左からSoma Genda、土岐麻子。

土岐麻子の「大人の沼」 ~私たちがハマるK-POP~ Vol.12(後編) [バックナンバー]

若い才能が殻を破る瞬間、&TEAMのこれから

Soma Genda(HYBE LABELS JAPANサウンドディレクター)と語る“指導者”側の思い

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メンバーの人間性を生かした曲作りを

──番組の中にはシグナルソング「The Final Countdown」と、ファイナルラウンドのミッション曲「Melody」「Running with the pack」というオリジナル楽曲が登場しました。すべてSomaさんがコライトで制作に参加した曲なので、これらについてもお聞きしたいです。それぞれメンバーに会ってから当て書きで作ったのか、本人たちとは完全に切り分けて楽曲を作ったのか、どちらでしょうか?

Soma 3曲とも当て書きしていますね。15人のことを思い浮かべて作りました。

──なるほど。「The Final Countdown」は、新しい挑戦のときを迎えた人を応援するようなとてもさわやかな楽曲で、オーディション番組のシグナルソングとしては新鮮な印象がありました。

Soma ほかのオーディション番組のシグナルソングがどんなものなのかはあまり把握できていないですが、彼らの雰囲気や、番組のモチーフだった狼、あらゆるものをつなげていくという意味が込められた「&」の世界観を掛け合わせるとこういう感じになるのかな、と思いながら制作しました。

──ファイナルラウンドで初めて披露した2曲はポップな「Melody」とエネルギッシュでダークな「Running with the pack」という、好対照な2曲でしたよね。これはメンバーを2つのチームに振り分ける前にまず曲を作ったんでしょうか?

Soma メンバーの振り分けよりも先に曲はできていましたね。かわいくてさわやかな雰囲気よりも激しいのが得意なメンバーもいるし、逆にハードな感じよりさわやかなものを得意としているメンバーもいる。自分に合う曲でやって、どれだけ魅力を出せるかを見せるラウンドだったので、かなり対照的になりましたね。どちらにも合わないメンバーというのはいない2曲にできたと思います。

土岐 「Running with the pack」を聴いていて、Somaさんはロックがお好きなんだろうな、本当はロック少年なのかな、と思っていました(笑)。

Soma 自分の中にはいろんな時期があるんですよね。ロック少年の時期もあれば、ジャズ少年、R&B少年も……曲のイメージに合わせて、毎回、その時期の自分を引っ張り出してきます(笑)。

Soma Genda

Soma Genda

土岐 ファイナルラウンドが終わって&TEAMのメンバーが決まり、今は12月のデビューに向けて準備の真っ最中ですよね。Somaさんは今後も楽曲面のプロデュースなどで関わっていくんでしょうか?

Soma そうです。サウンドディレクターとして引き続き一緒にやっていきます。

&TEAM  (c)HYBE LABELS JAPAN

&TEAM (c)HYBE LABELS JAPAN

土岐 ファイナルラウンドの2曲が好対照だったように、楽曲にはこれからもいろんなコンセプトを取り入れていくんですか?

Soma いえ、コンセプトはけっこう固まってますね。

土岐 グローバル展開を意識しつつ、歌詞は日本語なんでしょうか?

Soma 日本語ですね。世界中誰が聴いてもいい曲だと思ってもらえるというのが第一だし、どこの国に向けて、とかはあまり考えてないです。「&TEAM」というグループ名には、人と人、人と世界をつないでいく、という意味が込められています。それは「&AUDITION」の頃から引き続きですが、より広がっていけばいいなと思っています。そのためにメンバーのキャラクターや人間性を生かせる音楽を作っていきたいですね。曲が先行しすぎてもよくないし、人が前に出すぎてもよくない。そのバランスは僕がとっていかなくては、と思っています。

左からSoma Genda、土岐麻子。

左からSoma Genda、土岐麻子。

土岐 これからひたすら制作の日々ですよね。どんなデビュー作になるのか、とても気になります。

Soma ありがとうございます。楽曲制作に興味を持って勉強しているメンバーもいるので、いつかメンバーが制作に携わった曲もお披露目できるといいですね。

土岐 わあ、それはとっても楽しみです! 「&AUDITION」は夢中で拝見していましたが、ああいう若い子たちをどういうマインドで見ているのかが自分でもよくわからなくて、謎だったんです。「息子のよう」って言い表す方もいますけど、私には息子がいないからそれが合ってるのかわからないし、アーティスト目線でもなければ自己投影でもない……実在している存在としてあまり見ていないかもしれないですね。マンガや映画を自己投影せずに見ている感じに近いかもしれないです。

Soma 確かになんとも言い表しづらいかもしれないですね。僕は昔の自分を重ねていた気がします。15人全員に自分を投影していましたね。

土岐 そこからいいアドバイスが生まれてくることも多いだろうし、Somaさんというこんなに頼もしい先生がいて、彼らの前途は明るいと思います。今日はありがとうございました!

Behind Sketch

取材を行った日は、Soma Gendaさんのお誕生日。土岐さんチョイスのオレンジワインと編集部からの花束で、ささやかながらお祝いをしました!

新沼のコーナー

こんにちは、土岐麻子です。皆さん、最近はどんなドラマを観ていますか?
私はNetflixで「シスターズ」「ナルコの神」、そしてディズニープラスで「ゴールデンスプーン」を観始めました。「ゴールデンスプーン」の主演は、去年の秋に兵役から帰って来たユク・ソンジェ……そう、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」のシンの家臣の最年少、ドクファを演じていたあの彼です。そのほかには「サンガプ屋台」の主演も務めていました。笑うとフェネックギツネのようなかわいい顔で、ちょっと飄々としているお坊ちゃんっぽい雰囲気が癖になります。最新作となる「ゴールデンスプーン」では、優しさと恨みに葛藤する青年の姿を演じていて、存在感に深みが出た感じがします。

そんなソンジェは、アイドルグループ・BTOBのマンネ(末っ子)でもあります。私は推しグルであるMONSTA Xとともにバラエティコンテンツに出演していたことをきっかけにBTOBを知りましたが、「アイドルグループで合ってるよね?」と動揺するくらいのぶっ飛んだ面白さで一気に好きになりました。推したちも彼らと共演していて表情管理が危うくなるほど、本当に楽しそうでした。
また、MONSTA Xのミニョクの番組にBTOBのミニョク先輩が出演されたWミニョク回はビジュアル神回でした。

さてこの「新沼」のコーナーにも、そんなBTOBをプレゼンしてくださるメッセージが届いていました。だいぶ前にいただいていたメッセージではありますが、今シーズンのソンジェの「ゴールデンスプーン」での演技を観ている、このタイミングで紹介させてください。

miphoniumさんからです。

「土岐さん、こんにちは。BTOBと言うグループが推しです! 今年はデビュー10年目(2021年時点)でみんな年が30才前後とややベテランさんです。それでもメンバーはとっても可愛らしく、やっぱり歌が上手い!!」

miphoniumさん、こんにちは。ご紹介が遅れてごめんなさい、メッセージありがとうございました。BTOBは2012年3月にデビュー。ふむふむ。2022年10月現在は、11年目ですか!
韓国は契約期間の都合上、日本に比べて活動が短いアイドルグループが多いという印象ですがベテランですね。

「『KINGDOM : LEGENDARY WAR』というサバイバル番組に出たのですが、さすがBTOB! ヨクシBTOB! 色んな一面を見せてくれました!」

ということで、こちらはStray Kidsの「Back Door」のカバー。一度再生したら最後まで惹き込まれてしまうパフォーマンスですね~。かっこいい!
BTOBはバラエティセンスと歌のうまさゆえ、歳を重ねてその価値が無限大に増していくようなグループなのかもしれません。


miphoniumさんは「Remember that」の"チャックマン チャックマン"(ウングァンさんのパート)が頭から離れず、それ以来の大ファンだとのこと。歌がいいからこういう正統派な良曲をリリースできるわけですね。

そして、miphoniumさんがMVをお薦めしてくれた「Missing You(그리워하다 / クリウォハダ)」ですが、やはりどうしても歌がいいグループはライブを観たくなります……ということで、私からは2022年にKBSに出演したときのものを選ばせていただきました。バラエティでの彼らとの壮大なギャップに注目……。
昨年11月14日にヒョンシクとソンジェが除隊してから、今年2月にはアルバム「Be Together」をリリース。これをもって、2018年以来にメンバー全員そろっての活動が再開されたわけです。4年待ったMELODY(BTOBのファンダム名)の皆さん、お疲れ様でした…!
その間にメンバーの脱退などもあったけれど、現在の6人の強い意志が表れるような堂々としたパフォーマンスで、素晴らしいですね。

ということで、今日は歌ってよししゃべってよしなベテラングループ、BTOBの沼をご紹介しました。
miphoniumさん、どうもありがとうございました!!

このコーナーでは、私をこれから新しいK-POP沼にハマらせてくれる情報を引き続き募集します。こちらのフォームから、ぜひあなたの沼を熱くプレゼンしてください。

土岐麻子

1976年東京生まれのシンガー。1997年にCymbalsのリードボーカルとしてデビュー。2004年の解散後よりソロ活動をスタートさせる。本人がCMに出演したユニクロCMソング「How Beautiful」(2009年)や、資生堂「エリクシール シュペリエル」のCMソング「Gift ~あなたはマドンナ~」(2011年)などで話題を集める。最新作は2021年11月にリリースしたオリジナルアルバム「Twilight」。CM音楽やアーティスト作品へのゲスト参加、ナレーション、TV・ラジオ番組のナビゲーターなど、“声のスペシャリスト”として活動。またさまざまなアーティストへの詞提供や、エッセイやコラム執筆など、文筆家としても活躍している。K-POPでの最推しはMONSTA XのジュホンとBLACKPINKのジェニ。

TOKI ASAKO OFFICIAL WEBSITE
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Soma Genda

HYBE LABELS JAPANのサウンドディレクター。幼少期から培ってきたアカデミックな音楽理論と類まれなるトラックメイキングのセンスでダンス、ロック、ポップス、エレクトロ、劇伴など、幅広いジャンルのプロデュースで定評を得る。楽曲提供したBTSの「Crystal Snow」(2017年)はリリースと同時に全世界約10カ国のiTunesチャート1位にランクイン。提供曲が収録された嵐のアルバム「Untitled」はトリプル・プラチナディスクに認定されている。2022年、オーディション番組「&AUDITION - The Howling -」に出演した。

Soma Genda Works(Spotify)

&TEAM

&TEAM。上段左からK(1997年10月21日生まれ)、FUMA(1998年6月29日生まれ)、NICHOLAS(2002年7月9日生まれ)、EJ(2002年9月7日生まれ)、YUMA(2004年2月7日)。下段左からJO(2004年7月8日生まれ)、HARUA(2005年5月1日生まれ)、TAKI(2005年5月4日生まれ)、MAKI(2006年2月17日生まれ)。
 (c)HYBE LABELS JAPAN

&TEAM。上段左からK(1997年10月21日生まれ)、FUMA(1998年6月29日生まれ)、NICHOLAS(2002年7月9日生まれ)、EJ(2002年9月7日生まれ)、YUMA(2004年2月7日)。下段左からJO(2004年7月8日生まれ)、HARUA(2005年5月1日生まれ)、TAKI(2005年5月4日生まれ)、MAKI(2006年2月17日生まれ)。 (c)HYBE LABELS JAPAN


2022年12月7日にデビューすることが決定した、HYBE LABELS JAPAN 初のグローバルグループ。チーム名には「多様な9名が&でつながり、人と人、人と世界を結び付け、ファンとつながり、ファンとファンもつながる…。運命共同体となり、より良い自分へと成長するために、個々のエネルギーを集結させて自身の限界を超え続けていく」という彼らの強い意志が込められている。

&TEAM Official Site
&TEAM Official Twitter
&TEAM Member Twitter
&TEAM Official Instagram
&TEAM Official TikTok
&TEAM Official Youtube

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🅦🅔 & 🅛🅤🅝🅔́ @lunewelune

これは後編

Soma先生、ずっとありがとうございます😭

#War_Cry #Dropkick #チンチャおかしい #規格外_ALIEN #andTEAM #FirstHowling_NOW #andTEAM #앤팀
@andTEAM_members https://t.co/kiVogOg1o0 https://t.co/FfclpFAeen

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