らーめん虎

ファンの店 第13回 [バックナンバー]

ラーメン通をも唸らせる、クレイジーケンバンドを愛するラーメン店

北海道・らーめん虎

2

485

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 9 47
  • 429 シェア

特定のアーティストの“ファンの店”を紹介する連載「ファンの店」第13回には、北海道のラーメン店・らーめん虎が登場。店主のKENさんは20年来のクレイジーケンバンドファンで、店内にはクレイジーケンバンドのお宝ポスターが至るところに飾られている。クレイジーケンバンドファンの店としても有名だが、ラーメン激戦区・札幌の人気店としても知られるらーめん虎で、KENさんに話を聞いた。

取材・/ 清本千尋 撮影 / 横田卓

ロックンロールな店主

札幌は広い、北海道はもっと広い……札幌出張が決まり、せっかくならば札幌市内に“ファンの店”はないかと調べたところ、クレイジーケンバンドのファンが全国から訪れるラーメン店「らーめん虎」が見つかった。札幌駅からすぐに行けるだろうと甘い見立てでGoogle Mapでルートを検索すると、札幌駅からバスに40分近く乗り、最寄りのバス停から10分歩かないとたどり着かない場所に目的の店があったのだった。

らーめん虎の店内。アクリル板にはクレイジーケンバンドメンバーのサインが。

らーめん虎の店内。アクリル板にはクレイジーケンバンドメンバーのサインが。

クレイジーケンバンドをiPhoneで聴きながら約束の時間より少し早く「らーめん虎」に到着すると、店の外まで長く伸びる列。ピークタイムを過ぎ店内に入ると、ビシッと決めたリーゼントヘアのロックンロールな店主・KENさんが笑顔で迎えてくれた。

のれんの前でポーズを決めるKENさん。

のれんの前でポーズを決めるKENさん。

一番人気はクリーミーな魚介豚骨「琥珀」

30席ある広い店内には至るところに額装されたポスターが飾られ、どこを見渡してもクレイジーケンバンド。当たり前のようにBGMもクレイジーケンバンド、テーブル脇に貼られた「からだすこやか茶W」の広告も横山剣さんバージョンという徹底ぶりだ。

店内には額装されたクレイジーケンバンドのポスターがいっぱい。

店内には額装されたクレイジーケンバンドのポスターがいっぱい。

横山剣さんを起用した「からだすこやか茶W」の広告。

横山剣さんを起用した「からだすこやか茶W」の広告。

らーめん虎のメニュー。

らーめん虎のメニュー。

席に着き、ラーメンを待っていると、KENさんがオススメの「琥珀」と「海老しじみ醤油」を運んできてくれた。白濁した琥珀色のスープにほろほろで柔らかく大きなチャーシュー、甘みのある刻みタマネギ、歯切れのよいメンマ、シャリシャリした食感の青ネギ、パリッパリの焼海苔が乗った「琥珀」は、魚介と豚骨のダシが効いたクリーミーな塩味。魚粉の香りも食欲を掻き立て、透き通った油と一緒にスープをすくい口に入れると想像以上にまろやかな味わいが広がった。麺は札幌の老舗製麺会社・さがみ屋製麺のプリプリな縮れ麺で、とろみのあるスープがよく絡む。

看板メニューの「琥珀」は魚介豚骨の塩味。クリーミーなスープが魅力だ。

看板メニューの「琥珀」は魚介豚骨の塩味。クリーミーなスープが魅力だ。

「海老しじみ醤油」は香ばしい海老の風味が食欲をそそる。

「海老しじみ醤油」は香ばしい海老の風味が食欲をそそる。

もう一方の「海老しじみ醤油」は、魚介スープのみで作った、海老の風味が香ばしい醤油味。北海道大空町網走湖(女満別湖畔)で獲れたしじみ貝から直接抽出し、4倍に濃縮したエキスをふんだんに使用したおおぞら三昧「しじ美醤油」を使った1杯で、ガツンと来る海老の香りとあっさりした後味に箸とれんげを持つ手が止まらない。

ラーメンを嫌いな人はなかなかいない

KENさんがクレイジーケンバンドのファンになったのは2002年。営業職時代、カーステレオから流れるFMラジオで聴いた「香港グランプリ」に衝撃を受け、CDを買いに走った。それからKENさんはずぶずぶと“沼”にハマるようにクレイジーケンバンドの魅力にどっぷりと浸かり、今に至るのだ。

店主のKENさん。

店主のKENさん。

店内の一番いい位置にKENさんと横山剣さんのツーショット写真が飾られている。

店内の一番いい位置にKENさんと横山剣さんのツーショット写真が飾られている。

リーマンショック直後、100年に一度の不景気と言われていた2009年、KENさんは、40歳でらーめん虎を開店。飲食業未経験だったKENさんがなぜラーメン店を開いたのかと聞くと、「特別ラーメンが大好きだったというわけではないけれど、ラーメンを嫌いな人はなかなかいないし、価格帯も手頃。給料日を気にせずいつでも食べに来られる」という理由で一念発起したという。

CKB好きアピールが実り……

開店当初から店内にクレイジーケンバンドのポスターを貼り、BGMはクレイジーケンバンド縛り、外壁にも剣さん風のシルエットをデザインした看板を設置するなど、剣さんがいつ来てもいいように準備をしていたというKENさん。メディアに出る際も事あるごとにクレイジーケンバンドや剣さんの名前を出し、惜しみなくアピールを続けてきた。

入り口に飾られたクレイジーケンバンドのサイン色紙。

入り口に飾られたクレイジーケンバンドのサイン色紙。

KENさん自慢のMUSTANG。「CRAZY KEN」の文字が入ったナンバープレートが飾られている。

KENさん自慢のMUSTANG。「CRAZY KEN」の文字が入ったナンバープレートが飾られている。

そして2014年11月、関係者からの誘いで、ライブの前乗りで札幌を訪れていたクレイジーケンバンド随一の美食家・小野瀬雅生さんの誕生日会に参加し、初めてクレイジーケンバンドメンバーと接触。実はKENさんも小野瀬さんと同じ誕生日で、1年に一度の特別な日に2人は出会った。KENさんと意気投合した小野瀬さんはその翌日にらーめん虎を訪れ、KENさん自慢の一杯を気に入ってくれたという。今では小野瀬さんがらーめん虎の店内でライブをしたり、東京に訪れた際には一緒に遊んだりと、小野瀬さんと大の仲良しになったKENさん。2021年12月には小野瀬さん、らーめん虎、釧路の食肉工房よしやすのトリプルコラボで小野瀬さんのこだわりが詰まったレトルトカレー「のっさんカレー」を発売した。

らーめん虎の店内でライブをする小野瀬雅生さん。

らーめん虎の店内でライブをする小野瀬雅生さん。

「のっさんカレー」パッケージ

「のっさんカレー」パッケージ

うまければ勝ち! カッコよければ勝ち!

らーめん虎は、クレイジーケンバンドファンの間では全国区の知名度で、札幌市内の僻地にもかかわらず各地から多くのファンが訪れる。北海道でクレイジーケンバンドファンの店を続ける理由についてKENさんに聞くと「北海道の聖地は守り抜かなきゃいけないんで」と語ってくれた。またらーめん虎は、クレイジーケンバンドのファンの間だけではなく、ラーメン激戦区の札幌でも名店として知られ、雑誌にも度々取り上げられるラーメン店。人気の秘訣についてKENさんは「豚骨スープがとにかく濃厚で、ほかにない味なんじゃないですかね。それに本州の人は札幌に来ると味噌を好んで食べるけど、札幌の人は味噌にこだわらない。うまければ勝ち! カッコよければ勝ち!」と笑顔を見せた。

らーめん虎が取り上げられたラーメン雑誌の一部。

らーめん虎が取り上げられたラーメン雑誌の一部。

オリジナルのおみやげラーメンやレトルトカレーも扱う。

オリジナルのおみやげラーメンやレトルトカレーも扱う。

最後に、クレイジーケンバンドの魅力を改めてKENさんに尋ねると、「唯一無二なところですね。剣さんは歳を重ねてどんどん声が渋くなっていて、それもまたカッコいいんですよ」と語る。そして「剣さんにはまだ店に来てほしくない。ライブ会場でステージの上の剣さんをみているくらいがちょうどいいんですよ」と、ライブのバックヤードで撮影した剣さんとのツーショットを見上げた。

ロックンロールヌードル!

ロックンロールヌードル!

店舗情報

住所:北海道札幌市清田区北野3条3丁目15-30
電話番号:011-376-0730
営業時間:11:00~15:00 / 18:00~21:30(ラストオーダーは閉店15分前)
定休日:水曜日夜、木曜日
お気に入りの曲:「LADY MUSTANG」
Facebook:https://www.facebook.com/tora1950/
※北海道からの要請により新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2022年2月20日(日)まで11:00~20:00で時短営業中。

バックナンバー

この記事の画像(全17件)

読者の反応

  • 2

あるとっと @alto_pocodun

ラーメン通をも唸らせる、クレイジーケンバンドを愛するラーメン店 | ファンの店 第13回 https://t.co/vt65NsDRS5

特にこういった前情報も無く挑んでみたわけだが、深い愛を感じることができてラーメンがより一層美味しく感じられたわけです('ω')

コメントを読む(2件)

クレイジーケンバンドのほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャの音楽ナタリー編集部が作成・配信しています。 クレイジーケンバンド の最新情報はリンク先をご覧ください。

音楽ナタリーでは国内アーティストを中心とした最新音楽ニュースを毎日配信!メジャーからインディーズまでリリース情報、ライブレポート、番組情報、コラムなど幅広い情報をお届けします。