4月21日、
「つぼ伝」は現在忘れらんねえよが展開している2マンライブツアー「ツレ伝」のスピンオフイベント。柴田が、バンドのデビューシングル「CからはじまるABC」にも登場する“聖地”、居酒屋つぼ八の座敷を貸し切り、
「つぼ伝」の先攻はいちろー。観客のいる座敷を横切り、その奥のステージという名のビールケースに腰掛けた彼は、開口一番「今日はいつも傍らにいる女性(せんせい)もいないのでゲスいことを言っても大丈夫」と90人の笑いを誘う。そして「こんなことを言いながらマジメな曲を」とメロウな「×ゲーム」「てのひら」で美声を響かせると、座敷からは歓声が上がった。
その後のMCは先の予告通りゲスい展開に。つぼ八の廊下でライブを見学していた柴田に2人の出会いのきっかけを尋ね、柴田がオフマイクのまま、出会う前からオーディション「RO69 JACK」で優勝したカランコロンのことは気になっていたと語ると、いちろーはマイクを通して、オーディションについて「金もらえるんだよね、金! 20万!」と力強く応答。「レコーディング費用としてもらうんだけど、インディーズバンドが1曲録るのに20万もかかるわけがないじゃん」とぶっちゃけ、チケットノルマにグッズの制作費用と、当時のカランコロンがいかに物入りだったかを、なぜか朗らかに語り出す。
そして自ら話しかけたにもかかわらず「まあいいや。あとで話そう」と柴田との対話を打ち切ると「リリー・フランキーさんに詞を書いてもらった」という「サヨナラ バイバイ マルチーズ」と、新曲「カランコロンのスーサイドソング(仮)」をパフォーマンス。「1人で弾き語りすることなんてホントにない」という自身に、弾き語りライブの機会を与えてくれた「つぼ伝」と90人に感謝の意を込めて披露した新曲では、“スーサイドソング”の名の通り、若手バンドの抱える葛藤や苛立ちを赤裸々に歌い上げた。
曲名を告げた瞬間、座敷中に拍手が鳴り響いた「16のbeat」で再度美声を聴かせたところで、いちろーの時間は終了。「ありがとうございました」と彼が再びテーブルの間を縫うように座敷をあとにすると、セットチェンジを挟んで、中ジョッキ片手の柴田がビールケースに腰を下ろす。「いちろーくんのライブがあまりに素晴らしすぎて、酒がクイックイ進んじゃってるんだけど」と笑うそのステージは、90人との乾杯で幕を開けた。
冒頭「♪ラララ」と歌い始めるも「ごめんなさい。間違えました」と早々にその曲を打ち切るひと幕こそあったものの、柴田はシングルの購入者特典として過去2回同店でファンとの宴会を開き、その席でミニライブを行っている“つぼ八ライブ”のエキスパート。直後には「大好きなつぼ八に、大好きないちろーくんがいて、いい顔したあんたらがいてくれてオレはとても幸せです」とミディアムスローテンポにアレンジした「北極星」「この高鳴りをなんと呼ぶ」で堂に入った歌声を響かせる。
またいちろーが「つぼ伝」のために新曲を初公開したのと同じく、柴田もこの日のためにとっておきの1曲を用意していた。「僕は大腸 君は小腸さ つながってる」「クソが通ると僕らは1つさ つながってる」と歌う“ラブ”ソング「体内ラブ」に続いて披露されたその楽曲は、2ndアルバム「空を見上げても空しかねえよ」の収録曲「夜間飛行」のプロトタイプ版。2ndシングル「僕らチェンジザワールド」に“珠玉のボツ曲”として収められていた「Happy birthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない」だ。気になる女の子のバースデーパーティに呼ばれなかった挙げ句の果てに巻き起こったあまりなできごとをつづるこの曲を柴田がギターの3弦を切るほどの勢いで熱演すると、座敷からは大爆笑が巻き起こった。
柴田のサプライズ攻勢はまだまだ続く。弦を張り替え、バラード「運動ができない君へ」「俺たちの日々」で負けそうになっている人々に熱いエールを贈ったかと思えば、いちろーとともに「“少女”でもなければ“ジャンプ”でもない」2人でカランコロンの「少女ジャンプ」をカバー。「バンドやっててよかった」とデュエットできた喜びを語り、和やかだった座敷の空気をさらに温める。
そしてライブ終盤戦には「まさかこの曲を作ったときには、こんなに大勢とつぼ八で飲めるとは思わなかったよ」「“残されたお前ら”と」と、「残された俺たちは つぼ八で飲みました」と歌う「CからはじまるABC」を満を持してドロップ。90人と大合唱を繰り広げ、続くセルフタイトルソング「忘れらんねえよ」でもつぼ八じゅうと声を合わせて「『つぼ伝』楽しいな」と自らのステージを締めくくった。
ところが柴田はビールケースに腰掛けたまま。「このあとアンコールがあるんで、いったんいなくなった体でお願いします」と身もフタもない話を始め、いちろーを再び座敷に招き入れてそのままアンコールへとなだれ込む。中ジョッキを離さない柴田が「最終的には『つぼ伝フェス』をやりたい」「『つぼ伝 in 武道館』とかさ」と語れば、いちろーが「それ、つぼ八じゃねえし」とツッコむ和やかムードの中、2人が最後にプレイした楽曲は「Happy birthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない」の最終バージョン「夜間飛行」だ。またも出トチった柴田をいちろーが「リハでやったこと、酔っ払って忘れてるでしょ!」と再度ツッコみ、この日一番の笑いを集めると、2人は改めて息の合ったアンサンブルを見せ、異例ずくめの対バンライブ「つぼ伝」の幕を降ろした。
つぼ八×ツレ伝「つぼ伝」~弾き語りツーマン in つぼ八~
2014年4月21日(月)東京都 つぼ八 新宿歌舞伎町店7階 セットリスト
いちろー(東京カランコロン)
01. ×ゲーム
02. てのひら
03. サヨナラ バイバイ マルチーズ
04. カランコロンのスーサイドソング(仮)
05. 16のbeat
柴田隆浩(忘れらんねえよ)
01. 北極星
02. この高鳴りをなんと呼ぶ
03. 体内ラブ ~大腸と小腸の恋~
04. Happy birthday! とはいえ俺は誕生会に呼ばれていない
05. 運動ができない君へ
06. 俺たちの日々
07. 少女ジャンプ
08. バンドワゴン
09. CからはじまるABC
10. 忘れらんねえよ
<アンコール>
11. 夜間飛行
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リンク
- 忘れらんねえよ OFFICIAL WEBSITE
- 東京カランコロン
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忘れらんねえよ柴田と公式 @wasureranneyo
熱いレポート、どthank you sexです!!RT @natalie_mu: 柴田隆浩×いちろー「つぼ伝」大団円!目指すは“in 武道館” http://t.co/1QXyKGk5JA