この日結成25周年を迎えたLUNA SEAをお祝いしようと、会場には1万3000人ものファンが集結した。場内では「永遠の詩」という邦題が付けられたLed Zeppelinの名曲「The Song Remains The Same」が流され続け、開演予定時間を30分近く過ぎたところで暗転。そしてステージ上方両サイドに用意されたスクリーンに「1989」の文字が表示され、続いてLUNA SEA最初期のアーティスト写真が映し出される。そのまま「1990」「1991」と数字がカウントアップしていくのに合わせて、アーティスト写真もその年代のものが表示され、客席からは大歓声が沸き起こった。バンドが2000年に一度“終幕”を迎えたことから、2001~2006年はただ数字だけが流れていき、一夜限りの復活を果たした2007年を機に再びアーティスト写真が移し出されていく。そして最後に「2014.5.29」と当日の年月日が表示されると、場内にケイト・ブッシュ「Babooshka」がSEとして流れ出し、これに合わせてステージ上にメンバーが1人、また1人と登場。最後にRYUICHI(Vo)がステージ中央に立つとSEの音量が下がり、それにクロスフェードするようにシンセの音が場内に鳴り響く。これを合図に、LUNA SEAはニューアルバム「A WILL」のオープニングナンバー「Anthem Of Light」からライブをスタートさせた。真矢(Dr)が叩き出す小気味よいビートに乗せて、SUGIZO(G, Violin)、INORAN(G)、J(B)はLUNA SEAならではのグルーブを生み出していく。そしてこの鉄壁なバンドサウンドを背に、RYUICHIは圧倒的な歌唱力で25周年を迎えたバンドの“今”を表現した。
曲のタイトル通りまばゆい光が会場を包み込むと、INORANのギターリフに続いて2曲目「TONIGHT」に突入。ここで会場の熱気は一気に加速し、早くもクライマックスと言える盛り上がりを見せる。また「Anthem Of Light」では持ち場を離れずにじっくり気持ちを込めて演奏していたSUGIZO、INORAN、Jもステージ左右の花道を動き回り、両サイドの観客を煽っていった。2曲終えると、RYUICHは「1989年5月29日、我ら5人は町田プレイハウスでライブを行い、1つになりました。それから25年の時が過ぎ、今日バースデーを迎えました」と観客に挨拶。そして「DESIRE」「TRUE BLUE」「gravity」など1990年代の代表曲や、「Rouge」「乱」といった“REBOOT”(再結成)後の楽曲を次々に披露した。
2度目のMCではRYUICHIが「去年8枚目のアルバム『A WILL』をリリースしました。25年でアルバム8枚ってどれだけ怠けてんだって話ですが(笑)」と冗談を言い、続けて「来年はアルバム3枚出すから」と宣言。するとSUGIZOやINORANは苦笑いをしながら首を横に振り、RYUICHIも「冗談だから(笑)」と返して観客の笑いを誘う。その後も彼らはSUGIZOによる艶かしいギターフレーズが印象的な「Glowing」、バイオリンをフィーチャーした「Providence」、ミラーボールに反射した光が会場内を照らして独特の空気を作り上げた「MOON」といったディープな楽曲を連発した。
真矢のドラムソロ、Jのベースソロを挟んで「Dejavu」で会場の熱気を再びヒートアップさせると、続く「I for You」ではエモーショナルな空気を作り上げていく。さらにRYUICHIの「LUNA SEAはファンとかアーティストとか関係なく、全員がメンバーだから!」というメッセージに続いて、「Metamorphosis」「The End Of The Dream」と新作「A WILL」からのアッパーチューンを続けて演奏。25周年を祝う集大成的なライブであるのと同時に、バンドの現在の姿を提示するセットリストでファンを魅了していった。そして「STORM」「TIME IS DEAD」とライブの定番曲でひとしきり盛り上がったあとに、LUNA SEAがブレイクするきっかけを作った名曲「ROSIER」でライブ本編を終えた。
アンコールを待つ間、会場内には観客が合唱する「Happy Birthday To You」が鳴り響く。しばらくすると、この歌声をBGMにメンバーがステージに再登場。RYUICHIは「結成当時は25年後のことなんて考えたことなくて。こんなに素晴らしい仲間と出会えて、今日まで1人も欠けることなく、幸せだなと思います。今日この日は祝いの日であると同時に、新しいスタートの日でもあります。これからLUNA SEAは新しいページ、新しい扉を開いていきます」現在の心境と今後の抱負を口にし、25年分の思いを込めて「Thoughts」を熱唱した。そしてメンバー紹介を経て、LUNA SEAは「IN MY DREAM (WITH SHIVER)」「BELIEVE」「WISH」とライブの定番曲を立て続けに披露して再びステージをあとにした。
すでにライブ開始から2時間半近くが経とうとしていたが、25周年の祝祭はまだまだ終わらない。スタンド席、そしてアリーナ席の観客がウェーブをして自らのテンションを上げている中、LUNA SEAの5人は再度ステージに登場。笑顔を絶やさない5人を代表してRYUICHIが「たくさんのスタッフとたくさんの友人、そして25年支えてくれたみんなに贈ります」と挨拶してから、この日のラストナンバー「MOTHER」を最後の力を振り絞って熱演した。こうして2時間半を超えるアニバーサリーライブは無事終了。来週6月7日からは来年3月まで続く全国ホールツアー「LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE TOUR THE LUNATIC -A Liberated Will-」がスタートすることを受け、RYUICHIは「レジェンドを見せるだけじゃなくて、新しい何かを見せられるツアーにしたい」と抱負を伝えてから、ステージを降りた。
なおナタリーでは終演直後に、LUNA SEAの5人にアニバーサリーライブの感想を聞いた。
LUNA SEAコメント
RYUICHI
禁酒明けのシャンパンのようにこの25年の思いを飲み干したぞという感じのライブでした。この時間を支えてくれたファンに感謝です。
SUGIZO
ステージ上でRYUとも話したんですけど、本当に素晴らしい景色でした。こんなに素晴らしい景色の中に僕たちは存在できるなんて、1つのことを25年やり続けることは素晴らしいことなんだなと我ながら感心しました。
INORAN
本当にここに立っていられることに感謝です。その感謝の気持ちをこれからも返していきたいと思います。
J
今日はこの代々木に日本全国各地、世界各国からいろんなメッセージや思いが届いています。その思いが生み出すうねりが、こんなにいいライブにさせてくれたのかなと思ってます。本当にありがたい1日でした。
真矢
25年というのは長いようであっという間だったんですけど、ステージと客席の絆というのはますます深まるんではないかと思わせるようなライブでした。
LUNA SEA「LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE -The Unfinished MOON-」
2014年5月29日 国立代々木競技場第一体育館 セットリスト
01. Anthem Of Light
02. TONIGHT
03. DESIRE
04. TRUE BLUE
05. Rouge
06. 乱
07. gravity
08. Glowing
09. Providence
10. MOON
Drum solo and Bass solo
11. Dejavu
12. I for You
13. Metamorphosis
14. The End Of The Dream
15. STORM
16. TIME IS DEAD
17. ROSIER
<アンコール>
18. Thoughts
19. IN MY DREAM (WITH SHIVER)
20. BELIEVE
21. WISH
<ダブルアンコール>
22. MOTHER
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