Acid Black Cherry、日本を笑顔にした“Shangri-la”完結

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Acid Black Cherryが、昨日6月22日に宮城・セキスイハイムスーパーアリーナにてアリーナツアー「Project『Shangri-la』Final Season」の最終公演を開催した。

Acid Black Cherry「Project『Shangri-la』Final Season」セキスイハイムスーパーアリーナの様子。

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2013年8月から展開してきたプロジェクト「Project『Shangri-la』」も昨日のライブをもって完結。会場には東北を中心に各地からファンが集まり、一大プロジェクトのフィナーレを見届けた。

場内が暗くなると、ドリーミーなSEとともにステージの後方に「Final」や「Ready?」といった文字が投影され観客のテンションを高めていく。そしてyasuの登場とともに悲鳴のような歓声があがり、攻撃的なモード全開の「ジグソー」からライブがスタートした。「盛り上がっていこうぜ、東北!」というシャウトとともに2曲目の「ピストル」になだれ込むと場内の熱気は急上昇し、それに呼応するようにyasuも髪を振り乱しながら激しい歌声を響かせた。

最初のMCでyasuは「Project『Shangri-la』」のツアーが、2013年8月に開幕した東北ツアーから始まったことを振り返り、「東北で始まったから、東北で締めたいと思った」と明かす。「僕はぶっちゃけ打ち上げ気分で来てます。お前らがいれば“シャングリラ”ってことで。今日は47都道府県分の思いを乗せて、ここ宮城をシャングリラにしたいと思います」と宣言して「楽園」につなげた。「打ち上げ気分で来た」と言うyasuだが、その歌声やパフォーマンスには気合いがにじむ。その声を後押しするようにアリーナ会場ならではの演出が随所で光り、「蝶」では天井に蝶のシルエットが投影され曲の世界を彩り、「1954 LOVE/HATE」では赤と緑のレーザーが激しく重厚なサウンドを引き立てるなど視覚的にも観客を楽しませた。「黒猫~Adult Black Cat~」で妖艶な空気を生み出したあとは、メンバー紹介を兼ねたMCコーナーに突入。メンバーはそれぞれ全国津々浦々を回ったツアーを振り返り、思い出話に花を咲かせる。なおyasuは四国で食中毒になったつらいエピソードで会場の笑いをさらっていた。

「次の曲は今日ここで歌うために生まれてきた曲なんじゃないかと」という紹介とともに始まったのはミディアムテンポの「君がいない、あの日から…」。この曲ではステージ周辺に設置された電飾が星空のように灯り、オーディエンスはyasuの歌声とともに美しい光の演出を味わった。バラード調の前半とロックテイストを打ち出した後半とのコントラストで魅せる「Maria」、ハッピーなムードが漂う「チェリーチェリー」と異なるタイプの楽曲を続けたあとは再びMCへ。ここでは際どい下ネタトークが飛び出したほか、サプライズでYUKI(G)の誕生日もお祝い。YUKIは素で驚きながらケーキに立てられたロウソクの火を吹き消し、その直後のパートチェンジしてのセッションコーナーでは、ボーカルとしてZIGGYの「GLORIA」を歌い上げて観客を興奮させた。

和やかなMCから一転して本編の終盤は、Acid Black Cherryの十八番とも言える「Greed Greed Greed」「罪と罰~神様のアリバイ~」といった激しいロックチューンや、アダルトな匂いを醸し出す「Black Cherry」が矢継ぎ早にプレイされる。そして「次でラストです!」というyasuの言葉に続いたのは、デビュー曲「SPELL MAGIC」。yasuはステージを全力で駆け回り、観客とのコミュニケーションを堪能していた。

アンコールでは観客のリクエストに応える、ファンにはたまらない企画も実施された。抽選で選ばれた観客は緊張しながらもyasuとの会話を楽しみ、思い入れのある曲をリクエスト。音源化されていないもののファンの間で人気の高い「この青空の向こうに」や、yasu曰くPV撮影が大変だったという「CRISIS」の2曲が届けられた。

yasuは「お客さんに笑顔をもらったツアーなんじゃないかと思います。思い起こせばこのツアーは『シャングリラ』という曲が生まれてから『2012』というアルバムができて。導かれるように今日という日を迎えたんじゃないかと……」と語り、「みんながいたから僕は日本を回ってこれたんだと思います」「今日ほど音楽をやっててよかったと思ったことはないです。ありがとうございました」と、ときどき言葉を詰まらせながら観客に語りかける。そして東日本大震災発生後初めて作ったという「その日が来るまで」を、祈りを込めるように優しく歌い上げた。アンコールの最後はプロジェクトのテーマ曲「シャングリラ」が飾り、観客の笑顔を誘った。

鳴り止まない拍手と声援を受けて、ダブルアンコールにも応えたyasu。彼は「お前らめちゃくちゃ元気じゃないか! ラストしっかり暴れてくれ」と煽り、エッジの効いたギターが炸裂する「cord name【JUSTICE】」と、ポジティブなメッセージを込めた「20+∞Century Boys」を熱演した。全19曲を届け終えたyasuは「今日のこの景色を絶対忘れません!」と叫び、ツアーを一緒に回ったスタッフチーム「TEAM ABC」のメンバーを1人ずつ紹介。バンドメンバーとスタッフを一列に並ばせると、手をつなぎ観客に深くお辞儀をする。そしてyasuがステージを去ろうとしたときスタッフが総出でyasuを胴上げし、10カ月におよんだ「Project『Shangri-la』」のフィナーレを盛大に祝った。

Acid Black Cherry「Project『Shangri-la』Final Season」
2014年6月22日 セキスイハイムスーパーアリーナ セットリスト

01. ジグソー
02. ピストル
03. 楽園
04. 蝶
05. 1954 LOVE/HATE
06. 黒猫~Adult Black Cat~
07. 君がいない、あの日から…
08. Maria
09. チェリーチェリー
10. Greed Greed Greed
11. 罪と罰~神様のアリバイ~
12. Black Cherry
13. SPELL MAGIC
<アンコール>
14. この青空の向こうに
15. CRISIS
16. その日が来るまで
17. シャングリラ
<ダブルアンコール>
18. cord name【JUSTICE】
19. 20+∞Century Boys

※記事初出時、一部曲名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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