左から中村太郎、RIKU、古谷大和。

THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.13(後編) [バックナンバー]

RIKU×古谷大和×中村太郎が「天使について」を語る

それぞれが刺激し合って生まれる9通りの舞台

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これがある意味本当の芝居

古谷 RIKUくんはまずパフォーマンスがすごいじゃないですか。それに普段からドームのような大きな会場で歌って踊っているから度胸がある。芝居に対して不安を感じるのって、肝が据わってない人なんですよ。だからRIKUくんにそんな心配は一切してないし、「こうしたらもっと素敵じゃない?」ってみんなが声をかけるだけ。まあ僕はRIKUくんと同じ役なので一緒に舞台に立つことはないんですけど、一緒に芝居をする中村くんはRIKUくんに文句があるみたいですよ。

RIKU そうなんです(笑)。

中村 あのね、上半身がデカすぎ。

古谷大和さんと中村太郎さんにそそのかされ、腹筋をチラ見せするRIKUさん。

古谷大和さんと中村太郎さんにそそのかされ、腹筋をチラ見せするRIKUさん。

一同 ははは(笑)。

中村 先輩だけど……RIKUくん、ちょっと体がデカすぎるし、パワーがありすぎ!(笑) 今日なんか振り向かされたときにそのまま1周するかと思ったもん。勢いすごいし、鍛えすぎて力加減がバカになってるよ(笑)。

RIKU マジで!? 軽くやってるつもりだった(笑)。

中村 パワーというか、なんか重いんですよ。でもそれが変に……

古谷 気を遣うお芝居じゃない。

中村 なんで今俺が言おうとしたことを言うの?

古谷 遅いから! 俺が、太郎くんが言おうとしたことを横取りしたことも書いておいてください(笑)。

仲良しな天使たち。

仲良しな天使たち。

中村 うわー(笑)。まあいいや。で、話を戻すと、俺らが当たり前にやっていた部分をRIKUくんが全力でやってくれて、「これがある意味本当の芝居だ」とも思うんですよ。そりゃ「おい!」って相手を引っ張るときはそうやってつかむよな、とか。やってる風じゃなくてちゃんとやることの大事さに気付きますよね。あっくん(鍵本輝)もまだRIKUくんみたいな素材のきれいさがあって、2人にはそういう大事なことに気付かされますね。この現場では役者としてキャリアが長いから偉いとかないんですよ。

古谷 歌やダンスはかなり支えてもらってます。RIKUくんの場合、間違えても修正がうまいから振りが飛んだことに気付かないもんね。

中村 これ新しい振りなのかなって思う。適当にカッコよく踊っちゃうんです。だからRIKUくんが間違った振り付けで踊ったあとに、ほかの人がRIKUくんと同じヴァレンティノを演じているのを観たら全然ちゃうやんってなる(笑)。そういうごまかし方があるのかーって勉強になりますよ。

RIKU (笑)。みんなで補い合ってますよね。本当に。

この経験をランペに持ち帰れるのが楽しみ

──古谷さんと中村さんはRIKUさんとのお芝居で気付いたことをいろいろお話してくれましたが、RIKUさんが稽古を通して特に刺激を受けたことはありますか?

RIKU 演技の引き出しの多さですかね。例えば「机と椅子があります。この場で好きなことをしてください」という指示があったとして、僕だったら椅子に座ることくらいしかしないと思うんです。でも大和くんや太郎ちゃんだったら、きっと服を脱いで椅子にかけて携帯を触ってる演技をする、みたいな。僕はその指示に対する正解を探しているのに、2人の場合は毎回少しずつ変化を付けていて同じ演技がないんですよ。だから僕は必ず大和くんに先にやってもらって、それを観てから演技をしてます(笑)。ほかの演者さんもきっといろいろすごいところがあるんですけど、今は2人との稽古が多いので、そういうところに魅力を感じていますね。

天使ポーズ?

天使ポーズ?

古谷 お! 台本通り言えたね。約束通りお金振り込んどくねー。

RIKU えー! やったー! 肉食いにいきましょうよ(笑)。

中村 台本なんてないでしょうに(笑)。

古谷 ないけど(笑)。でもRIKUくんやあっくんは役者としてのキャリア以前に、性格的な部分でまっすぐな芝居が得意なんでしょうね。嘘をついている役者さんって、やっぱりわかるんですよ。“添加物”がまったくない芝居は観ていて気持ちがいいし、心に直接届く感じがするんです。技術云々ではなく。RIKUくんは共演者たちと比べて経験の浅さを心配しているけど、そんな必要はまったくないし、むしろこの現場でミュージカルで第一線で活躍している(鈴木)勝吾さんや石井(一彰)さんとご一緒できることを幸運だと思ったほうがいい。この作品での経験はきっとこの先でまたお芝居をすることになったときの自信になるはずだから。

──「RIKUさんの芝居は正直だ」という話がありましたが、ご自身ではそういう自覚がありますか?

真剣に演じるRIKUさん。

真剣に演じるRIKUさん。

RIKU 「ETERNAL」のときは実在しない人物を演じたので、僕=レンブラントだと思って、主観的に演じられたんです。でも今回演じるヴァレンティノはキャラクターだとしても、ジャコモは実在する人物なので、いろいろ史実に基づいたキャラ作りを話し合いながらしています。“実在するけど、お手本がないキャラクター”を演じるので、すごく不思議な感覚です。自分と役とのギャップを感じてますね。だから芝居を生業にしている人たちは、新しい作品に入るたびにこういう感覚になるわけじゃないですか。本当にすごいなと尊敬します。役を演じることについてはまだまだ模索中です。

古谷 1人2役で台本も難しいし、曲も多いから本当にみんな頭がパンクする寸前だよね(笑)。

RIKU エグいですよ! 役が変わったら声の質感やテンションを変えているし、仕草とかも変わってくる。難しいどころの騒ぎじゃないです。でもこの経験をランペに持ち帰れると思うとがんばれますね。この経験があればきっとどんなジャンルの曲が来ても背伸びをしないで歌えるようになると思うんです。それにきっとランペでの歌い方も変わる気がするんですよ。これを乗り越えた先にいる新しい自分との出会いが楽しみです。

牛を1頭買ってもらわないと割に合わない

──お二人はRIKUさんの歌を聴いてどう思いましたか?

古谷 何を聞いておる? めちゃくちゃいいに決まっとろう!

RIKU ははは(笑)。

古谷 いいに決まっとろうよ! 「これは何色ですか?」「緑じゃ!」こんな質問と変わらないですよ。RIKUの歌はいいに決まっとろうよ!

実際はセットの3Fと2Fに分かれて演じるシーン。

実際はセットの3Fと2Fに分かれて演じるシーン。

──失礼しました(笑)。では質問を変えて、RIKUさんの歌唱で感じるすごさは?

古谷 RIKUくんは本当に喉の使い方が上手なんですよ。音楽をいつでも奏でられる体になってる。これは相当すごいことですよ。僕のほうがいろいろ教えてもらってますから。だから僕も惜しむことなくお芝居のことを教えてあげようと思いますし。

中村 なかなかこんなに間近でアーティストの歌を聴ける機会なんてないし、本当にRIKUくんの歌には感動しましたね。歌を生業にしている人たちの歌にはこんな魅力があるんだと初めて気付きました。本当に知らないものを知った感じがしたんですよ。口ずさんでいるだけでもうまいってわかるし、ハモっているときも役者さんとやるのとでは全然違う。

古谷 でもRIKUくんにとっては当然のことなんだろうね。RIKUくんが僕らにすごいって言ってくれていることが僕らにとっては普通だったりもするし。

RIKU 普段は相方と3人でいつもハーモニーを作ってそれでメシ食ってますからね! 今回も天使役の役者さんたちとハーモニーを作りますが、ランペで歌うときとはちょっと感覚が違って。普通のおしゃべりにリズムと歌が付いたみたいな感じなんですよ。だから同じメロディなのに相手によってテンションが変わってくるんですよね。だからきっとキャストの組み合わせが違うだけで、違う作品を観ている感覚になると思います。むしろそういうふうに観てほしい。本当に毎日みんな大変な思いをしてやってるんですよ。これが終わったら牛を1頭買ってもらわないと割に合わない。

古谷 食用?

RIKU はい。牛肉が食いたいです。

古谷 お肉が好きなんだね

中村 状況が落ち着いたらみんなでごはんに行きたいね。

左から中村太郎、RIKU、古谷大和。

左から中村太郎、RIKU、古谷大和。

──では最後にRIKUさん、この舞台を楽しみにしている人へメッセージをお願いします。

左から中村太郎、RIKU、古谷大和。

左から中村太郎、RIKU、古谷大和。

RIKU キャストの組み合わせが9パターンあって、同じ監督の指導のもと、同じ台本で演劇を作っていますが、それぞれ全然違うものだと思っていただきたいです。話が難しいからこそ、全然関係ないような感想を抱いてもらっても問題ないと思っているので、身構えずに観に来てほしいですね。僕個人としてはミュージカルの世界に初めて足を踏み入れて挑戦する姿を皆さんにお見せするので、それを観て何か新しいことに挑戦したり、一歩踏み出す勇気になったりしたらいいなと思っています。ルカの邪魔ばかりしていたヴァレンティノの心が少しずつ変わっていくのを見て、自分は周りの人に対してどうだったかなと考えるきっかけになるとか、そういうことでもいいんです。あとはたくさん歌って踊るので、そこは期待してもらって大丈夫です!

ミュージカル「『天使について』~堕落天使編~』」

「『天使について』~堕落天使編~」ビジュアル

「『天使について』~堕落天使編~」ビジュアル

2022年2月24日(木)~3月6日(日)東京都 自由劇場
<出演者>
堕落天使ヴァレンティノ:RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)、古谷大和、鈴木勝吾
天使ルカ:鍵本輝(Lead)、中村太郎、石井一彰

ticketbook ONLINE / Hulu ミュージカル「『天使について』~堕落天使編~」生配信

2022年3月5日(土)13:00~
<出演者>
古谷大和 / 石井一彰

2022年3月5日(土)17:30~
<出演者>
鈴木勝吾 / 鍵本輝(Lead)

2022年3月6日(日)13:00~
<出演者>
古谷大和 / 中村太郎

2022年3月6日(日)17:30~
<出演者>
RIKU / 石井一彰
※大千秋楽カーテンコールあり

ticketbook ONLINE 購入・視聴URL:https://e-ticketbook.com/aboutangels/2112-tb_online/
Hulu 購入・視聴URL:https://www.hulu.jp/store/musical-about-angels-fallen-angel-edition

RIKU

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

1994年8月10日生まれ。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル。2017年1月にシングル「Lightning」でメジャーデビューを果たした。2021年7月から東京・東京ドーム2DAYS公演を含むアリーナツアー「THE RAMPAGE LIVE TOUR 2021 "REBOOT" ~WAY TO THE GLORY~」を開催した。9月に初の舞台「ETERNAL」で座長を務め、12月には1st写真集「Life is Beautiful」を刊行した。2月24日より東京・自由劇場で開催されている2人芝居のミュージカル「『天使について』~堕落天使編~」に出演中。

RIKU(@_riku_r.m.p.g_ldh)・Instagram photos and videos

古谷大和

古谷大和

古谷大和

1991年5月4日生まれ。舞台を中心に活躍し、ミュージカル「『黒執事』~寄宿学校の秘密~」や「KING OF PRISM」「A3!」シリーズなどに出演している。「『天使について』~堕落天使編~」では、RIKUと同じ堕落天使・ヴァレンティノを演じる。

古谷大和OFFICIAL SITE

中村太郎

中村太郎

中村太郎

1996年10月5日生まれ。舞台を中心に活躍し、ミュージカル「テニスの王子様」や「A3!」シリーズ、「ハイキュー!!」などに出演している。「『天使について』~堕落天使編~」では、天使・ルカを演じる。

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RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

RIKU(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)

RIKUさんが「天使について」の稽古に専念していたため、3月は休載します。次回更新をお楽しみに!

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