忘れらんねえよ、ストロングスタイルで魅せたツアー最終日

2013年12月25日 13:12 75 1 音楽ナタリー編集部

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

30 45
8 シェア

記事へのコメント（1件）

忘れらんねえよが12月13日に東京・LIQUIDROOM ebisuでツアー「バンドワゴン」の最終公演を行った。

忘れらんねえよ

大きなサイズで見る（全8件）

柴田隆浩（Vo, G）

大きなサイズで見る（全8件）

梅津拓也（B）

大きなサイズで見る（全8件）

酒田耕慈（Dr）

大きなサイズで見る（全8件）

Nirvana「Smells Like Teen Spirit」、The Clash「I Fought The Law」、CHAGE and ASKA「SAY YES」などの開場SEが鳴り響くLIQUIDROOM ebisuに超満員の観客が駆けつけた中、忘れらんねえよの3人がこの日の出囃子にセレクトしたのは、柴田隆浩（Vo, G）が敬愛してやまないチャットモンチーの「シャングリラ」。その4つ打ちのビートに乗って梅津拓也（B）、酒田耕慈（Dr）とともにステージに現れた柴田は開口一番「今年はめでたいことがいっぱいあった！」「まずはチャットモンチーえっちゃん（橋本絵莉子）結婚！」「もう1つ、えっちゃん出産！」「そして忘れらんねえよのツアーファイナル、LIQUIDROOMがソールドアウトしました！」と絶叫し、オープニングナンバー「僕らチェンジザワールド」を叩き込む。

以降3人は、普段のコミカルなテイストを抑え直球のライブを展開する。客席下手側のスクリーンを使って酒田のファッションセンスにツッコミを入れ、柴田が初恋の人を忘れられず「一生懸命つきまとい行為をしていた」思い出を披露する定番の前口上から「慶応ボーイになりたい」をスタートするなど、そこここで笑いを誘いながらも、演奏になれば一転。会場が揺れるほどのポゴダンスが巻き起こった「アワナビーゼー」や、あちこちでクラウドサーフが発生した「中年かまってちゃん」、会場全体が万雷の拍手に包まれたバラード「青年かまってちゃん」など、ツアーを回る中で鍛え上げられたエモーショナルなアンサンブルを見せつけた。

さらに直後のMCで柴田は「これ以上できないってものを作って世に出した」という自信と気負いから、2ndアルバム「空を見上げても空しかねえよ」リリース以来、あまり眠れていないことを告白。それでもファンの熱い視線を前にしたライブの瞬間だけそのプレッシャーから解放される、と感謝の言葉を贈る。また「そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか」のプレイ後には改めて超満員のフロアを見回し「オレらは音楽始めたときに、まさかこんな景色見えるとは思ってなかった」とひと言。日々の生活の中で直面する理不尽にも折れずに立ち上がる「あんたらは絶っっっ対に間違ってない」と力強く断言し「ロックンロールが鳴ってる間くらいさ、『あんたら間違ってねえよ』『オレらは間違ってねえよ』って言ったっていいじゃん」「そんな曲を作りました」と「夜間飛行」をドロップした。

その後もバンドは「なんも迷ってない音楽を届けたい。そのためならこのつまんねえ人間の人生なんか捧げてもいい！」「もう1発ダンスナンバーをプレゼントしてもいいですか？」と熱い言葉を投げかけながら、「この街に君がいない」「CからはじまるABC」などアップリフティングなナンバーを連投する。雪崩を打ったかのようなモッシュとクラウドサーフが巻き起こるフロアを前に柴田が「バンドやって丸4年。オレ、ラブソング書けねえなってことに気付いたんだよ」と苦笑しつつ「でもオレはバンドが大好きなんだよ！みんなも好きだろ、バンドが！」「オレはそういうヤツらへのラブソングは書けるんだよ！」とシャウトすると、3人はフロアとともに「バンドワゴン」を大合唱してライブ本編を締めくくった。

アンコールの声に応えたバンドはまず「今日ツアーファイナルなんで」と、スペシャルゲスト・おとぎ話の有馬和樹（Vo, G）と牛尾健太（G）を紹介する。大歓声に迎え入れられた有馬の「忘れらんねえよの曲を初めて聴いたとき『柴ちゃん（柴田）愚痴しか言ってないな』と思ったんだけど、今日その歌がみんなの歌になってるのを見て感動した」との言葉を受けた3人はその有馬と牛尾とともに「戦って勝ってこい」をジェントルにプレイ。そして再び3人に戻ったバンドは「これホントに最後の曲なんスよ」「みんなで思いっきりキラキラさせませんか」と「忘れらんねえよ」を大合唱して、ライブの幕を下ろした。

終演後、ステージに残った3人は有馬と牛尾を改めて呼び寄せ、手に手を取ってあいさつすると、来春以降、親交のあるさまざまなバンドと各地で対バンライブを行う「ツレ伝ツアー」を開催することをアナウンス。さらにフロアとともに「S」「E」「X」のハンドサインを作って記念写真をしたのち、メンバーがそれぞれ「S」「E」「X」のポーズを決めながらジャンプする“SEXジャンプ”を4連発してステージをあとにした。

忘れらんねえよ「バンドワゴン」
2013年12月13日（金）東京・LIQUIDROOM ebisu セットリスト

01. 僕らチェンジザワールド
02. 戦う時はひとりだ
03. 僕らパンクロックで生きていくんだ
04. だんだんどんどん
05. アワナビーゼー
06. あんたなんだ
07. ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
08. 俺を守りたい
09. 中年かまってちゃん
10. 慶応ボーイになりたい
11. あなたの背後に立っていた
12. 青年かまってちゃん
13. 美しいよ
14. そんなに大きな声で泣いてなんだか僕も悲しいじゃないか
15. 夜間飛行
16. この高鳴りをなんと呼ぶ
17. この街には君がいない
18. 北極星
19. CからはじまるABC
20. バンドワゴン
＜アンコール＞
21. 戦って勝ってこい
22. パンクロッカーなんだよ
23. 忘れらんねえよ