この公演では感謝の気持ちを込めて来場者に入場料を決めてもらう “投げ銭制”を採用。当日はUstream生配信も行われ、多くのファンが彼らの集大成となるライブを楽しんだ。
メンバーがセンターステージに現れると、観客は大きな拍手で4人を迎え入れる。ライブは初期ナンバー「Oct」と「I Miss Seeing All」から幕を開け、武田信幸(G)が「今日は来てくれてどうもありがとうございます。10周年記念イベントということでこれまでに出したCDの全タイトルの曲をいろいろ演奏しようと思ってます」と盛りだくさんのライブにすることを宣言。その言葉の通り武田と楠本構造(G, Syn)によるギターアンサンブルが印象的な初期の楽曲「Ripple Spread」を披露したかと思えば、続けて最新アルバムからエレクトロ色の強いナンバー「Between Us」へと展開させていくなど、予測不能のセットリストでファンを沸かせ続けた。
ライブが折り返し地点に入ったタイミングで、メンバーはライブ終盤に披露されることの多い「7day Cicada」をプレイ。ピアノのループにあわせて武田がメロウなカッティングで土台を作り、山本晃紀(Dr)が鋭いシャッフルビートを刻む。そこに楠本と井澤惇(B)の重厚なアンサンブルが加わると、観客はその強烈な音像に酔いしれた。
武田は「1曲目『Oct』と2曲目『I Miss Seeing All』は10年くらい前のセットをやってみようっていうことで最初に演奏しました」と語り、「新宿のライブハウスに出演したときに今のマネージャーがLITEを気に入ってくれたことがきっかけで最初の音源を出すことになったんです。でもその後に200人くらいが集まったライブイベントに出演したときは『Oct』と『I Miss Seeing All』で最高にいい演奏ができたと思ったのに、俺の目の前の人から『えー意味わかんない!』って言われて……それが僕らの始まりだったりもします(笑)」と活動初期にLITEの音楽性がすぐには理解されなかったというエピソードを明かした。
ライブ後半にメンバーは「Ef」「Image Game」「Rabbit」「Dead Leaf」を立て続けに披露し、女性ボーカリスト・キャロラインのボーカルトラックを用いた楽曲「Arch」では幻想的なサウンドで観客を魅了した。武田は「俺たちはまだまだ未完成だけど、完成したら次がないかなとも思うんでこれから先も10年20年と未完成の歴史を作っていけたらなって思います」とこれからの飛躍を誓った。
その後バンドのテクニカルな魅力を詰め込んだ「Bond」に続けて演奏された「Pirates and Parakeets」では山本が立ち上がって指揮をとるようにスティックを振り上げ、会場の一体感を高めていく。そして本編ラストにはエモーショナルなナンバー「Infinite Mirror」、無機質なシンセサウンドが響く「Subaru」が届けられ、熱狂のままに大団円を迎えた。
アンコールに応えた4人は缶ビールを持ってステージに上がり、10周年を記念して祝杯を上げた。ラストに「Ghost Dance」と「100 Million rainbows」が演奏されると、美しいアンサンブルと狂気的な轟音が場内を包み込んだ。全23曲を熱演したメンバーは大きな拍手の中、ステージを後にした。
LITE「LITE 10TH」
2013年10月5日 東京・ラフォーレミュージアム六本木 セットリスト
01. Oct
02. I Miss Seeing All
03. Human Gift
04. Spiral Gate
05. Echolocation
06. Hunger
07. Tomorrow
08. The Sun Sank
09. Fog Up
10. Ripple Spread
11. Between Us
12. 7day Cicada
13. Ef
14. Image Game
15. Rabbit
16. Dead Leaf
17. Arch
18. Bond
19. Pirates and Parakeets
20. Infinite Mirror
21. Subaru
<アンコール>
22. Ghost Dance
23. 100 Million rainbows
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