JO1とJAMは「ぼくたちは、いつでもひとつ。」のその先へ
新宿駅の大型LED広告、ファンによる全都道府県での大規模な応援広告……そこに込めた思いを企画担当者に聞く
2022年6月3日 12:30 835
2021年12月に
しかし「FIND THE JO1」で発信されたメッセージ「ぼくたちは、いつでもひとつ。」の物語は、それで終わりではなかった。今度はJAM側があっと驚く広告展開で愛を伝え、JO1もまたもや大規模な広告でファンとの絆を表現したのだ。本稿ではこの動きを詳細に追い、広告企画担当者へのインタビューも実施。デビュー3年目に突入してグループとしての成熟度も高まり、新たなステップに進んでいるJO1の現在地とこれからを考察する。
取材・
広告効果だけ見るのではなく、ファンへ楽しさを伝えたい
まず前段として、本稿は前回の記事の続編となる内容なので、まずはそちらをご覧になってから読んでいただくことを推奨したい。
「FIND THE JO1」からの約半年間のJO1の動きを振り返ってみると、常にトピックに事欠かない。「FIND THE JO1」の企画の発端には、メンバーの金城碧海の一時活動休止があったことは前稿で伝えた通りだが、彼が今年2月14日に復帰を発表したことは、JAMに大きな喜びをもたらした。そしてその後もメンバー全員が主演を務めたドラマの配信、ドキュメンタリー映画の公開、ニッポン放送「オールナイトニッポンX」のパーソナリティ就任など、JO1は活躍の幅を広げている。一方でStray Kidsとのコラボで注目を浴びた「YOLO-konde」やアニメ「群青のファンファーレ」のテーマ曲「Move The Soul」ほか畳みかけるように楽曲を発表し、「THE FIRST TAKE」への出演も話題になるなど、アーティストとしての活動ももちろん充実の一途をたどっている。
そんなさなか、JO1が出演していた「KCON Premiere 2022」日本公演開催中の5月15日に、グループのInstagramのストーリーズに謎めいた画像が投稿された。
そこには「ぼくたちは、いつでもひとつ。」と、円の中に赤い文字で書かれている。
これのみではJAMも何も予想し得なかったが、翌日の5月16日早朝、Twitterに次々と報告が書き込まれていく。
「新宿駅に大きなJO1の広告が出てる!」「すごい。『With Us』も流れてる」。
ツイートに添えられた画像や動画には、楽しげに踊ったり微笑んだりするJO1の11人の姿があった。
新宿駅の東西自由通路に設けられたLEDビジョン「新宿ウォール456」は、長さ45.6mにもおよぶ超大型サイネージで、改札を出るとかなりのインパクトで視界に飛び込んでくる媒体だ。そこに1分30秒にわたり、音声とともにJO1の撮り下ろし映像が流された。通路を挟んで改札寄りの柱それぞれにもJO1のメンバーごとのサイネージ広告が掲出されており、空間をジャックしているような規模での展開だった。
映像では2ndアルバム「KIZUNA」のリード曲「With Us」が流れる中、メンバーが「皆さんの絆はどんな形ですか?」「大切な人を思い出してみてください」と語りかける。そして全員そろって完全体となった11人の声で、「ぼくたちは、いつでもひとつ。」のメッセージが届けられた。JO1を知らない通行人にも訴えかける広告だが、JAMへの感謝が込められた映像であることは一目瞭然だ。
実施の舞台裏について、今回もLAPONEエンタテインメントの担当者に話を聞くことができた。
「JAMの方はよくSNSなどで『より多くの人にJO1が見つかってほしい』ということをおっしゃるんですね。なので今回の『KIZUNA』の広告はファンだけではなく一般の方々へも届くように、目立つ形で展開することにしました。実際SNSのフォロワー数が増えたり事務所へメッセージをいただいたりと、JAM以外の方への広がりも感じましたね」(LAPONEエンタテインメント担当者)
「新宿ウォール456」の広告枠は、半年以上前から押さえていたのだと言う。担当者は「目立つ形で」と話すが、今回も「FIND THE JO1」と同様、大々的に広告掲出のプレスリリースをメディアに撒くなどの告知は行われなかった。
「もちろんどれだけ多くの方の目に触れたかという広告効果は大事ですが、LAPONEが出す広告ではファンの方へ面白さや楽しさを伝えたいという思いも大きくあります。こちらからあえて伝えなくても、きっとJAMの方々の間で広げてくれるだろうという予測もしていましたし、実際にその通りで。私も毎日新宿駅を利用するので、朝晩あの広告の前を通っていたのですが、ファンの方が集まる姿を見るのが本当にうれしかったですし、ファン同士で話すきっかけにもなっていたようで、不思議な喜びがありましたね。前回同様、また我々のほうが感動をもらいました」(LAPONEエンタテインメント担当者)
通常こうした新譜リリースの際のサイネージ広告であれば、リード曲のミュージックビデオの映像などを流用するケースが多いだろう。だが今回の「KIZUNA」の広告ではこのために撮り下ろした映像が使われており、メンバーのコミュニケーションが温かく切り取られていた。
「MVの切り出しというような、よくある形にはしたくなかったんです。私たちが扱っているのは音楽で、音楽をやっているのは人。人と人との関係性を重んじたい思いがありました。円のモチーフは安定感や一体感、絆を表現するために用いています。メンバーの動きはアドリブで、最後に円がだんだん小さくなっていくにつれてギュッと固まっていくところもわちゃわちゃと動いてくれて。普段の仲のよい様子が表れていると思います」(LAPONEエンタテインメント担当者)
キャッチボールのように思いを伝え合うアーティストとファン
前稿で記したように、JO1はオーディション時代からファンによる応援広告の出稿が活発に行われているグループであるが、今年4月5日にメンバーの木全翔也が誕生日を迎えた際に行われた展開は、通常とは異なる規模のものだった。
誕生日の数日前に「#JO1木全をさがせ」というタグとともに、ファンダム「木全翔也のうさぎ小屋企画委員会」のTwitterに投稿された告知がこちら。
数字の羅列を見て、すぐに何かに似ていることに気付く。これはまごうことなく「FIND THE JO1」を模したもので、マップコードから導かれた全国の駅には、それぞれ異なる作家によるファンアートを用いた広告が掲出されていた。
そしてすべての広告には「FIND THE JO1」と同じく黒い線があしらわれており、すべてのイラストをつなげると、1つのメッセージが浮かび上がった。
「いつまでもいっしょに」。
全国47都道府県に、それぞれ異なるクリエイティブの広告を出す。企業が行うとしてもかなりの労力と費用が必要な作業を、ファンが力を結集させてやってのけ、「FIND THE JO1」へのアンサーのようにJO1へメッセージを送ったのだ。この企画は、JAMに驚きと大きな感動を呼んだ。主催者は実施の経緯についてこう話す。
「『FIND THE JO1』はJAMのつながりを感じられた企画で、とてもワクワクし感動しました。こんなにもたくさんのファン、そしてJO1と運営の方とつながれる『チームJO1』はすごいなと。昨年スシローさんでサイネージ広告を実施した際に『いつもはお誕生日広告を見に行けないけど、地元でも見れてうれしい』という言葉をたくさんいただいたので、今年も全国のJAMが見に行ける企画にしたくて。全国のJAMがつながって、木全くんとJO1みんなにメッセージを返せたら素敵だなと思い、実施に至りました。JAMの皆さんが企画に参加してくれるかはとても不安でしたが……それは杞憂でした。すぐ探してくださり、メッセージが完成していくところを見て、ただただ感動しました」(「木全翔也のうさぎ小屋企画委員会」主催者)
オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」(2019年)の放送時、木全のファンは限られた分量の中で画面に映る彼を必死に探し、「木全をさがせ」を合言葉に応援していたことがある。デビューをつかみ取り、日々アーティストとして邁進している彼へ向けて、今回ファンたちはその頃の合言葉を広告「#JO1木全をさがせ」という形の大きなプレゼントに変換して届けた。何重にも愛を込めて作り上げられた企画である。
「『FIND THE JO1』で各地のJAMが広告を探しに行っているときから、オーディション中のことを思い出していました。オーディション中は画面の端に小さく映る木全くんを探していた私たちが、今は全国規模で木全くんを探している。オーディション中からどんどんファンが増えて、木全くんを応援してることが伝わったらうれしいなと思い、この企画名に決めました。また『いつまでもいっしょに』は、昨年のライブで木全くんがJAMに問いかけてくれた『これからもついてきてくれますか?』へのお返事の思いを込めています。コロナのため声を出して返事ができなかったので、言葉として伝えたい思いがありました。コンサートのときに言葉で伝えられずもどかしかったです」(「木全翔也のうさぎ小屋企画委員会」主催者)
アーティスト側から受け取った思いをファンが大きく練り上げ、アーティスト側に伝えていく。アーティスト側も日々、ライブのMCやインタビュー、ラジオなどあらゆるところでファンへの感謝を伝えている。JO1とJAMはキャッチボールのように思いを伝え合い、絆を強固にしていく関係性なのだと改めて感じる。なぜここまでの熱意を持って、JAMはJO1を応援するのか。
「いつも新しい姿を見せてくれるJO1に魅了されているのが一番です。その姿を見て、元気をもらったり、幸せな気持ちになれます。応援広告を出すことで、いつも元気づけてくれるJO1に少しでも喜んでもらえたり、多くの方に知ってもらうきっかけになったり、少しでも支えになれたらいいなと思います」(「木全翔也のうさぎ小屋企画委員会」主催者)
「木全翔也のうさぎ小屋企画委員会」は、韓国ではお馴染みの付箋広告(付箋にメッセージを書き込んで貼ることができる広告)を、2021年に日本で初めて実施して注目された。さらに全都道府県の駅への広告展開のみならず、木全が大の寿司好きであることにかけてスシローの店内にサイネージ広告を出稿したり、彼の地元である名古屋のみそかつ専門店・矢場とんとのコラボを実施したりと、個性豊かな展開が目立つ。アーティストの活動を日々追い、パーソナリティを熟知しているファン魂の為せる技だろう。
頂点を目指すJO1、今後の活動スタイルは
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新宿駅の広告こんな反響もあったんだ。確かに広告前にいると一般の人が会話の話題にしてくれたりSNSにあげてくれたりしてたしJAMじゃない人にJO1を見つけてもらうことが目的の1つだったら大成功だね
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