オープニングでは、大橋トリオこと大橋好規とバンドメンバー5人が1人ずつスタンバイするシルエットが紗幕に映し出され、静かに1曲目「KOE」がスタート。グランドピアノを弾く大橋、石井マサユキ(G)、鈴木正人(B / LITTLE CREATURES)、伊澤一葉(Key, Cho / the HIATUS)、神谷洵平(Dr / 赤い靴)、東川亜希子(Key, Cho / 赤い靴)が豊かな音像を作り出していく。次の「Happy Trail」からは紗幕が上がり、会場内は手拍子が鳴り響く華やかな空間に様変わりした。
その後「そんなことがすてきです。」「Shine」「EMERALD」とタイプの異なる3曲を届けたあと、矢野顕子とのデュエット曲「窓」へ。大橋は「矢野さんがいないので……じゃ1人2役で」と矢野の歌い方をマネてみるコミカルな一面も見せつつ、1人でじっくりと同曲を歌った。ライブはさらに、ロックテイストの「マチルダ」、宇多田ヒカル「traveling」のカバー、ピンク色の照明が印象的な「サクラ」、雨音のBGMに乗せて「サヨナラの雨」と続く。
中盤のMCタイムでは、ベストアルバム発売後のツアーということでこれまでのキャリアを振り返る大橋。「大橋トリオとしてアルバムを13枚出しました。いっぱい作ったので、ベストアルバムという形でまとめさせていただきました。もともとは洋楽志向で、洋楽大好きだったのですが、大橋トリオという名義で日本語でやることになって、最初は3年くらい悩みに悩んで」と打ち明ける。そして「初めて日本語でできた曲だと思います」と前置きして、2006年に友人である柿本ケンサク監督の初長編作品「colors」に提供した「Colors」を感慨深げに披露した。
さわやかな鳥のさえずりをBGMに「A BIRD」を演奏すると、ステージは本編最後の章へ突入。この東京公演のバンドは前述の5人に徳澤青弦(Cello)、武嶋聡(Sax, flute, Clarinet)を加えた特別編成で、バンドメンバー紹介では大橋が全プレイヤーと親しげに会話を楽しんだ。「ファイナルなんですよね。すごく楽しいツアーを回ってきたので、ものすごくさみしいです」とこぼしながらも、ラストスパートは「HONEY」「世界で一番幸せ者になれ」といったハッピーな雰囲気のナンバー続き。最後はメンバー全員が力を結集して「トリドリ」を奏でた。
アンコールで再登場した大橋は、「最後なんで……起立!」と場内を総立ちにさせる。この上で「トヨタ ラクティス」のCMソングとしておなじみの「Bing Bang」を届け、NHKホールは曲の持つピールフルなグルーヴに染まってこの日一番の盛り上がりとなった。バンドメンバー全員に拍手喝采が送られる中、大橋以外のメンバーはステージを去り、1人残った大橋がピアノの前に座る。
彼は、1日の終わりにふさわしいバラード「Dearest Man」を情感豊かに弾き語りでプレゼント。その濃密なパフォーマンスに観客が酔いしれる。ステージを完遂した大橋は、中央に2度、上手と下手に1度深くお辞儀をして、ファンへ心からの感謝を示した。
大橋トリオ「ohashiTrio HALL TOUR 2014」
2014年5月9日 NHKホール セットリスト
01. KOE
02. Happy Trail
03. そんなことがすてきです。
04. Shine
05. EMERALD
06. 窓
07. マチルダ
08. traveling
09. サクラ
10. サヨナラの雨
11. Colors
12. 月の裏の鏡
13. A BIRD
14. HONEY
15. 世界で一番幸せ者になれ
16. トリドリ
<アンコール>
17. Bing Bang
18. Dearest Man
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琴海 @neoaue
大橋トリオ、珠玉メンバーと紡いだベスト選曲ツアー千秋楽 http://t.co/hz6oToWsuH