披露した会場だ。そんな大切な場所で「来たれ！暁の同志」「TRAUMAよ未来を開け!!」と新曲を2連発した上坂がイベントのことを語り出すと客席からは「観に行ったよー」という数人の同志の声。これには「その人たちは私の“パパ”です」と笑顔を向けた彼女だったが、直後には一転、何やら浮かない表情に。曰く「パパ聞き！」イベント当日、自身が演じたキャラクター・小鳥遊空名義の楽曲「ソライロ」を初披露するも緊張のあまり曲のアウトロの存在をド忘れ。フルコーラス歌いきるや、まだ音楽が鳴り響いているにもかかわらず、MCを始めてしまったという。それを思い出し「あれを知っている人はみんな虐殺したい」と“パパ”たちに逆ギレして会場中の笑いを誘ってみせた。

しかし言霊は実在するのか、2年ぶりに同会場で「ソライロ」を歌い始めると、今度は歌詞をド忘れ。慌てふためきながら「すみません！ もう1回お願いします」と曲を止めた上坂は「イヤな思い出の場所には残留思念があるに違いないんです」と照れ笑いを浮かべる。

それでも気を取り直して自身と同志の集団「革命的ブロードウェイ主義者同盟」のスローガン「生産！」「団結！」「反抑圧！」を三唱した上坂だったが、またもハプニングに見舞われてしまう。ラストナンバー「げんし、女子は、たいようだった。」を歌い始めるも、今度は「間違えた！」とひと言。二度あることは三度あるの教訓を地でいく事態に「今歌ったのは2番です」と、しょんぼり顔でステージにへたり込んでしまった。

それでも、またとないレアなシーンを目撃できた同志諸君のやんやの喝采を受けた彼女は「1番は『壁をぶっこわせ！ 君とわたしのあいだの ヲタもサブカルも どっちだっていいじゃない』……」と正しい歌詞をそらんじた上で改めて「げんし、女子は、たいようだった。」をかわいらしくパフォーマンス。「このあとお渡し会なので、またのちほどお会いしましょう」とステージをあとにした。

※「Queensryche」の「y」はウムラウト記号付きが正式表記になります。