怒髪天、初武道館で男泣き「何やってもグッとくるわ」

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昨日1月12日に東京・日本武道館にて、怒髪天のワンマンライブ「怒髪天結成30周年記念日本武道館公演 “ほんと、どうもね。”」が開催された。

武道館のステージで熱唱する増子直純(Vo)。

武道館のステージで熱唱する増子直純(Vo)。

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広いステージで寄り添うように集まり演奏する怒髪天。

広いステージで寄り添うように集まり演奏する怒髪天。

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男泣きする増子直純(左)とその肩を支える上原子友康(右)。

男泣きする増子直純(左)とその肩を支える上原子友康(右)。

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「怒髪天結成30周年記念日本武道館公演“ほんと、どうもね。”」の様子。

「怒髪天結成30周年記念日本武道館公演“ほんと、どうもね。”」の様子。

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1984年に活動をスタートした怒髪天は、今年でバンド結成30周年。苦節30年で実現した初の武道館ワンマンには全国各地からファンが集まり、立ち見客が出るほどの大盛況となった。

開演前、怒髪天メンバーが仲間のアーティストの告知をする映像が巨大モニターに流れる中、客席は着々と埋まっていく。開演時間になるとスクリーン映像と客電が消え、場内の熱気は一気にヒートアップ。バンドの演奏に合わせて紅白の垂れ幕がゆっくりと上がり、4人の立つステージが姿を現した。増子直純(Vo)はクシで頭をなでつけると、客席にクシを放り投げ「よっしゃー!」と絶叫。記念すべき怒髪天の初武道館は「酒燃料爆進曲」で幕を開けた。

続けて3曲を歌い上げた増子は、満員の客席を見渡しながら感極まった表情を見せ「ありがとう。ようこそお祭り会場武道館へ!」と観客に呼びかけながらも「あまりにすごすぎて現実感ゼロでーす」と、最上階まで埋まった客席の圧巻の光景に呆然とした様子。「小さなライブハウスも埋まらなかった頃からこの質問をしてるけど、今日この武道館でこの質問ができることを俺は非常にうれしく思う。……ロックでない奴あ?」と投げかけると、観客は揃って「ロクでナシ!」と答えた。「ロクでナシ」「どっかんマーチ」「情熱のストレート」の3連発で会場が沸き立つ中、増子は「ダーメだこれ。予想以上だわ。何やってもグッとくるわ」と思わず後ろを向いてしまう。そして坂詰克彦(Dr)に向け「坂さんよ、俺の後ろに何が見える? 後ろに見える人たちが常に後ろに付いてくれてるっつうんだから。すごくね? 坂さんの欲に濁った目にも見えるでしょ? 全員仲間だっつうんだから、これ立候補しちゃうよ」と独自の言語センスで感動を伝えた。

ステージと客席の距離はライブハウスに比べて大きく離れているが、4人は会場の隅々まで感情を届けるように音をぶつけていく。「ド真ん中節」では増子が何度も何度も拳を突き立て、観客もそれに呼応した。中盤、メンバーが一旦ステージを離れると、モニターには北海道・札幌を拠点に活動していた初期の怒髪天の姿が映し出される。再びステージに上がった4人は当時の映像に合わせ、初期のナンバー「流れる雲のように」を披露した。当時の増子は長髪で今とはまったく異なる風貌をしているが、拳を振りながら歌う姿は結成当時のままだ。

会場にはファンのみならず、昔からのバンド仲間や彼らを慕うアーティストも数多く集まっていた。増子は「友達ってのは俺が言うまでもなく、人生の宝だ。そんな友達のために古い曲を1曲やりたい」と、友人たちに向け「友として」を熱唱。そして「もしみんなが俺たちの仲間だと思ってくれてるなら、俺より先に死ぬな。俺の2秒後に死んでくれ。坂さんは俺の1日前に死んでくれ」とメッセージを伝えた。何を喋っても感極まってしまう増子は「なんだろうなこのしんみり症候群は」と照れつつ、終盤は「ホトトギス」「団地でDAN!RAN!」「オトナノススメ」と勢いのあるナンバーを畳み掛ける。ラストの「歩きつづけるかぎり」「雪割り桜」では会場中で大合唱が巻き起こった。

アンコールではロックバンドの楽しさを歌った“バンド讃歌”「ロックバンド・ア・ゴーゴー」、怒髪天イズムが詰め込まれた「喰うために働いて 生きるために唄え!」を披露。清水泰次(B)は何度も何度もジャンプし、上原子友康(G)はギターソロで勢いよく飛び出し、シールドが抜け音が止まってしまう。坂詰はMCで特異なキャラを全開にしながらも安定したドラムプレイでバンドの激しいプレイを支えた。そして定番のラストナンバー「セバ・ナ・セバーナ」で大団円を迎えたが、アンコールを求める声は止まらない。4人は真っ赤な法被姿で再度ステージに上がった。増子は「新しい言葉を開発すればいいんだけど、ヘンな感じになるから。ありがとうとしか言えないわ」と改めて感謝の思いを述べ、「ここで愛すべきメンバーを紹介したい」と3人を紹介しつつ、それぞれにコメントを求めた。バンドへの思い、武道館への思いが3人それぞれの言葉で語られると、場内は大きな感動に包まれ、そのたびに増子は肩をすくめて後ろを向いてしまう。そして「俺はこのメンバーとやることが楽しくてやってきた。バンドでどれぐらい持つのかがんばってみようと思う」と、この4人でいつまでも駆け抜けていくことを約束した。最後は全員楽器を置き、浴衣ダンサーを交えての「ニッポン・ワッショイ」でフィニッシュ。紅白の幕がゆっくりと降りる中、4人は最後の最後まで客席に手を振って声援に応えた。

ダブルアンコールの際、武道館公演に来てくれたファンへの“お礼参り”として全国をくまなく回るツアー「全国47都道府県ツアー 怒髪天、おかげさまで30周年。47都道府県勝手にお礼参りツアー “いやぁ、なんも、おかえしだって。”」の開催を発表した彼ら。また3月19日には今回の武道館公演の模様を収めたDVDが、4月にはバンド結成30周年を記念したアルバム(タイトル未定)の“紅盤”、夏には“白盤”がリリースされる。

怒髪天結成30周年記念日本武道館公演 “ほんと、どうもね。”
2014年1月12日(日)東京都 日本武道館 セットリスト

01. 酒燃料爆進曲
02. 北風に吠えろ!
03. 濁声交響曲
04. ロクでナシ
05. どっかんマーチ
06. 情熱のストレート
07. はじまりのブーツ
08. ドリーム・バイキング・ロック
09. ド真ん中節
10. GREAT NUMBER
11. 押忍讃歌
12. 労働 CALLING
13. 流れる雲のように
14. あえて荒野をゆく君へ
15. サムライブルー
16. 蒼き旅烏
17. 友として
18. ホトトギス
19. 団地でDAN!RAN!
20. オトナノススメ
21. 歩きつづけるかぎり
22. 雪割り桜
<アンコール>
23. ロックバンド・ア・ゴーゴー
24. 喰うために働いて 生きるために唄え!
25. セバ・ナ・セバーナ
<アンコール2>
26. サスパズレ
27. ニッポン・ワッショイ

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読者の反応

Risako @cha_maru

“@natalie_mu: 怒髪天、初武道館で男泣き「何やってもグッとくるわ」 http://t.co/V6MQUTwDnD”

このレポ読んでまた涙…。
あぁ素晴らしい夜だったなぁ。

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