9mm Parabellum Bullet、濃密50曲超の武道館2DAYS完遂

9mm Parabellum Bulletが2月7日と8日に東京・日本武道館にて結成10周年を記念したライブ「10th Anniversary Live」を開催した。

初日は「O」、2日目は「E」というタイトルを冠して行われた今回の武道館公演。「O」は「Odd=奇数」、「E」は「Even=偶数」を意味しており、初日はこれまで発表された作品の中から収録曲順が奇数の楽曲、2日目は偶数の楽曲がそれぞれ披露された。

2月7日公演

初日公演は2007年発表の1stアルバム「Termination」の1曲目「Psychopolis」からスタート。バンドは鉄壁のアンサンブルで開始早々から武道館を轟音で包み込む。続けて最新の5thアルバム「Dawning」に収録されたシングル曲「Answer And Answer」へとつなげるなど、序盤から新旧キラーチューンを織り交ぜた攻勢で一気に会場の熱気を高めていった。

MCで菅原卓郎（Vo, G）はテンション高く叫び、「みんなよく来たな！ 今日は“奇数の日”です。俺たちはこの日を心待ちにしてきました！ 楽しんでいきましょう」と意気込んだ。続くロシア民謡調のナンバー「シベリアンバード ～涙の渡り鳥～」では、菅原と中村和彦（B）がコサックダンスのようなステップを踏む横で、滝善充（G）は予測不能の激しいアクションを見せつけて狂騒に拍車をかけた。

ライブ中盤には菅原から「そろそろ新曲を本邦初公開しようかと思うんだが、よろしいか皆さん？ タイトルは『オマツリサワギニ』と言います」と事前に初披露することが告知されていた新曲のタイトルを発表し、切なげな和風メロディの新曲を初披露。続けて「お祭り騒ぎはまだまだこれからだからな。ここを興奮のるつぼにしましょうよ！」という菅原の煽りを合図に、バンドは「Wanderland」「Supernova」「Sundome」を届けた。

その後バンドは2ndシングル「命ノゼンマイ」収録の山本リンダ「どうにもとまらない」のカバーを「武道館で誰かとキスして それも今夜はいいじゃない」と替え歌混じりに披露し、会場を沸かせた。またドラムソロコーナーで、かみじょうちひろ（Dr）はまるで曲芸のようなスティック回しを織り交ぜたテクニカルなプレイや、ドラムセット後方に配置されたドラを使った派手なパフォーマンスで観客を魅了した。その後ステージには菅原、滝、中村の定位置に3台のドラムセットが用意され、メンバー4人によるドラムセッションも繰り広げられた。

「カモメ」で彼らはライブでは初となるストリングス隊を迎え、華麗な音色とバンドの重厚なサウンドが絡み合う壮大なアンサンブルを聴かせた。演奏後に菅原はこの楽曲をストリングスありの編成でいつかやってみたかったという思いを口にしていた。

ライブ終盤にバンドは「The Lightning」「新しい光」「Beautiful Target」とアグレッシブなパワーチューンを連発。滝はライトハンド奏法を見せつけたかと思えば、暴れながら両手を振り上げて観客を煽った。勢いを保ったままプレイされた鉄板曲「Black Market Blues」では、「さあ踊れ！」という菅原の煽りも相まって観客の熱狂をさらに加速させた。

2月8日公演

大雪に見舞われたこの日の公演。バンドは開始早々「Discommunication」「Survive」というアッパーチューンを畳み掛ける。さらに菅原の「飛び跳ねろ武道館！」というシャウトを合図にフロアを揺らした「Grasshopper」、大合唱が響きわたった「Vampiregirl」で、場内を一気にヒートアップさせた。そして菅原は「みんな本当に来てくれてありがとう！ 今日は来れなかった奴らの分も楽しんでこうぜ！ 俺らはここに来れなかった奴らにも届ける気持ちで演奏するんで、みんなも熱気を飛ばしてくれよ！」と叫ぶ。歓声の沸く中、「5年ぶりの武道館ワンマンということで、5年前にここで“新曲”として披露した曲をやるよ！」と宣言してからアッパーチューン「Cold Edge」を送った。

菅原は前日に初披露した新曲「オマツリサワギニ」と同様に、武道館公演のために用意した新曲「EQ」についてコメント。しかし途中で説明を止め、「……説明が下手だから音楽やってるわけです。みんな新曲聴いてもらえますか！」と切り出し、彼らはメランコリックなメロディと軽快なビートが織りなす疾走感が心地よい新曲を届けて観客の心を踊らせた。

菅原が「さあ偶数の曲と言えばカップリングでしょう！ 3曲続けていくぜ！」と宣言し、「ラストラウンド」「エレヴェーターに乗って」「Bone To Love You」というシングルのカップリング曲を披露。「名曲ぞろいだったでしょ！」と自信たっぷりに話すと、会場には割れんばかりの拍手と歓声が響きわたった。その後「外には雪が降りしきってるそうですけど、雪とはまったく関係ない曲をやります」と話し、メンバーはウエスタン調のインストナンバー「Wild West Mustang」を演奏。「Termination」ではフロアからシンガロングも沸き起こり、場内の一体感が高まっていく。また「Finder」では、ピンクのライトに照らされて艶っぽいフレーズを奏でる滝の姿に熱い視線が集まった。

ドラムソロでは華麗なテクニックを披露するかみじょうが途中スティックを落としてしまうふりをして、そのまま左手を一切使わずにドラムソロを続けるなど観客を驚かせる一幕も見られた。さらに初日と同じく、メンバー4人による息のあったドラムセッションも展開された。

ライブ後半にはストリングス隊も加わった優美なアレンジの「黒い森の旅人」が届けられ、ドラマチックな楽曲を盛り立てる奥行きのあるサウンドで観客の心を打った。そして菅原は「いよいよクライマックスですよ！ 10周年、長いようで短いような中で俺たちに出会ってくれたみんなに心からの感謝を表明したいと思います。ありがとう」と改めて感謝の気持ちを伝えた。そして「みんなが帰り道で凍えたりしないように、心も体も武道館も燃やしていきましょうよ！」と叫び、「ハートに火をつけて」を投下した。

その後もバンドは「Zero Gravity」「marvelous」といったキラーチューンを立て続けにプレイし、会場のボルテージを一層高めていく。観客からの4カウントの声が響きわたった「Talking Machine」では、中村と滝がアンプのキャビネット上に立ち、かみじょうの刻むビートにあわせて激しくヘッドバンギングをするなど狂気じみたパフォーマンスを繰り出した。続く「Punishment」ではレーザー光線が激しく飛び交う演出とメンバーの奏でる轟音で、武道館の盛り上がりは最高潮に達した。そして熱狂の余韻を残して彼らにとって挑戦的な2日間となった10周年記念ライブは大成功のうちに幕を下ろした。

9mm Parabellum Bullet 10th Anniversary Live「O」
2014年2月7日 東京都 日本武道館 セットリスト

01. Psychopolis
02. Answer And Answer
03. Heat-Island
04. 荒地
05. シベリアンバード ～涙の渡り鳥～
06. Trigger
07. Caucasus
08. Starlight
09. オマツリサワギニ
10. Wanderland
11. Supernova
12. Sundome
13. Scream For The Future
14. どうにもとまらない
15. 光の雨が降る夜に
16. Caution!!
17. 銀世界
18. コスモス
19. キャンドルの灯を
20. カモメ
21. The Lightning
22. 新しい光
23. Beautiful Target
24. Black Market Blues
25. The Silence

9mm Parabellum Bullet 10th Anniversary Live「E」
2014年2月8日 東京都 日本武道館 セットリスト

01. Discommunication
02. Survive
03. Grasshopper
04. Vampiregirl
05. Cold Edge
06. Sleepwalk
07. Scarlet Shoes
08. 3031
09. EQ
10. ラストラウンド
11. エレヴェーターに乗って
12. Bone To Love You
13. Wild West Mustang
14. We are Innocent
15. Termination
16. Finder
17. Monday
18. Keyword
19. 命ノゼンマイ
20. 黒い森の旅人
21. ハートに火をつけて
22. Zero Gravity
23. marvelous
24. Talking Machine
25. Punishment

※両日ともにライブ本編のみのセットリストを掲載