今年2月にメンバーの牧野隆志が肺腺がんのため亡くなった東京プリン。彼らの事実上最後の作品となるシングル「明日笑っていられるように」が本日4月30日に発売された。
2010年に余命数年と告知された牧野は、家族を守るという使命感に駆られる一方で、死の恐怖に怯えながら懸命に闘病生活を続けていた。この心情こそアーティストとして世に問うべきメッセージではないかと気付いた東京プリンの伊藤洋介は、今を生きる人々が誠実に実行しなければならない心構えを人々に伝えたいと思い、牧野とともに表題曲「明日笑っていられるように」を制作。そしてその思いに賛同した仲間のアーティストたちが集い「東京プリンとたいせつな仲間たち」という名義でこの曲がレコーディングされた。
参加したゲストボーカルはYU-KI(
カップリングには1997年に大ヒットした東京プリンのデビューシングル「携帯哀歌」と、1stアルバム「けむたい人」のラストを飾った「電車」を収録。なお今作のCD、および表題曲の配信によるアーティストに関する印税の全額とエイベックス・エンタテインメントの利益は、発売日から5年間は日本対がん協会に全額寄付される。
東京プリンとたいせつな仲間たち「明日笑っていられるように」収録曲
01. 明日笑っていられるように / 東京プリンとたいせつな仲間たち
02. 携帯哀歌 / 東京プリン
03. 電車 /東京プリン
伊藤洋介(東京プリン)コメント
2010年6月、東京プリンの相方である牧野隆志が肺腺がんステージ4の宣告を受けました。以来彼は真摯に病と向き合いながら、必死になって生きている証を残そうとしました。傍で見ていて、「よくもまあ、こんなに前向きになれるなあ」と感心するほどです。そんな彼が、モットーにしていたのが、生きている瞬間、瞬間を大事にしようということ。やらなければならないことを面倒くさく感じるばかりに後回しにしてしまうのではなく、生きていることに感謝しながら、その時に与えられた使命を全うしようしていたのです。おそらく、「明日はないかもしれない…」と覚悟を決めているからこそ至った境地だと思います。
彼のそんな思いを察するにつけ、相棒として、一人のアーティストとして、そのメッセージを世の中に届けることはできないかと考えました。彼の心中は、決して現状の彼だけにあてはまるものではなくて、誰しもが刻んでおくべきことだと確信したからに他ありません。言わずもがなですが、人生はやっぱり積み重ねで、今は未来につながっています。今を、そして今日を悔いのないように生きることこそが、明日笑っていられる近道なのです。そんな思いで作り上げたのが、「明日笑っていられるように」でした。
できあがった曲を聴いて、牧野は喜びました。「ええやん、ええやん」って。その時の笑顔は今もはっきりと脳裏に焼き付いています。ところがレコーディングを前にして、彼の病状が悪化しました。常に痰がからむようになって、思うように声が発せられなくなってしまったのです。
そこで僕はこれまで東京プリンに関わってくれたアーティストのみなさんに協力を仰げないかと考えました。この曲を完成させることが、牧野に一層の生きる活力と希望を与えるに違いないと考えたからです。
残念ながら、全員のレコーディングが終わるのを待たずして、牧野は静かに息を引き取りました。無念です。
今は生前の牧野の思いが一杯詰まったこの「明日笑っていられるように」を、一人でも多くの人に聴いてもらうことこそが、残された相方である僕の使命だと考えています。
■東京プリンとたいせつな仲間たち / 「明日笑っていられるように」Music Video
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