再生数急上昇ソング定点観測 (2024年8月2週目) [バックナンバー]
Vaundy「ヒロアカ劇場版」主題歌は2曲合わせて完結 / エレン「こんなんで誰が喜ぶのさ」→みんな大喜び
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2024年8月9日 18:30 4
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで7月26日から8月1日にかけて集計されたミュージックビデオランキング、および急上昇ランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、
Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」LIVE from ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~
6位に初登場したのは
藤井風「Feelin' Go(o)d」ミュージックビデオ
11位には
XG「SOMETHING AIN'T RIGHT」ミュージックビデオ
12位は
ME:I「Hi-Five」ミュージックビデオ
14位は宝鐘マリンの「幽霊船戦」が登場。人気ゲーム「UNDERTALE」の作者であるトビー・フォックスが作曲を務め、「BEMANI」シリーズなど数々の音楽ゲームに楽曲提供をしている、かめりあが作詞・編曲を担当した。MVを制作したのはテレビアニメ「ウマ娘 プリティーダービー」や「スーパーカブ」の映像に参加しているスタジオKAI。楽曲も映像もともに豪華な布陣で制作されたことも話題となっている。
宝鐘マリン「幽霊船戦」ミュージックビデオ
ライブ映像からアニメーションMVまで並んだ今週は下記の3曲をピックアップ。
Vaundy「ホムンクルス」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場37位
映画「
7月26日にMVが公開されたオープニング主題歌「ホムンクルス」は、ヒーローと敵(ヴィラン)の全面戦争で荒廃した日本にやってきた男・ダークマイトのセリフ「俺が来た」が歌詞に使われていることからも、ダークマイトを軸にした楽曲のように感じられる。X(Twitter)で映画を鑑賞した人のポストを見ると「主題歌がホムンクルスだから、ダークマイトはオールマイトの人造人間かと思ったら……」などの反応があり、映画を観ると歌詞の意味がより詳しく紐解けるようだ。
オリジナルMVはPerfumeの多くの作品に携わり、サカナクションの「アルクアラウンド」や星野源の「恋」、藤井風の「燃えよ」、RADWIMPS の「愛にできることはまだあるかい」などを手がけた
Vaundy「Gift」ミュージックビデオ
8月6日は同映画のエンディング主題歌「Gift」のMVが公開されており、こちらのオリジナルMVにも関と山田が参加。「ホムンクルス」のMVと並べてみることで、1本の物語が完結する仕掛けになっている。
Official髭男dism「Sharon」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場38位
ヒゲダンはこのタイアップの発表に際して、同曲について「帰る場所があり、頑張りたい事がある、その幸せと、両立できない悔しさと、その悔しさを背負ってでも叶えたい夢や生きがいがある事 全ての感情の大切さがひとつの模様みたいになって、この曲を作らせてくれたような気がします」とコメント。この曲では「『ただいま』の代わりに扉の声を殺して」や「ただ『気をつけて』と伝え帰りを待ち侘びてた」などの歌詞で、山を舞台にしたドラマの内容と見事にリンクをさせながら、つい見落としてしまいそうな日常の尊さも描かれているように感じる。
MVは時間の経過をテーマにしており、時計の針が進むに従って、メンバーが演奏している部屋が徐々に暗くなっていく。終盤でセットが大胆に動き出すのは、おそらく1日1日が目まぐるしく過ぎていく様子を表現しているのだろう。家の中で何日も大切な人の帰りを待つMVは、ドラマとは違った視点で楽曲の解釈を広げられる。
弌誠「モエチャッカファイア」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場92位
2001年生まれのシンガーソングライター・
エレンエピソード「お願いエレン様!」|「ゼンレスゾーンゼロ」
サビの「ソー」は、エレンのギザギザしたノコギリ(Saw)のような歯が由来になっており、細かいディティールまで歌詞に落とし込んでいるのも素晴らしい。弌誠の低音ボイスによって、彼女の低いテンションを表現している点も、原作であるゲームのファンからも支持されている理由だろう。7月23日にMVが公開されてから2週間で100万再生を突破し、歌ってみた動画も増加中。23歳という若さでありながら、巧みな作曲センスを持つ弌誠の活躍に今後も注目したい。
バックナンバー
- (2024年11月5週目) B'zの新曲はイルミネーションのように人生を彩る / 学園一のアイドル十王星南が抱く「小さな野望」とは
- (2024年11月4週目) 一躍人気のサツキが「オブソミート」で描く戸惑い / 偶然の一致?「テトリス」ネタの2曲が同時にバズる
- (2024年11月3週目) DJ社長に振り回される「不憫ボーイズ」に期待の声 / 活休前の嵐の心情を描いた「5×20」に今改めて感動
- (2024年11月2週目) なきそが一切の救いがない現実を描く「化けの花」 / timeleszが感謝込め3人で作り上げた「because」
- (2024年11月1週目) キヨ東京ドームが大盛況!Eveが描いた15年の軌跡 / 星街すいせい&葛葉の初コラボに感じる熱いドラマ
- (2024年10月4週目) こっちのけんと「もういいよ」はどうしてタヌキ? / Ado作詞作曲「初夏」の心の叫びに救われる人が続々
- もっと見る
- 真貝聡
-
ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
名乗るほどのものではない @cxjwLOLQRaJQuUg
Vaundy「ヒロアカ劇場版」主題歌は2曲合わせて完結 / エレン「こんなんで誰が喜ぶのさ」→みんな大喜び | 再生数急上昇ソング定点観測 (2024年8月2週目) https://t.co/7JtTmgoC0S