DISH//武道館に向け新章突入、野音ワンマンで涙の決意表明

DISH//が昨日5月11日に東京・日比谷野外大音楽堂にて単独公演「皿 vs オールスラ マジで俺たち野音やるの!? こうなったらスラッシャー全員強制集合!!」を行った。

快晴に恵まれたこの日、TAKUMI、MASAKI、RYUJI、To-iの4人はライブパフォーマンスだけでなくキャストを迎えた大がかりな寸劇も披露。メインステージや客席中央に設置されたセンターステージを縦横無尽に駆け回り、集まったスラッシャー（ファン）を隅から隅まで楽しませた。

センターステージで揺れていた4つの大きなバルーンが割れ、中に詰められていたたくさんの風船が上空に解き放たれたことを合図に、メインステージのスクリーンでDISH//の主演ドラマ「BATTLE☆DISH//」のダイジェスト映像が紹介される。続いてオープニングムービーが始まったかと思うと、警告音とともに画面が切り替わり「スラッシャーの諸君、よく聞け。DISH//は拘束した」という不穏なアナウンスが流れ、MASAKIがドラマ内で倒した敵キャラクターが現れた。するとどよめく客席の後方からマサキ・ザ・アディオス役に扮したMASAKIが登場。花道を駆け抜けながら激しいガンアクションを繰り広げたのち、1対1の早撃ち勝負で勝利を収めた。RYUJIは龍龍（ロンロン）としてカンフーの技を駆使しながら兄弟子を倒し、To-iは04（ゼロフォー）に扮してゾンビ軍団を華麗な銃さばきで駆逐し、匠海ノ介を演じたTAKUMIは刀を使った殺陣を展開し敵の親玉を討伐。「BATTLE☆DISH//」において各メンバーが主役を演じたエピソードが再現された。

そして「俺たちはいつだって、気合い、てんこ盛りだぜ！」というドラマの決めゼリフが会場に響きわたると、スクリーンが2つに分かれてパンキッシュな服装の4人が姿を見せ、「BATTLE☆DISH//」の主題歌「FREAK SHOW」からライブを開始する。「野音！ 盛り上がっていこうぜー！」と叫ぶTo-iを筆頭に、ほかの3人も声を出して気合いの入った様子を見せた。「I Can Hear」まで4曲を立て続けにパフォーマンスし観客のボルテージを上げた彼らは、センターステージにて挨拶と自己紹介を行う。MASAKIが自分の学年を間違えたためもう一度やり直すというシーンを挟んでメインステージへ戻ると、楽器をスタンバイし生演奏のブロックへ突入。「TENKOUSEI」ではそれぞれがソロプレイを披露し、オーディエンスに上達したスキルを見せつけた。

「It's alright」を歌い出した途端に音が止まり、驚くDISH//の前にいかつい2人組のヤンキーがバットを持ってステージに乱入したところで寸劇パートへ。彼らに立ち向かおうとするも結局逃げ出してしまうメンバーを見かねたRYUJIが「俺に任せろ！ スタッフ、アレ持ってこい！」と指示すると特攻服が運び込まれ、4人はそれを羽織ってRYUJIのソロ曲「かっとび！バリバリーゼント」の一節を歌唱した。しかしDISH//として披露した曲がRYUJIのソロだということを2人組にツッコまれたことから、ソロ曲を持っているRYUJI＆MASAKI、持っていないTo-i＆TAKUMIがモメる流れに。彼らは「こうなったら、勝負だ！」とお互いをにらみ合い、それぞれの心情や相手への文句をメロディに乗せて歌う。すると突然地響きが起こり怪獣がステージに出現した。全員が急展開に慌てふためく中、TAKUMIが「俺は1人じゃ武道館には登れない。お前らだってそうだろ。俺は悔しいくらいお前らが大好きなんだよ」とメンバーへ語り、4人は無事仲直り。最終的にはTo-iが「BATTLE☆DISH//」で見せた技“サラスラッシャー”で怪獣を倒した。ヤンキーとも和解し大団円を迎えると、TAKUMIの「野音……ハッピーだ！」という言葉から「GRAND HAPPY」が学生服姿のダンサーとともに届けられた。

ファンへの感謝の気持ちや野音にたどり着くまでの軌跡が卒業式の答辞風に読み上げられたムービーのあとは、MASAKIのソロ曲「ラブソングなんて似合わない」、RYUJIとTo-iのユニット曲「secReT love」などが客席を沸かせる。新曲「サイショの恋～モテたくて～」の前には新衣装のお披露目や、楽曲プロデュースはORANGE RANGEのNAOTOが手がけたことが明かされた。恋する男子の切実な気持ちを表現したこの曲に続いては「ザ・ディッシュ～とまらない青春 食欲編～」が投下され、ラストはアニメ「NARUTO-ナルト- 疾風伝」のエンディングテーマ「FLAME」が飾った。

アンコールを受けて舞台上に駆け出してきた4人は、まず「踊らにゃソン！Song！」を疲れ知らずにパフォーマンス。DISH//にとって最初のオリジナル曲「It's alright」では各メンバーの幼少期やグループの写真がスライドショーで上映され、彼らの成長を感じさせる一幕となった。2曲を終えるとTAKUMIはラストナンバーである新曲について「僕たちDISH//の今の気持ちが込められた曲になっています」と説明し、入場の際に配布されたサイリウムを準備するよう伝える。真っ赤な光が客席を染め上げ幻想的な光景が広がる中、ステージに炎が灯りスクリーンにてDISH//の歴史をたどる映像が始まった。自分たちも知らないサプライズな発表があることを察したメンバーがやきもきしていると、スクリーンが開いてソニー・ミュージックレーベルズの村松俊亮社長が登場し、おもむろに2015年元日に東京・日本武道館公演の開催決定を告げる。メンバーは放心状態になりながら目に涙をため、しばらくその場から動けずにいたが、MASAKIから1人ひとりセンターステージで今の思いを打ち明けた。

MASAKIは「僕たちが夢にしてた武道館。全国のスラッシャーと最高な1日にしたいと思います」と気丈に語る。「武道館かー……」と感慨深くつぶやき、ファンの声援を受けると「僕は泣きません！ DISH//ってバカなグループじゃないですか。だから、武道館も最高な笑顔の日にしたいと思います！」と大声で叫んだ。RYUJIは結成からこれまでを振り返り「たくさんメンバーに支えられました。そしてスラッシャーみんなのおかげで、俺たちここまで来れました。まだこんな俺たちが日本武道館に立っていいのかなって思いますけども、まだ時間はたっぷりあるんで。2015年1月1日までに俺たちもっともっと成長して、『これが俺たちの夢のステージだよ』って、みんなで笑って過ごせたらいいなって思ってます。みんなちゃんと連れてくから！」と、涙目ながらも笑顔を見せる。

To-iは言葉を詰まらせながら「正直、本当にDISH//続けていけんのかなってしょっちゅう思ってた。みんなでファミレスの裏で殴り合いに近いケンカしたり、仕事だけの関係になったことも何回もあった」と、過去にメンバー間でぶつかり合っていたことを吐露。さらにメジャーデビューが決まってからじっくりと話し合いをして絆が深まったことを涙ながらに話し、「俺らさ、ほかのグループに比べちゃバカにされることも多いかもしんねーし、周りからアイドルと思われることも多いと思うんだ。でも昔っから“非アイドル”って言い出して、どうやったらそう見えるのか考えてて。アイドルって言われても唇噛んで、みんなで『アーティストって言われるようにがんばろう』ってやってきた」と正直な気持ちを告白する。最後には涙で歪めていた顔を引き締め直し「武道館、中途半端なことしたくありません。パンパンに埋めて、また全員で本気で涙流したいです。僕たちについてきてください！」と力強く宣言した。

TAKUMIは「わけもわからずギターを持たされ、ボーカルって言われて、何したらいいんだろうって思ってた」と結成当初を回想。「いろんなことがありました。歌ヘタだのダンスヘタだの、『なんで楽器弾かねえんだよ、どうせアイドルなんだろ』っていろんなこと言われて……。辞めたいなと思ってたんですよ。でも、やるしかなくて。大人の人に囲まれて、もう後戻りできないんだって。メンバーには悪いけど、1人ひとり嫌いになったこともあった」と声を震わせる。ボーカルとしての思いをまっすぐに伝えたあとは「とりあえず、夢が決まりました。僕たちはダンスロックバンドとしてこれからも全力で、ゆっくりでもいいんでこの4人と、スタッフさんと、スラッシャーのみんなで歩いていけたらと思ってます。1月1日、夢に向かって最高のステージを作っていきたいと思います」と落ち着いた口調でスラッシャーへ語りかけた。

TAKUMIのいるセンターステージに集合し抱き合った4人は、ミドルテンポの「夢旅」をファンに向かって歌う。会場が感動的なムードに包まれる中、ライブを終えたDISH//は手をつないで大きくお辞儀した。

メンバーが舞台をあとにするとスクリーンでは「武道館への第一歩 完」という文字が表示される。そして「武道館への第二歩」として、8月22日に東京・日比谷野外大音楽堂、23日に大阪・大阪城野外音楽堂にてワンマンライブが行われることが告知された。DISH//の会員制サイト「皿組」では本日5月12日15:00よりチケット先行予約を受け付ける。

DISH//「皿 vs オールスラ マジで俺たち野音やるの!?こうなったらスラッシャー全員強制集合!!」
2014年5月11日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

01. FREAK SHOW
02. 恋するSPY
03. ピーターパンシンドローム
04. I Can Hear
05. TENKOUSEI
06. 晴れるYA！
07. GRAND HAPPY
08. ラブソングなんて似合わない
09. マジで無理～SUPERムチャブラレターズ～
10. デート＠ショッピングモール
11. secReT love
12. サイショの恋～モテたくて～
13. ザ・ディッシュ～とまらない青春 食欲編～
14. FLAME
＜アンコール＞
15. 踊らにゃソン！Song！
16. It's alright
17. 夢旅